日本の伝統文化である相撲は、今や外国人力士たちの存在を抜きには語れない。これまでにさまざまな外国人力士が土俵へと上がり、その強さを見せつけて数多のファンを虜にしてきた。「相撲」と聞いて真っ先に思い浮かぶのは外国人力士という人も多いのではないだろうか。
そこで、全国の25歳以上60歳以下の男女500人を対象に「『衝撃的だった』外国人力士」についてアンケートを取った。
スピード昇進の新星と記録づくめの大横綱
異例のスピード出世を遂げ、初場所は新大関として土俵に立っているウクライナ出身の安青錦。昨年末は、雅子さまがお誕生日のコメント内で安青錦の活躍に触れ、大きな話題を呼んだ。そんな注目の安青錦は、各界の中でもまだ“新人”に当たる外国人力士だが、6位にランクイン。
安青錦は18歳のときに戦火を逃れて来日。「安治川部屋」に入門して2023年9月場所で初土俵を踏むと、番付を異例の速さで駆け上がり、初土俵から所要14場所で大関昇進を果たした。ウクライナ出身の力士が大関へ昇進するのは初のことであり、21歳8か月での初優勝は朝青龍を上回る歴代4位の快挙。戦時中のウクライナから日本にやってきて文化に馴染み、すぐに結果を出した安青錦に衝撃を受けた相撲ファンは多かったようだ。
「立ち会いの潔い姿勢が美しく、日本の文化に馴染み、強く素晴らしいと思った」(大阪府・37歳女性)
「ウクライナから来て、あれだけのスピード昇進はすごい」(奈良県・49歳女性)
第5位は、モンゴルからやってきた69代横綱・白鵬。
2001年に宮城野部屋から初土俵を踏んで以降、幕内優勝45回・全勝優勝16回・通算1187勝・63連勝など、異次元の記録をいくつも打ち立てた。行司の軍配に物言いをつけたり土俵上でガッツポーズをしたりするなど問題行動もあったが、そんな“悪役”的部分を含めて印象深い、記憶に残る力士であったことは間違いない。
「最初は品格があったけど、だんだんと荒っぽくなってきたから衝撃的だった」(兵庫県・58歳女性)
「史上最大となる45回の幕内最高優勝を誇り、相撲界に数々の記録を打ち立てた偉大な力士」(埼玉県・47歳女性)
「CM横綱」もランクイン
第4位にランクインしたのは、ハワイ出身の元祖外国人力士・高見山。
スカウトをきっかけに19歳という若さで海を渡り、右も左もわからない相撲界へと飛び込んだ。1964年に「ジェシー」の名前で初土俵を踏んだ彼は、環境の変化に苦しみながらも相撲に取り組み、1967年3月に外国人初の関取に昇進。激しい稽古、苦しい股割りの際に涙を浮かべるも「目から汗が出た」という言葉は今でも名言として語り継がれている。
巨体を活かしたダイナミックな相撲は、外国人力士が一般的ではなかった当時の相撲ファンに衝撃を与え、その心を掴んだ。
正式に四股名を与えられたあとも「ジェシー」の愛称で親しまれており、愛嬌のあるキャラクターが愛されて数々のCMにも出演。「CM横綱」といわれた当時の高見山を覚えているファンは多いようだ。
「初めて見た外国人力士で、強さだけではなく愛嬌も備えていた」(千葉県・60歳男性)
「初の外国人関取として圧倒的な存在感とキャラクターで、CM等にも出ていて人柄に親近感がわいたのを覚えています」(山形県・57歳女性)
「自分が知る限りでは最初の外国人力士で人気もあったし、好きな力士だった」(埼玉県・59歳男性)
第2位は同率で、ハワイ出身の曙とモンゴル出身の朝青龍だ。
曙は巨体から繰り出される強烈な突き放しを武器に快進撃を続け、大相撲史上初の外国出身横綱にまで上り詰めた。引退後は格闘家に転向しており、相撲よりも格闘家としての印象が強いという人も多い。
2000年代の相撲界に君臨した68代横綱・朝青龍。曙や若乃花、貴乃花など平成の相撲ブームを牽引した世代が去った土俵に現れたのが彼だった。朝青龍といえば、怪我で巡業を休みモンゴルでサッカーに興じていた“仮病疑惑”などの問題行動で有名。しかし、モンゴル出身として初の横綱昇進や幕内最高優勝25回など、数々の偉業を達成したその実力は多くの相撲ファンが認めている。
「(曙)相撲を辞めてから格闘技に転向したから」(宮城県・45歳男性)
「(曙)現役時代と引退後、両方で存在感」(埼玉県・40歳女性)
「(朝青龍)土俵上では圧倒的なパワーで、他者を寄せ付けない絶対王者の横綱であり、土俵外で色々トラブルを起こしていたから」(香川県・49歳男性)
「黒船襲来」と恐れられた力士
第1位に輝いたのは、ハワイ出身の小錦。
外国人力士の先駆者・高見山に見出されて、1982年に来日。200キロを超える巨体で日本の誇る横綱・大関をなぎ倒し、「黒船襲来」と恐れられた。小錦といえば、「プッシュ!」の掛け声とともに繰り出される突きと押しが有名。得意技を駆使して、小錦は1987年5月に外国人力士として初の大関昇進を果たした。
横綱にはなれなかったものの、その強さと陽気な性格で注目を浴びた小錦は、相撲界の人気・地位の向上に貢献。引退後はタレントとして数々のCMやテレビ番組に出演し、お茶の間の人気者になった。「引退後の小錦の姿のほうが印象に残っている」という声も多い。
「体の大きさと圧倒的な体重で相手を押し切ってしまう相撲がとても印象的だった」(神奈川県・40歳男性)
「身体の大きさと突き押しの強さはテレビで初めて見た時に、すごいなぁと思った」(北海道・55歳男性)
「外国人力士の先駆けでもあるし、力士が芸能活動することが印象的だった」(愛知県・49歳男性)
ほかにも外国の地からやってきて、日本の土俵に立った外国人力士はたくさん。ランキングには、7位に武蔵丸(ハワイ)と琴欧州(ブルガリア)、9位に把瑠都(エストニア)、10位が栃ノ心(ジョージア)ら、印象深い力士たちが名を連ねた。
日本という異国の地で、とくに特殊な環境である相撲界に飛び込み奮闘してきた外国人力士たち。かつてのスター力士たちを超える魅力を持った外国人力士は、今後も現れるのだろうか。もちろん外国人力士たちだけでなく、彼らと切磋琢磨する日本人力士たちの活躍を含め、角界全体に注目!
「『衝撃的だった』外国人力士」ランキング
1位:小錦 147票
2位:曙 78票
2位:朝青龍 78票
4位:高見山 54票
5位:白鵬 40票
6位:安青錦 32票
7位:武蔵丸 11票
7位:琴欧州 11票
9位:把瑠都 6票
10位:栃ノ心 5票
※インターネットアンケートサイト「Freeasy」にて1月中旬、全国の25歳以上60歳以下の男女500人を対象に実施
