新型コロナウイルスの感染者増加について、記者会見する大阪府の吉村洋文知事 写真/共同通信

 2月の衆議院選挙と合わせて実施される、大阪府知事と大阪市長の出直しダブル選挙に揺れる大阪府。府の選挙管理委員会によると、費用は知事選で約23億3000万円、市長選で約4億7000万円、計約28億円に上る見込みとなることが判明した。

吉村洋文大阪府知事「選挙コストをできるだけ抑える」

大阪府の吉村洋文知事(撮影/週刊女性写真班)

「ダブル選挙の発表を受けて、吉村洋文大阪府知事は1月20日、大阪府庁で取材に応じました。費用に関する質問が飛ぶと、“選挙コストをできるだけ抑えるという意味でも、解散総選挙との同日となりました”と説明しています」(全国紙社会部記者)

 さらに吉村知事は「大阪の未来にとって重要な議論です。副首都にふさわしい大阪都構想の設計図作りに挑戦したい」と述べ、都構想の是非を再び問う選挙であることを強調した。

 一方、この急展開に異を唱えたのが大阪・交野(かたの)市の山本景市長だ。自身のXで、

《大阪府下33市の市長の1人としての意見を改めて表明します》《2月8日の衆議院解散総選挙で、大阪府内各市は四苦八苦してます。選挙期間は12日にも及び、1月27日公示です。死にもの狂いで交野市役所一丸となり、公営掲示板の設置や期日前投票開始に向けてがんばっています》

 と切迫した現場の状況を訴えている。

 続けて、

《しかしながら、選挙期間17日の大阪府知事選挙なんて、もうムリです。1月22日告示なんて、あと、6日しかありません。公営掲示板は間に合いません。期日前投票所開設も間に合いません。交野市は、ギブアップです》《ここまできたら、大阪府知事によるただの権利の濫用による各市長や各市役所職員へのパワハラではないでしょうか?》

 とまで言い切った。

「同時選挙による厳しい状況は他市も同様で、箕面市の原田亮市長や、維新所属である東大阪市の野田義和市長、高石市の畑中政昭市長らも、連携して対応する姿勢を示しました。今回は国政選挙と重なるため、現場の負担は限界に近い状況です」(前出・全国紙社会部記者)

民主的プロセス

 また出直し知事選については、主要政党や政治団体が候補者擁立を見送っており、他に立候補の動きもないことから無投票となる公算が大きい。

 この点について吉村知事は、「『民主的プロセス』が、もし都構想に挑戦するのであれば必要」と述べた上で、今回の選挙で立候補するかどうかは各党の判断になるとの認識を示している。

 この一連の動きを疑問に感じる人が多く、「民主的プロセスと言うのなら、過去2回住民投票で明確に反対されたことを重く受け止めるべき」「民主的ではない。ただの権力の私物化。やはり権力の一極集中、長期化は弊害しかない」「私たちの血税を使っているという意識はこれっぽっちもないんだろうな」「たった1人の暴走にかかる費用が28億円。維新はどうしてこの暴走をとめられなかったのか」

 といった批判の声が相次いでいる。

 いまだ波紋が広がり続けている中で突き進む今回のダブル選挙。“民主性”が本当に担保されているのか、有権者はあらためて厳しい目で見極める必要がありそうだ。