オリンピック

 2月6日に開幕するミラノ・コルティナ五輪。開幕直前の熱気が高まる中、日本ボブスレー・リュージュ・スケルトン連盟はボブスレー男子2人乗り出場の可能性が消滅したことを発表した。

日本連盟が変更を「見落とし」

 日本は3大会ぶりに男子2人乗りの出場を目指していたが、日本連盟がルール改編後の五輪出場枠の獲得条件を誤って解釈していたことが原因のようだ。

 2022年北京五輪までは2人乗り・4人乗りで出場枠の獲得条件が分かれていたところ、今大会からは両種目の国際大会の成績を合算したランキングで決める方式に変更された。

 しかし、日本連盟はこの変更を見落としており、4人乗りの遠征を実施していなかったという。

「ボブスレーは五輪を目指す選手が少なく、連盟は強化費を有望選手の多いリュージュなどに振り向けるため、北京五輪後に活動を一時休止していました。そのため、毎年6月に開催される国際ボブスレー・スケルトン連盟の議会にも担当者を派遣せず、2024年も欠席。

 議会後、決議事項を含むメールがドイツ語と英語で送付されていましたが、連盟に外国語に精通するスタッフが常駐しておらず、担当者が見過ごしていたといいます。あまりにお粗末な失態ですね」(スポーツ専門誌ライター、以下同)

 一方、ボブスレーはマイナー競技のため、慢性的な資金不足にも直面している。理事と競技委員会のスタッフ約10人に加え、ボランティアなどの非常勤者が数人のみ。選手には数十万円の自己負担が課されており、今季の五輪選考レースでも、航空券代や移動費を自費で賄いながら大会に出場していたという。

「あきれて言葉も出ない」選手の胸中

「この問題を受けて、日本連盟の担当者は1月13日に都内で会見を実施。“残念な知らせを届ける形になってしまい、ここまでのチャレンジに心血を注いでくださった選手の方々に深くおわびを申し上げる”と頭を下げて謝罪しました。

 問題が発覚したのは、日本時間1月2日。米国遠征中の選手とコーチが、練習で顔を合わせた他国の関係者から指摘を受けたことがきっかけでした。3日には海外遠征していた5選手にオンラインで状況を説明し、いずれも“意気消沈していた”といいます」

ボブスレー競技の遠征計画の不備について〈お詫び〉の文章を発表した日本ボブスレー・リュージュ・スケルトン連盟競技委員会

 共同通信の取材に応じた選手は、「ここまでの努力は何の意味もなかったんだと思った。涙が止まらなかった」「ここまで初歩的なミスとは。次元が違う。あきれて言葉も出ない」と重い胸中を明かしている。

 連盟のミスによって五輪出場権を失うという結末に、「お粗末すぎるだろ。なんのための連盟なんだ」「選手たちは自腹を切ってでも五輪出場を目指してたのに。謝罪だけでは済まないだろ」「連盟も副業のボランティアみたいなものなのかな?それでも酷いけど」「出場できなかった選手は辛すぎる」など、批判の声は収まらない。

 競技の存続や予算の問題以前に、最低限守られるべきだったのは、選手たちの努力と覚悟だ。その土台を崩した責任はあまりにも重く、信頼回復への道のりは険しいと言わざるを得ない。