2025年シーズンに本塁打と打点のタイトル二冠を獲得して、阪神タイガースのセ・リーグ優勝に大きく貢献した佐藤輝明選手(26)。今季1億5000万円(推定)の年俸も爆上がり、バラ色のオフを迎えているはずが、いまだ契約は未更改のままーー。
1月16日、佐藤の契約更改の状況を問われて「交渉中です」と、冷静に務めた阪神・粟井一夫球団社長(61)だが、“虎の若き主砲”の希望に内心穏やかではいられないだろう。問題は年俸額ではない。
「球団は倍額の3億円近い年俸をすでに提示していると聞きます。しかし、佐藤の代理人を務めるショーン・ノバック氏との争点は、ポスティングシステムを利用してのメジャー挑戦の時期。なんでも佐藤側は今シーズン後の確約を要求しているようです」(スポーツ紙・野球担当記者)
佐藤が海外FA(フリーエージェント)権を取得するのは最短で2029年、30歳になるシーズンだけに、なるべく若いうちにメジャーでプレーしたい気持ちも理解できる。とはいえ阪神も「はい、わかりました」と許諾できない、いや、してはいけない現状もある。
今オフも東京ヤクルトスワローズの村上宗隆選手(25)、読売ジャイアンツの岡本和真選手(29)ら日本を代表する大砲がポスティングによるMLB球団への移籍を決めた。昨今、NPBからのスター選手の流出は避けられない状況にある。
NPBはメジャーの“草刈場”になる
国内外の移籍事情に詳しいスポーツライターによると、
「日本とは桁違いの年俸が見込めるメジャーだけに、移籍ビジネスに熱心な代理人は有望選手に近づき、若いうちにアメリカに売り込もうと躍起になっています。もちろんポスティングを容認する球団も、メジャー挑戦の夢を叶えたい選手の意思を尊重はしています。
ですが“少しばかり活躍したらメジャー”と選手を手放しては、NPBは“草刈場”に成り下がり、巨人同様に伝統を担ってきた阪神にはプロ野球を守る義務もあります。今、佐藤の要求を認めればファンの反発も想定されますし、今すぐにポスティングを確約することに慎重になるのも無理はありません」
なるほどNPBで圧倒的な成績を残してロサンゼルス・ドジャースに移籍した山本由伸投手(27)、最年少で三冠王を獲得した村上、過去2回の二冠王を獲得した通算248本塁打の岡本のように、認められるには“メジャーにふさわしい”成績を残す必要がありそうだ。
そんな佐藤のメジャー挑戦に期待をかけるのが、阪神OB会長の掛布雅之氏(70)。昨季の佐藤と同じく左打者で40本塁打を放っている、言わずと知れた阪神のレジェンドだ。
粟井球団社長が取材対応した翌日の1月17日、第22回神戸震災復興フリーライブ『ONE HEART』にゲスト出演した掛布氏は、佐藤の未更改契約にも言及し、
「メジャー挑戦を考えているなら外野に回って、新人の立石(正広、22)を三塁で使うこともチームとして考えた方がいい。外野もできるという形にすることは佐藤にとってもプラスになる」
掛布氏が佐藤に課した“メジャーの条件”
メジャーに移籍する上で、三塁手から外野手への再転向のアドバイスを送っている。また2025年11月23日にも、佐藤も表彰された『DID 大同工業 presents 阪神タイガース DIDアワード』年間大賞に同席した掛布氏。佐藤本人を前にして、二冠王に輝いたバッティングを評価しつつも、
「今年の首位打者も3割ちょっとですよ。それで僕、佐藤選手の三冠王というものが見える、来年のシーズンを感じる」
阪神では自身もなしえなかった、最強助っ人外国人と名高いランディ・バース氏(71)以来の三冠王獲得にハッパをかけるのだった。
「左打者には不利とされる、浜風が吹きるける甲子園での三冠王獲得は、誰もが佐藤を日本一のスラッガーと認める証となります。掛布さんの期待も、裏を返せば“日本で首位打者になるくらいコンタクト率が上がられなければメジャーで通用しない”ともする、いわば“条件”とも受け取れます。
球団もファンも“佐藤なら通用する”と認めざるを得ない成績を残す、2026年シーズンで三冠王を獲得できれば、阪神もオフにメジャー挑戦を容認する可能性はありますね」(前出・スポーツライター)
メジャーリーガーになるためではなく、メジャーリーグで活躍できる選手になるためにか。
