WBC連覇を目指す大谷翔平

 1月16日、野球日本代表チーム「侍ジャパン」の井端弘和監督(50)が、3月に開催されるWBC2026を戦う新たなメンバー11人を発表。これで登録枠30人中の19人が決定したわけだが、現時点で現役メジャーリーガーは3人に留まりーー。

 今回、発表された11人の中には、ボルティモア・オリオールズからFAとなっている菅野智之投手(36)をのぞき、新たなメジャーリーガーは入っていなかった。依然としてロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平投手(31)、サンディエゴ・パドレスの松井裕樹投手、ロサンゼルス・エンゼルスの菊池雄星投手(34)のみとなっている。

 参加意思を表明していた山本由伸投手(27、ドジャース)。シカゴ・ホワイトソックスへの移籍が決まった村上宗隆選手(25、東京ヤクルトスワローズ)に、同じくトロント・ブルージェイズに移籍する岡本和真選手(29、読売ジャイアンツ)。そして井端監督が参加を呼びかけていたシカゴ・カブスの今永昇太投手(32)、鈴木誠也選手(31)らチームの中心となり得るメジャーリーガーの名前は一向に呼ばれない。

 そんな日本と同じ状況下に置かれているのが、多くのメジャーリーガーを擁する強豪国。アメリカと並ぶ優勝候補の一角とされるドミニカ共和国では、ブラディミール・ゲレーロJr.(26、ブルージェイズ)、マニー・マチャド(33、パドレス)、フアン・ソト(27、ニューヨーク・メッツ)、フェルナンド・タティスJr.(27、パドレス)らスター選手をはじめとする10名ほどが内定、または参加を表明。

 またベネズエラやプエルトリコも同様、WBC開幕まで2か月を切ったにもかかわらず、一部のメジャーリーガーこそ参加決定するも、主力メンバーの大半が不透明となっている。特にベネズエラの場合は、アメリカとは緊張下にある状況も影響しているのだろう、WBC出場辞退を申し入れる主力選手もいるようだ。

アメリカ代表27名の所属チーム

 片や、前大会の雪辱を晴らしたいアメリカ代表チームは、昨シーズン35本塁打を記録したミネソタ・ツインズのバイロン・バクストン選手(32)も加わって27人が決定(1月16日時点)。主将のアーロン・ジャッジ(33、ニューヨーク・ヤンキース)をはじめ、ナ・リーグ本塁打王のカイル・シュワーバー(32、フィラデルフィア・フィリーズ)らMLBトップの選手が顔を並べる「ドリームチーム」の様相だ。

 アメリカが着々と「優勝できるチーム」を結成していく中、なぜ日本を含めた有力国は自国のメジャーリーガーを揃えることがきないのか。気になったのが、アメリカ代表に選出された24名のそれぞれの所属チーム。各チームから召集されているのは1〜2名の主力選手、最大でも3名に収められていることだ。

 まるで各球団が申し合わせたように、メンバーがバランスよく選出されているようにも見える。

SNSで拡散されている、大谷翔平がフジテレビのインタビューを拒否したとされるシーン

「“各チームから何名まで”と決まっているわけではないでしょうが、そこは“暗黙の了解”になっている部分はあると思います」とは、MLB事情に詳しいスポーツライター。

「怪我や不調を引き起こしてレギュラーシーズンにも影響を与えかねないWBCだけに、本来は各チームフロントや編成が消極的なのは確かでしょう。実際、これまでのMLBといえば主力を出し渋り、準レギュラーをメインに据える大会もありました」

 シーズン開幕前のスケジュールで開催されるWBCが、プレーする選手のコンディションに影響を与えるのは確かだろう。日本でも2006年の第1回大会で、前年にパ・リーグ優勝と日本シリーズ制覇を果たした千葉ロッテマリーンズから最多の8人が代表選手に選ばれた

 見事、王貞治監督(85)のもとで初代王者に輝いたものの、ロッテは直後に開幕したレギュラーシーズンで4位のBクラスに転落。一方、2009年の第2回大会では中日ドラゴンズの選手が全員辞退したことで物議を醸したことも。以降、日本代表チームは各チームから“バランスよく”選ばれる印象もある。

ドジャースからはすでに“4人”出場へ

「しかし2028年のロサンゼルス五輪・野球での金メダル獲得を掲げるアメリカだけに、WBCを前哨戦としてMLBも本腰を入れて取り組んでいます。その上で各チームの平等性を図るために“1チーム何名まで”としたとしても頷けますし、その“規制”が他国代表のチーム編成に影響しているとも考えられます」(前出・スポーツライター、以下同)

 例えばマシュー・ボイド投手(34)、アレックス・ブレグマン選手(31)、ピート・クロウ=アームストロング選手(23)と唯一3名を送り込んでいるカブス。そこに加えて今永や鈴木を日本代表に、他国でも主力選手を輩出することになればシーズンへの影響は必至だろう。

「そうなると大谷投手に加えて捕手のウィル・スミス(30)、ベネズエラ代表を志願するミゲル・ロハス(36)、そして引退したとはいえクレイトン・カーショー(37)も参加するドジャースだけに、山本投手自身は出場を希望しても許されない可能性もある。

 もちろん本人の意思を尊重して球団と話し合いを重ねている段階とは思いますが、大会主催者であるMLBと選手会によって“ルール”も作られているWBC。おそらく日本代表や他国のメジャーリーガーの出場が正式決定するのは、アメリカ代表選手の顔ぶれが全て揃ってからの後回しになるのでは?」

 互いに最強チームが顔を合わせるのはロス五輪になりそうだ。