福岡県警東署

 福岡県警東署は1月8日午後1時28分、福岡市内のマンションの一室で傷病人を発見した。すぐさま病院へ搬送されたが、およそ2時間後に死亡。のちに住人で大学生の男性(22)と判明し、司法解剖の結果、死因は外傷性ショックだった。

「スパーリングをしていた」知人男性が証言

 地元紙の社会部記者が、発見に至る経緯についてこう語る。

「男性と一緒にマンションにいた20代の知人男性が、“スパーリングをしていたら、のちに倒れた”と119番通報。救急車から警察に連絡がいったことで事件が発覚しました。遺体は肋骨が折れていて、内臓も損傷していたほか、顔を含む全身に皮下出血が見られたといいます」

 事件が起きたのは築20年弱の10階建てで、各階に部屋が30戸近くもある大規模マンション。部屋は2Kほどの広さで、家賃は月7万円前後だったが、

「彼のことは全然、知らないですね。ここは大学生や専門学校生、若い会社員などの単身者向けで、入れ替わりも激しかけん、隣の部屋の人もわからんとですよ」(同じマンションの住人)

 別の住人は、被害者が搬送される瞬間を偶然、目撃していた。

「たまたま太ももあたりが見えたんですが、真っ青というか、紫色になっていました。テレビではスパーリングと言っていたけれど、そんなもんじゃなくて、リンチだと思いましたね……」

署から逃走、その後…

 “スパーリング”を口にしていた知人男性はというと、事件当日の午後3時過ぎから、東署で40分ほど任意で事情聴取を受けた。

「このときは“自分がやりました”とは答えなかったようですね。途中で“外の空気が吸いたい”と言うので、署員が外へ連れ出したところ、署から数百メートル離れたアンダーパス上の歩道まで逃走したといいます」(前出・地元紙社会部記者)

 これ以上は逃げられないと思ったのか、次の瞬間、10メートル近くある下の車道へ飛び降りようとした。

「署員がついていったので、慌てて食い止めました。それから再び署へ連れ戻って、しばらく保護して落ち着かせたわけです。午後6時すぎに保護を解除すると、彼は“帰ります”というような言葉を残して、署を出ていきました」(捜査関係者)

「スパーリング死亡事件」が起きた福岡市内のマンションの一室

 それから1週間後、まさかの事態が起こる。同署はこの知人男性が福岡県外で死亡していた事実を15日に明らかにしたのだ。自殺だった。

 彼は第一発見者で、通報者でもあった。“スパーリングをしていた“という不可解な証言も踏まえると、最重要参考人であったようにも思えるが……。

「知人男性については、あくまで関係者のうちのひとりであって、それについては必要な、適切な手続きだったと判断しています」(同・捜査関係者、以下同)

 被疑者不詳のまま送検されてしまう可能性については、

「なんとも言えませんね。捜査は継続中ですので、その結果次第ということになるでしょう」

 2人の間にいったい何があったのか。事件の全容解明が待たれる。