この冬行きたい観光列車の旅

 地元の食材を生かしたグルメや車窓からの絶景、 心ときめく内装など、移動そのものが楽しみに変わる「観光列車」。週女世代におすすめの“ごほうび列車旅”を、旅行ジャーナリストの星裕水さんに厳選して紹介してもらいました。

絶景やグルメも満喫!列車旅の魅力

観光列車の魅力は手軽に非日常感が味わえるところ。ただ移動するだけでなく、食事の提供がある列車もあれば、雪原を駆け抜けるSLなど、四季折々の絶景を楽しめる列車もあります。

 列車によっては乗車券だけを購入し、地元の食材が楽しめる駅弁や、スイーツを買って乗車するのも一案です」(星さん、以下同)

 個室やラウンジがあるリッチな列車もあり、鉄道好きな人はもちろん、女性客や中高年層の夫婦まで幅広い世代が楽しめるという。

車両のほとんどにトイレがついているので、移動中の不安がないのも中高年世代にはうれしいポイント。

 観光地や絶景スポットまで効率よく移動できるので、駐車場の心配もありませんし、運転もしなくていいので、夫婦や親子で楽しく食事やお酒を飲みながらゆったりできるのも、列車旅ならではの利点ですね

※運行情報や料金、予約についての詳細は各社HPを参照してください。金額はすべて税込み表示。

流氷物語号/北海道 JR釧網本線

 冬季限定の大人気観光列車、車窓から望む一面の流氷は圧巻!

「流氷物語号」2両編成のコンパクトでレトロな車両が特徴

 JR釧網本線の「流氷物語号」は、流氷が到来するオホーツク海沿いを走行する“冬季限定”の観光列車。

「まさに冬だからこそ楽しめる列車のひとつです。ローカル線のノスタルジックな雰囲気を楽しみながら、車窓から望む一面の流氷原と知床連山の絶景を楽しめます。

 釧路駅から網走駅をつなぐ『釧網線フリーパス』という、釧網線の普通・快速列車3日間乗り放題になるきっぷでも乗車できるので、網走エリアを満喫したい人にはそちらもおすすめ」(星さん、以下同)

オホーツク海側のテーブル席は指定席。景色をより楽しみたい人は、事前に指定席を購入するのがおすすめ

[運行区間]JR網走駅~知床斜里駅
[料金]乗車券1040円+指定席券840円(指定席利用時)
「運行期間]1月31日~3月1日、3月7日・8日
[予約]指定席券は全国のJRの主な駅(みどりの窓口)または「えきねっと」で購入可
[問合せ]011-222-7111(JR北海道電話案内センター)

こたつ列車/岩手県 三陸鉄道

 座席がこたつになったユニークな列車、三陸の「海の幸弁当」も外せない!

レトロかわいい茶色の車体は、岩手の古民家をイメージしたデザイン

 朝ドラ『あまちゃん』のロケ地としても知られる、岩手県・三陸海岸沿いを走るローカル線「三陸鉄道」。冬の風物詩として人気なのが、座席が“こたつ”になっている「こたつ列車」。この列車に乗るために全国から人が訪れるそう。

「久慈駅と宮古駅の間を、冬の土日祝に限定して往復して運行する列車です。こたつでぬくぬくと温まりながら列車に揺られるという、ここでしか味わえない特別なひとときを過ごせます。

 沿線にはトンネルが多いぶん、高い場所にかかる橋も多く、そこから見える太平洋はまさに絶景。事前予約が必要ですが、あわびやうになど、三陸の海の幸をふんだんに使ったお弁当も楽しめます」

あわび弁当(1950円)、うに丼(2600円)、ほたて弁当(1450円)

[運行区間]三陸鉄道リアス線 久慈駅~宮古駅(定期便)/宮古駅~久慈駅(臨時便)
[料金]大人3000円、小人1500円(全席指定)
[運行期間]3月8日までの土・日・祝
[予約]三陸鉄道公式HP(https://www.sanrikutetsudou.com/)
[問合せ]三陸鉄道(株)旅客営業部 0193-62-2215

乗る前に知りたい観光列車を満喫するコツ

チケット購入や情報収集はネットで!

「ほとんどの列車は自社HPからの予約制。行きたい日の約1か月前から予約が始まるケースが多く、30分で満席になる人気列車も。

 食事付きプランが選べる場合は、迷わずそっちを選ぶのが正解。全力で楽しめるし、あとで『やっぱり付ければよかった……』と後悔しません」

貴重品を持ち歩ける小さいバッグが必須

「途中駅での記念撮影タイムや、車内販売、ラウンジがある車両に移動するなど、細かい移動や物の出し入れが意外と多いです。スマホや貴重品、カメラを持ち歩ける小さなバッグを準備しておくと安心」

SL大樹&スペーシアX/栃木県 東武鉄道

 優雅に楽しむリッチな特急とSL、温泉×列車のあわせワザで冬のご褒美旅

SL大樹(左)&スペーシアX(右)

 温泉旅を兼ねるなら、東武鉄道の2つの列車を乗り継いで、日光・鬼怒川エリアを満喫できるコースがおすすめと星さん。

「『スペーシア X』は浅草から東武日光駅・鬼怒川温泉駅間を走る新型特急で、『スタンダードシート』のほか、1編成に1室しかない『コックピットスイート』など全6種の座席タイプがそろい、カフェカウンターも併設。

 下今市駅で『SL大樹』に乗車すれば、鬼怒川温泉まで雪景色の中を汽笛とともに走るノスタルジックな列車旅が楽しめます。旅の締めくくりは、鬼怒川温泉でゆっくり温まって」

スペーシアXの1号車「コックピットラウンジ」では、車内カフェでドリンクや軽食を販売。カフェの利用はオンライン整理券が必要だが、「コックピットラウンジ」「コックピットスイート」「コンパートメント」利用者は予約なしで利用可能

SL大樹
[運行区間]東武鬼怒川線 下今市駅~鬼怒川温泉駅
[料金]乗車券+座席指定料金(大人1000円~)
[運行期間]通年(運転ダイヤは公式サイト要参照)
[予約]東武線各駅の券売機・窓口、または「トブチケ」で購入可
[問合せ]03-5962-0102(東武鉄道お客さまセンター)

スペーシア X
[運行区間]東武スカイツリーライン・日光線・鬼怒川線 浅草駅~東武日光駅・鬼怒川温泉駅
[料金]乗車券+各シート毎の特急料金・特別座席料金
[運行期間]通年
[予約]東武線各駅の券売機・窓口、または「トブチケ」で購入可
[問合せ]03-5962-0102(東武鉄道お客さまセンター)

西武 旅するレストラン「52席の至福」/埼玉県 西武鉄道

 有名シェフ監修の季節の料理に舌鼓!景色と料理を楽しむ、大人のレストラン列車

秩父の名峰・武甲山に見守られ、沿線の景色を楽しみつつ進むレストラン列車

「定員52人の観光列車で、車窓の景色を眺めつつ、有名シェフ監修の季節のコース料理を味わえる“贅沢な観光列車”として人気を集めています。プランはブランチとディナーの2種類。

 いずれも旅行代金にコース料理が含まれており、1万円台で気軽に非日常の食体験が楽しめるのが魅力的。

 池袋駅・西武新宿駅から秩父方面へと向かい、終点の西武秩父駅周辺には、駅直結の日帰り温泉施設やパワースポットとして人気の三峯神社に足を延ばすなど、見どころもたくさん。冬には、西武秩父線・芦ヶ久保駅周辺で氷柱が見られるなど、季節の楽しみも広がります」

列車内はゆったりとした時間が流れ、夫婦の記念日はもちろん、友人同士や親子でも特別な時間が過ごせる

[運行区間]池袋駅〜西武秩父駅間/西武新宿駅〜西武秩父駅間など
[料金]ブランチコース大人1日15000円~/ディナーコース大人1人18000円~(どちらも西武線1日フリーきっぷ込み)
[運行期間]土休日を中心に年間約100日程度運行
[予約]公式Webサイトから申し込み〔https://www.seiburailway.jp/railways/seibu52-shifuku/〕(完全予約制)
[問合せ]0570-005-712(西武鉄道お客さまセンター)

伊予灘ものがたり/愛媛県 JR四国

 日本の夕日百選にも選ばれた“海と駅の生み出す絶景”4つのコースから選べる特別な体験

3つの車両からなり、車両ごとにデザインが異なる。1号車「茜の章」は、夕焼けをイメージした茜色のシートが印象的

 JR四国が初めて手がけた本格的な観光列車「伊予灘ものがたり」は、沿線の風景もおもてなしも特別。

「同乗するアテンダントの丁寧な接客や、車内から見える海沿いの景色に魅了され、リピーターも多いです。1日4便の運行にあわせて、朝食・ランチ・アフタヌーンティーなど便によって食事が異なり、料理は2か月ごとに替わります。

 乗車券、特急券のほかに食事代が別途必要で、食事のコースによって料金は異なりますが、大人1人あたり約1万円以下で楽しめます。いずれの便も、日本一海に近い駅として知られる『下灘駅』での撮影タイム付き。瀬戸内海を望むホームからの景色は、まるで絵葉書のよう。

 夕方発の便では、美しい夕日が海に沈む幻想的な時間を楽しめます。降雪量も少く、冬の観光列車の中では運休リスクが低いのも魅力。松山の道後温泉と組み合わせれば、充実した旅のモデルコースに」

2号車「黄金の章」は、海向きのシートを備えた開放感のあるモダン空間

[運行区間]予讃線 松山駅〜伊予大洲駅/八幡浜駅ほか
[料金]運賃+特急料金+グリーン料金(食事代は別途予約制)
[運行期間]土・日・祝を中心に運行
[予約]指定席券は全国のJRの主な駅(みどりの窓口)または主な旅行会社にて購入可
[問合せ]0570-00-4592(JR四国電話案内センター)

特急ふたつ星4047/佐賀県・長崎県 JR九州

 2つの海、2つのルート、佐賀と長崎の“海めぐり列車”でスイーツと温泉も

有明海や大村湾の青い海に映えるよう、白色の「パールメタリック」を基調として造られた車両

「西九州の海めぐり」がテーマの特急「ふたつ星4047」は、有明海と大村湾、それぞれの海沿いを走る2つのルートで楽しめる観光列車。

「午前便は佐賀県・武雄温泉駅から長崎駅へ向かう『有明海コース』、午後便はその逆ルートで大村湾沿いを走る『大村湾コース』で、目的地にあわせてルートを選べます。

 誰でも利用できるラウンジは写真映えする豪華なつくりで、大村湾コース限定で予約必須の『長崎スフレ』など、スイーツも充実で女性におすすめ。旅の締めくくりには、終点・武雄温泉で“美人の湯”に癒されるのもいいですね。湯豆腐や地元グルメもあわせてチェックしてみて」

2号車にある「ラウンジ40(よんまる)」は、床や天井に草花がモチーフの木版が並ぶ華やかな空間

[運行区間]午前便 武雄温泉→長崎(長崎本線経由)午後便 長崎→武雄温泉(大村線経由)
[料金]乗車券+特急料金(区間により異なる)
[運行期間]金・土・日・月・祝日を中心に運行
[予約]JR九州インターネット予約、みどりの窓口等で購入可
[問合せ]0570-04-1717(JR九州電話案内センター)

星裕水さん●旅行ジャーナリスト、編集者。主に鉄道、クルーズ船、航空、地域振興に関する取材・編集を手がける。『JTB時刻表』『るるぶクルーズのすべて』(ともにJTBパブリッシング)編集スタッフ。観光・旅行の仕組みにも詳しい。

星 裕水さん●旅行ジャーナリスト、編集者。主に鉄道、クルーズ船、航空、地域振興に関する取材・編集を手がける。『JTB時刻表』『るるぶクルーズのすべて』(ともにJTBパブリッシング)編集スタッフ。観光・旅行の仕組みにも詳しい。


※運行情報や料金、予約についての詳細は各社HPを参照してください。金額はすべて税込み表示。

写真/各社提供