「闇バイトとヒグマの映画。そのインパクトの強さに興味を持ちましたし、『ミスミソウ』の内藤(瑛亮)監督の作品という点も楽しみでした」
テーマは闇バイトとヒグマ
と話すのは、鈴木福。子役時代を除けば、長編映画の主演は初。うっかり闇バイトに手を染めた若者が、山でヒグマと対峙することになる物語だが、全国でクマによる深刻な被害が続いたため『ヒグマ!!』は公開延期に。1月23日、ようやくお披露目となる。
主人公・小山内蒼空(鈴木)のオファーを受け、
「マネージャーさんからは、製作陣のみなさんが僕を“主演で!”という思いをすごく強く持ってくださっていると聞いたので、“ぜひ!”と思いました」
撮影は、闇バイトが社会問題化し始めたころだったという。
「僕ですか? もし経済的に困窮しても、闇バイトには手を出さないと思います。そんな勇気、ないです……」
撮影は、雪の積もる極寒の山奥でも行われた。
「夜にヒグマに襲われるシーンは全部ナイター撮影だったので、日没から朝までが勝負。だから昼夜逆転の生活を4日間ぐらい続けました。その期間中にも、朝の生放送の仕事があって。ほかの仕事との両立は大変でしたね」
とはいえ、撮影現場はすごく楽しかったとニッコリ。
「何より血が出てくるシーンだと、監督がすごく張り切るんです(笑)。率先していろいろやってくれて。僕の顔や身体につける血のりもそうですし、(大道具の)看板の血のりは監督自ら(口に)含んで“ブシャー!”ってしたらしくて(笑)。そんな前のめりな監督の言動がいつも面白かったのを覚えています」
命懸けのギリギリの攻防戦。印象的だったのは、
「臓物が飛んでくるシーンかな。俳優人生において、なかなか経験できることじゃないなと思いました(苦笑)。小山内はヒグマと何度か対峙しますが、中でも最初にヒグマと1対1になるシーンは見どころだと思います。恐怖ゆえの情けない表情や声は意識しましたし、ヒグマの怖さを臨場感をもって感じていただけると思います」
ビールも飲むし、ワインは勉強中
現在、大学3年生の鈴木は、役との共通点をこう語る。
「小山内は自分と年も近いし、家族仲がよくて、共感する部分が多かったです。特に大学に合格して入学するまでの高揚感は、自分にもあったなと思いました」
撮影時期は、ちょうど大学の履修登録の期間だったそう。
「そのための課題をやったり、1年間一緒に授業を受ける友達を探したり。やっぱり学業と仕事の両立は大変だなぁと感じています」
2011年にドラマ『マルモのおきて』で子役として一世を風靡した鈴木も、今や21歳。
「お酒、飲みますよ。ビールも飲みますし、最近はワインも好きでちょっとずつ勉強してます。弱いほうではないと思うんですけど、仲のいい友達と飲んでいると気が緩んで、記憶があやふやになってしまうときもありますね(笑)」
子役時代から続く“愛らしい福くん”のイメージは根強い。成人した今、そこに戸惑いを感じることは?
「もちろん、昔から僕のことを知ってくださっている方々のおかげで今があると思うので。今も含めて見ていただけさえすれば、それはすごくうれしいことです。全部のお仕事に対して、“今の僕を見てもらうため”という気持ちでやっています」
これからどんな大人になっていきたいか、展望を聞いた。
「俳優として、“この人が出ているからこの作品を見たい!”と思っていただける人になりたいです。あとはやっぱり、イイ男になれるように……。憧れられる人になれたらいいなと思います。
目標にしている方はいっぱいいます。亀梨和也さん、星野源さん、山本耕史さん、古田新太さん、阿部サダヲさん……名前を挙げ始めたらキリがないですけど。僕が素敵だなと思う先輩方の持ってる要素を取り入れながら、また違う自分に出会えるように頑張りたいです!」
幸せを感じるとき
「両親やきょうだい、ウチの犬と一緒にいる時間はホッとするなぁ。やっぱり家族はすごく大事だなって思いますね」
鈴木家の仲のよさは、本人のSNSでも見られるとおり。
「僕、基本的に人が好きなんです。友達やマネージャーさんのような近しい人たちもそうですし、自分が“好きだな”って思う人たちと一緒に過ごしたり、お仕事したりできることは幸せだなと思いますね。ファンの方々もそう。“応援してくださっているんだ”ってわかるとうれしくて、パワーになります!」
取材・文/篠田 冴
