中国に変換された双子のパンダ・シャオシャオ(左)とレイレイ 写真/高氏貴博(毎日パンダ)

 1月27日、日本で唯一ジャイアントパンダが飼育されている、東京・上野動物園の双子のシャオシャオとレイレイが返還のため中国に向けて出発。

 '72年10月、カンカンとランランが上野に来園して以来、“友好のシンボル”として親しまれてきたパンダは、54年ぶりに国内飼育が“ゼロ”になる。

歴代ジャイアントパンダ“ありがとう!

 最終観覧日となった25日には、24.6倍にも上る倍率の中から抽選で選ばれたファンたちが、別れを惜しむべく園を訪れた。

こんな日が来るとは思いもしませんでした。日本にパンダがいるのは当たり前くらいの気持ちだったので、本当にまさか、まさかで……

 こう話してくれたのは、上野動物園に毎日通い、パンダの魅力をブログ『毎日パンダ』で発信し続けている高氏貴博さん。'11年、パンダたちのかわいさに衝撃を受けてブログを始めたという高氏さんは、シャオシャオとレイレイとの思い出について教えてくれた。

シャオシャオのほうが甘えん坊で、小さいころはよくお母さんのシンシンにじゃれついていて、構ってくれないときは、レイレイにちょっかいを出していました(笑)。レイレイのほうが大人で、あまりにもしつこいので“しょうがない”とばかりに仲良く遊んでいました。  

 大きくなってからは、別々の部屋で飼育されていましたが、匂いでわかるのか、シャオシャオがレイレイのいる部屋に近づいて、まるで寄り添うように寝ていたりして。甘えん坊は変わっていませんでしたね。レイレイは食欲旺盛で、モリモリと食べている姿が印象的でした

 2頭は28日、シンシンらが暮らしている中国・四川省の「ジャイアントパンダ保護研究センター」に到着したのち、検疫を受ける予定だ。

「近い将来、日中関係が改善したら上野にパンダが必ず来ると信じています。それまで“パンダ”つながりで大好きなレッサーパンダの写真を撮ったり、毎日通ってのんびりとブログを続けていきたいと思います。

 中国の研究センターは、パンダにとってはすごく環境がいいので、2頭にはすくすく育ってほしいです。いつか公開されたら、会いにいきたいと思います」(高氏さん)

 上野以外でも、和歌山の「アドベンチャーワールド」や兵庫の「王子動物園」などで飼育されてきた。そんな歴代パンダたちの愛らしい姿を振り返りながら、再び国内で会える日を心待ちにしたい。

※国内の動物園で一般公開された主な歴代パンダを紹介

上野動物園

カンカン♂&ランラン♀

カンカン♂&ランラン♀(左) 写真/共同通信社

 '72年10月28日に日中国交正常化の友好の証しとして、中国から日本に初めて贈られた。ランランが'79年9月4日、カンカンが'80年6月30日永眠

ホァンホァン♀

ホァンホァン♀ 写真/共同通信社

 '80年1月29日に中国から来園。フェイフェイとの間に、'85年6月27日に生まれた日本で初めての赤ちゃんパンダ・チュチュ(同年6月29日永眠)、トントン、ユウユウの3頭を出産。'97年9月21日永眠

フェイフェイ♂

フェイフェイ♂ 写真/共同通信社

 '82年11月9日に中国から来園したその夜、環境の変化も気にせずエサを食べ続けたという大物ぶり。'94年12月14日永眠

リンリン♂

リンリン♂ 写真/共同通信社

 '85年9月5日中国生まれ。'92年11月5日に来園。トントンとの間に子どもが期待されたが、叶わなかった。'08年4月30日永眠

トントン♀

トントン♀ 写真/産経新聞社

 '86年6月1日生まれ。木登りが大好きな、おてんばな女の子に成長。'00年7月8日永眠

シュアンシュアン♀

シュアンシュアン♀ 写真/共同通信社

 '87年6月15日メキシコ生まれ。'03年12月3日に来園し人気者となるも、'05年9月26日にメキシコへ。'22年7月6日永眠

ユウユウ♂

ユウユウ♂ 写真/産経新聞社

 '88年6月23日生まれ。性格はおっとり。'92年11月13日にリンリンとの入れ替わりで、中国・北京動物園へ。'04年3月4日永眠

リーリー♂

リーリー♂ 写真/高氏貴博(毎日パンダ)

 '05年8月16日中国生まれ。'11年2月21日来園。穏やかで繊細なハートの持ち主。'24年9月29日中国へ返還

シンシン♀

シンシン♀ 写真/高氏貴博(毎日パンダ)

 '05年7月3日中国生まれ。'11年2月21日来園。リーリーとの間に、シャンシャン、シャオシャオ&レイレイを出産し育てた母。'24年9月29日中国へ

シャンシャン♀

シャンシャン♀ 写真/高氏貴博(毎日パンダ)

 '17年6月12日生まれ。好奇心旺盛で、両親に似て美形と人気者に。'23年2月21日中国へ旅立つ

シャオシャオ♂&レイレイ♀

シャオシャオ♂&レイレイ♀ 写真/高氏貴博(毎日パンダ)

 '21年6月23日生まれ。漢字で暁暁(シャオシャオ)と書く名前の意味は、「夜明けの光が差し、明るくなる」、蕾蕾(レイレイ)は「蕾から美しい花が咲き、未来へつながっていく」

アドベンチャーワールド

蓉浜♀

 '92年9月4日中国で生まれ、'94年9月6日来園。永明とともに、中国との共同繁殖研究のスタートに貢献した。'97年7月17日永眠

永明♂

永明♂ 写真/高氏貴博(毎日パンダ)

 '92年9月14日中国で生まれ、'94年9月6日来園。梅梅、良浜と繁殖し合計16頭が誕生したビッグダディ。'23年2月中国へ返還され、'25年1月25日永眠

梅梅♀

梅梅♀ 写真/共同通信社

 '94年8月31日中国で生まれ、'00年7月7日に来園し、2か月後に良浜を出産。永明との間に、6頭の子どもを出産し育てた。'08年10月15日永眠

良浜♀

良浜♀ 写真/高氏貴博(毎日パンダ)

 '00年9月6日生まれ。永明との間に10頭の子どもを授かり、立派に育て上げた子育て上手なママ。'25年6月中国へ返還

雄浜♂

雄浜♂ 写真/共同通信社

 '01年12月17日生まれ。永明と梅梅の子。'04年6月アドベンチャーワールド生まれで初めて中国へ旅立ち、これまで15頭以上の子どもが誕生した

隆浜♂&秋浜♂

隆浜♂&秋浜♂ 写真/産経新聞社

 '03年9月8日生まれ。永明と梅梅の子で、双子の兄・隆浜はおとなしい性格、弟・秋浜はやんちゃ。2頭でじゃれあって遊ぶことも。'07年10月中国へ

幸浜♂

幸浜♂ 写真/共同通信社

 '05年8月23日生まれ。永明と梅梅の子。木登りやブランコが好きな男の子。'10年3月中国へ

愛浜♀&明浜♂

愛浜♀(右)&明浜♂ 写真/共同通信社

 '06年12月23日生まれ。永明と梅梅の子。双子の仲良しきょうだいの愛浜は食いしん坊で、明浜はのんびり屋な性格。'12年12月中国へ返還

梅浜♀&永浜♂

梅浜♀(右)&永浜♂ 写真/共同通信社

 '08年9月13日生まれ。梅浜と永浜は、良浜が永明との間で出産した初めての双子。'13年2月中国へ

海浜♂&陽浜♀

海浜♂(右)&陽浜♀ 写真/産経新聞社

 '10年8月11日生まれ。永明と良浜の子。甘えん坊さんの男の子の海浜と、慎重派の女の子の陽浜の双子パンダ。'17年6月中国へ返還

優浜♀

優浜♀ 写真/共同通信社

 '12年8月10日生まれ。永明と良浜の子。名前には“優しさと幸せをもたらす、愛される女の子に育ってほしい”という願いが。'17年6月中国へ

桃浜♀&桜浜♀

桃浜♀(左)&桜浜♀ 写真/高氏貴博(毎日パンダ)

 '14年12月2日生まれ。永明と良浜の子。園で初めて誕生したメスの双子。横並びで竹を食べる姿がシンクロすることも。'23年2月に永明とともに中国へ旅立つ

結浜♀

結浜♀ 写真/高氏貴博(毎日パンダ)

 '16年9月18日生まれ。永明と良浜の子。頭のてっぺんのとんがりがチャームポイントの女の子。'25年6月中国へ

彩浜♀

彩浜♀ 写真/高氏貴博(毎日パンダ)

 '18年8月14日生まれ。永明と良浜の子で、出生時の体重が75グラムと、園のパンダの中で最も小さく誕生したが元気に成長。'25年6月中国に返還

楓浜♀

楓浜♀ 写真/高氏貴博(毎日パンダ)

 '20年11月22日生まれ。永明と良浜の子。誕生直後から活発で、ママの良浜のお腹から転がり落ちそうになることも。'25年6月中国へ

王子動物園

タンタン♀

タンタン♀ 写真/高氏貴博(毎日パンダ)

 '95年9月16日中国生まれ。'00年7月16日来園。人工繁殖に取り組み、'08年には出産したが4日目に赤ちゃんが死亡。'24年3月31日永眠

コウコウ♂

コウコウ♂ 写真/共同通信社

 '96年8月12日中国生まれ。'00年7月16日来園。阪神・淡路大震災からの復興を願って「興興(コウコウ)」と名付けられた。'02年12月5日に中国へ。'14年10月14日永眠

コウコウ(2代目)♂

コウコウ(2代目)♂ 写真/共同通信社

 '95年9月14日中国生まれ。'02年12月9日来園。性格は温和だった。'10年9月9日永眠

福岡にも2頭のパンダが!

 '80年3月に福岡市と中国・広州市の友好都市締結1周年を記念して、中国広州動物園からオスのシャンシャンとメスのパオリンが、福岡市動物園に来園。4月1日から2か月間にわたり一般公開され約87万人が殺到。パンダフィーバーを巻き起こした

オスのシャンシャン(奥)とメスのパオリン