※写真はイメージです

今シーズンはいつもより気をつけたほうがいいかもしれません。要注意なのが、昨年から流行しているインフルエンザにかかった人です。インフルエンザ後は、鼻や喉の粘膜が傷ついていて、刺激に過敏になっています。花粉症の症状が出やすく、また長引きやすいのです

 そう教えてくれたのは、数多くの花粉症患者を診察してきた入谷栄一先生。

秋以降、体調を崩した人は特に注意

 インフルエンザの後遺症として長引く咳や鼻水・鼻づまりが、花粉症と重なって判断がつきにくくなる場合も。症状が長引き、強い咳が出るといった場合は速やかな受診が必要だ。

インフルエンザに限らず、風邪や胃腸炎などの感染症にかかった後は、免疫バランスが乱れて、少ない花粉量でもアレルギー反応が出やすくなります」(入谷先生、以下同)

 秋以降に体調を崩した人は、今まで花粉症ではなかったり、症状が軽かった場合も、より注意が必要ということ!

 では、具体的にどうすればいいのだろうか。

「とにもかくにも早めに対策をスタートすることをおすすめします。かつては症状が悪化して我慢できなくなってから受診する方が多かったですね。

 でも最近は“事前対策で症状がコントロールできる”ことが知られるようになっていて、症状が出る前や、軽いうちに受診される方が増えているんですよ。インフルエンザの流行した今シーズンは、それを徹底することをおすすめします」

 ちなみに、日本気象協会やウェザーニュースなどの予報では、今年のスギ花粉は、2月上旬から九州、中国、東海、関東の一部で飛び始める。飛散量は地域によって異なり、東日本と北日本で例年より多く、特に北日本では例年の2倍以上になる見込みだ。

早めの対策と「入れない・落とす・整える」

花粉症の薬は、つらくなってから飲むのではなく、“花粉が飛び始める1~2週間前から飲み始める”ことで、シーズン全体が楽になります。この記事を読んだら、すぐに飲み始めるといいでしょう

 花粉症については、事前の対策が重視されるようになるとともに、いかに毎日を快適に過ごせるかを気にする人も増えているそう。

花粉症には、くしゃみや鼻水など典型的な症状だけでなく、仕事の集中力や睡眠の質の低下、日中のだるさなど生活全体に影響する症状もあります。こうした症状についても、最近は相談が増えています。薬の選び方や生活習慣によって、ある程度は改善が可能ですから、あきらめないで

 また、薬を飲むだけでなく、実際に花粉が飛び始めたら、花粉を「入れない」「落とす」を徹底して、体調を「整える」ことで、アレルギー症状を抑えることも重要だと入谷先生は話す。

※画像はイメージです

「入れない」

 外出時は不織布マスクや花粉対策メガネを着用し、外で飛んでいる花粉を「吸わない・つけない」よう徹底。

「落とす」

 帰宅時は、玄関の外で衣服や髪についた花粉をしっかり払い落とすこと。そして、家に入ったらすぐに洗顔とうがいをして、はなをかむことで、目・鼻・喉に付着した花粉をその日のうちに除去するよう心がける。

「整える」

 体調を整えることも重要だ。特に睡眠不足はアレルギー反応を強めるので、しっかり睡眠をとるよう心がけたい。

症状の出方が変わる更年期以降は注意

 花粉症は年齢とともに弱まる人もいるが、50代以降の女性の場合、更年期などによる肌や粘膜の乾燥の影響で、症状の出方が変わることがあるので気をつけたい。

まず、更年期による女性ホルモンの分泌量の変化で、鼻や喉の粘膜が乾燥しやすくなり、刺激に敏感になります。その結果、くしゃみ・鼻水よりも、喉の違和感や咳、目の不快感が気になることがあります

 また、この年代はドライアイやドライノーズといった症状もあり、涙や鼻粘液の分泌が減って花粉を洗い流す力が弱くなっている。これに伴い、花粉量が少なくても症状が出やすくなる人も。

 更年期に限らず、昨今は「鼻水が少ない花粉症」が増加しているのも特徴だ。

鼻づまりや夜間の咳、喉のイガイガ、といったわかりにくい症状が前面に出る人が増えていて、風邪だと思っていたら実は花粉症だったというケースも珍しくありません

 目・喉の違和感、咳が続くと、睡眠の質も低下し、免疫のバランスも崩れる。

「年齢のせい」「風邪かも」などと自己判断せず、早めに医療機関へ相談をして適切な治療を受け、この季節を快適に乗り越えよう。

※写真はイメージです

花粉症の時期に食べるべき食品ベスト3

 花粉症対策に有効な食事は、「腸を整え、炎症を抑える食材を、毎日無理なく組み合わせること」がポイント。特別な食品より、「続けられる」食べ方が症状軽減につながる。

発酵食品(ヨーグルト、みそ、納豆など)

 発酵食品は腸内細菌の多様性を高め、アレルギー反応の暴走を抑える土台作りに役立つ。例えばヨーグルトは、腸内環境を整え、免疫バランスを安定させてくれる。バナナやオートミールなど食物繊維と一緒にとると乳酸菌が定着しやすくなるのでおすすめ。

青魚(サバ、イワシなど)

 青魚に含まれるEPA・DHAには抗炎症作用がある。ビタミンC・βカロテンなどの抗酸化成分を持つ緑黄色野菜を組み合わせると、さらにアレルギー性の炎症を抑えやすくなる。

緑茶

 緑茶のカテキンや甜茶のポリフェノールには、アレルギー症状を引き起こすヒスタミンの働きを抑えることで、くしゃみ、鼻水などを緩和する効果が期待されている。

花粉症の時期に避けたい食べものワースト3

 花粉症の時期は「刺激を入れない」「炎症を長引かせない」食事を心がけて。ワースト3を完全に禁止する必要はないが、症状が強いときだけでも控えると、身体が楽になる。

アルコール

 血管を拡張する作用があり、鼻づまりや目の充血などを悪化させる。また、アレルギー症状を引き起こすヒスタミンの体内放出を助長するため、くしゃみ・鼻水が強く出やすくなる。

辛いもの・香辛料

 鼻や喉の粘膜を刺激することで、炎症を助長してしまう。一時的に鼻が通った感じがしても、その後に症状が悪化しやすいので注意。

甘いものや加工品

 砂糖、塩、脂肪、添加物などを多量に使って加工されたジャンクフードや清涼飲料水などの「超加工食品」。超加工食品やその成分は、体内の免疫環境への負担などを通じて症状を強める可能性があるとの研究が複数報告されている。

今すぐの助けに!市販薬の活用テク

 症状に合った薬を選ぶことが大切。くしゃみや鼻水を抑えたい場合は、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を。ただし、眠気などの副作用が出る薬もあるため、車の運転時などは注意して。

 鼻づまりが気になる場合はステロイド点鼻薬も併用するのがベスト。目の症状には点眼薬を。そして、症状が強い場合や改善が見られない場合は、医療機関の受診が安心!

・飲み薬

 眠くなりにくいのは「第2世代」と呼ばれる薬。ロラタジンを含む「クラリチンEX」、フェキソフェナジンを含む「アレグラFX」、セチリジンを含む「ストナリニZ」など。総合感冒薬(風邪薬)やアルコールとの併用は、眠気などが強く出る可能性があるので避けて。

・鼻うがい

 鼻うがいは、炎症のもとになる花粉を“洗い流すケア”として有効。飲み薬と併用すれば、それぞれの異なる働きにより相乗効果が期待できる。ただし、やりすぎると粘膜を守るバリアまで洗い流してしまう。必ず専用製品か生理食塩水を使用し、1日1~2回にとどめること。

入谷栄一先生●医療法人社団勝榮会いりたに内科クリニック理事長。特に呼吸器内科分野の長引く咳の治療を得意とする。

教えてくれたのは……入谷 栄一先生●医療法人社団勝榮会 いりたに内科クリニック理事長。特に呼吸器内科分野の長引く咳の治療を得意とする。


取材・文/鷺島鈴香