2月6日から22日まで第25回冬季オリンピック大会がイタリア北部の都市、ミラノとコルティナで開催される。あのジャンプ、あのゴール、あの涙……冬季五輪の名場面は時代を超えて視聴者の記憶に刻まれてきた。平成、令和と受け継がれてきた感動の瞬間をランキングで振り返る。
2月6日、イタリアのミラノ・コルティナで冬季五輪の火蓋が切られる。
「メダルを期待されているスノーボードハーフパイプの平野歩夢(27)がケガで負傷する中、代表入りが決まりました。また、スキージャンプの小林陵侑(29)や4大会連続出場となる高梨沙羅(29)なども代表に選ばれ、話題となっています」(スポーツ紙記者)
新たなドラマが生まれる一方で、多くの国民にとっては今も色あせない感動の瞬間があるはず。競技の枠を超えて語り継がれる冬季五輪の名場面を20代~70代女性1000人にアンケートしました。
人々が惹かれる氷上のドラマ
「アジア人男性がフィギュアでメダルを取れると思っていなかった」(愛知県・49歳)、「お金持ちのスポーツで普通の家の子が頑張ってる姿が泣けた」(千葉県・49歳)
女性たちを感動させた5位は、男子フィギュアの高橋大輔。7歳からスケートを始め、2006年トリノ五輪に初出場し、2010年のバンクーバー五輪で銅メダルを獲得。フィギュアスケート男子で日本人のみならずアジア人初の五輪メダリストに輝いた。
2014年に一度、競技を引退したが、2018年に復帰。アイスダンスに転向し、結果を残したのち2023年に引退した。
「岡山県出身の高橋さんは裕福とはいえない環境でしたが、家族一丸となって競技生活を支え、また、地元の商店街の人々が有志の《大輔ボトル》という貯金箱を設置してカンパを設けるなど、人々から愛されて育った。それも高橋さんの飾らない素直な人柄ゆえ。これらのエピソードは五輪のたびに報道され、メダル獲得がより感動的になった面もあると思います」(スポーツ紙記者)
競技の裏のドラマに見る者は惹かれるのだ。
そんなストーリーに負けない4位は、
「金メダルを取ってほしかった」(東京都・51歳)、「トリノに出場できていれば」(大阪府・48歳)
女子フィギュア界の妖精と呼ばれた浅田真央が惜しくもバンクーバー五輪で韓国のキム・ヨナに敗れ銀メダルとなった出来事が4位に。
5歳でスケートを始め、12歳のときに初めて出場した全日本選手権で「天才少女」として注目を浴び、2004年にはジュニア女子では史上初となるトリプルアクセルを成功させ一躍スターに。
2006年のトリノ五輪出場を期待されたが年齢制限のため出場はかなわず、日本スケート連盟には多くのクレームが届いた。
ライバル視されたキム・ヨナ
「天真爛漫で心からスケートが好きという感じで楽しんでスケートをしていた浅田真央さんでしたが、2010年のバンクーバーのときは非常につらそうな顔で滑っていたのが印象的です。韓国のキム・ヨナサイドからライバル視されたり、比べられたりするのが本意ではなかったのでしょう」(スポーツ紙記者)
当時、タレントのラサール石井がツイッター(現・X)で《エッチしなきゃミキティやキムヨナには勝てないよ》などと投稿し、大炎上したことも。
「のびのび滑っていた浅田選手の表情を曇らせた外野が許せないと思うファンは多いでしょう。今回ランクインしたのはバンクーバーでしたが、私は2014年のソチ五輪。ショートプログラムではまさかの転倒やミスで出遅れたものの、翌日のフリーでは6種類のジャンプをすべて成功させました。結果は6位でしたが、あのフリーの演技は忘れられません」(フィギュアライター)
全国民が真央ちゃんの金メダルを望んでいた!?
国内開催の五輪で日本チームが躍進
「原田、船木の涙が美しかった」(長野県・61歳)、「“飛ぶな、落ちろー”の叫び声が響いた」(宮城県・59歳)
3位は、1998年長野五輪の男子スキージャンプ団体(岡部孝信、斎藤浩哉、原田雅彦、船木和喜)の金メダル。ジャンプ界のレジェンド・葛西紀明は直前にケガの影響で外れ、新たにメンバー入りした船木が4番手に。葛西は自分が出られない悔しさで、チームメイトに向かい「飛ぶな、落ちろ」と叫んでいた。
日本チームは3回目の原田まで首位でつなぎ、ラストの船木が通常どおり飛べば金メダルが決まるという中継は日本中を大いに沸かせた。
「船木さんが着地に成功してガッツポーズした瞬間、日本中の視聴者が喜んだと思います。原田さんの泣き顔も印象的でした。日本のチーム力が実を結んだと思いましたね」(スポーツ紙記者)
奇跡の大逆転でつかんだ団体金メダルは、今なお語り継がれている。
「ノーマークだった彼女が金メダルを取ってびっくりした」(福島県・42歳)、「まさかのメダルで感動した」(宮崎県・62歳)
2位は女子フィギュアでノーマークだった荒川静香が“イナバウアー”で頂点に立ったトリノ五輪。
アジア選手として初めて、冬季五輪女子フィギュアで金メダルを獲得。5歳のときにスケートに触れ、小学3年生のときには5種類の3回転ジャンプをマスターしていたという。トリノ五輪代表入り当時は、安藤美姫や出場資格のなかった浅田真央が話題となり、荒川に注目している視聴者は少なかったが─。
「安藤さんは当時絶不調で、村主章枝さんに注目が集まりましたが、結果としてノーミスで演技をこなした荒川さんが金メダルに。
浅田さんが出ていたら金メダル確実だったという声もいまだにありますが、荒川さんの冷静さは超人的。プレッシャーの中、本番で完璧な演技を見せるのはなかなかできないことですよ」(前出のフィギュアライター)
日本が世界に誇るプリンス
数々の名場面の中でトップに選ばれたのは、
「日本が世界に誇るプリンス!」(北海道・38歳)、「アジア人男性の美しさを世界に知らしめた」(神奈川県・42歳)
羽生結弦の2連覇が1位に。2014年のソチ五輪で男子フィギュアアジア人初の金メダルを獲得、続く2018年の平昌でも金メダルを獲得した。
姉についていく中でスケートを始めたという羽生は、幼少期は喘息の虚弱体質だったという。努力を重ねてたどり着いた金メダルであることは想像に難くない。
「宮城県出身の羽生さんは2011年の東日本大震災で被災。その経験から演技で被災地を勇気づけたいという強い思いがあったそう。19歳の少年が故郷や国を背負って覚悟を決めて跳んだ姿は多くの国民の心を打ちました。
2014年の中国杯では練習中にライバル選手と激突し、頭部などを負傷するアクシデントがありつつ、ソチ五輪で金メダルを獲得。何かをするたびにドラマが背景に見えてくるのが彼のすごいところだなと思います。2021年の東京五輪の最終聖火ランナーは大坂なおみさんが務めましたが、羽生さんに任せてほしかった、という声が当時は多かったですね」(フィギュアライター)
努力と覚悟が生んだ奇跡の感動は、フィギュアファンだけにとどまらない──。
ミラノ・コルティナ五輪ではどんなドラマが待ち受けているのだろうか。
「感動名場面」として語り継がれる瞬間をリアルタイムで目撃したい!
冬季五輪日本の金メダル史と主な出来事
1972年 札幌(日本)
スキー70メートル級ジャンプの笠谷幸生が、冬季オリンピック史上、日本人初となる金メダルを獲得。銀メダル、銅メダルも日本人が獲得。当時11歳の天皇陛下(写真)もご観戦
1992年 アルベールビル(フランス)
荻原健司などのノルディックスキー複合団体が金メダルを獲得。伊藤みどりもフィギュアスケート女子シングルで銀メダルに輝き、日本の女子フィギュア界のレベルを上げた
1998年 長野(日本)
日本初となる5つの金メダル(スピードスケート男子500メートルの清水宏保、女子モーグルの里谷多英、スキージャンプの船木和喜、スキージャンプ団体、ショートトラックスピードスケートの西谷岳文)を獲得。メダルは逃したがアイドル的なルックスでモーグルの上村愛子が人気者に
2006年 トリノ(イタリア)
荒川静香が女子フィギュアでアジア初の金メダリストに。披露した技の“イナバウアー”は流行語にもノミネートされ、全国各地で後ろに反りながら「イナバウアー」と言う子どもたちが続出した。浅田真央が年齢制限で出場できなかったことも話題に
2010年 バンクーバー(カナダ)
1つも金メダルを獲得できず。金メダル確実と思われていた浅田真央がキム・ヨナに敗れて銀メダルに。スノーボードの國母和宏が服装のことでとがめられ反省なしの謝罪会見を開いた
2014年 ソチ(ロシア)
羽生結弦が男子フィギュアで日本初となる金メダルを獲得。19歳で世界の頂点に
2018年 平昌(韓国)
羽生結弦が2連覇を達成。スピードスケート女子では500メートルの小平奈緒、マススタートとチームパシュートの髙木菜那が個人と団体で金メダル。スノーボードの平野歩夢が銀メダルを獲得し、スター選手に。他にもスキージャンプの高梨沙羅がメイクで激変し話題に。銅メダルに輝いた
2022年 北京(中国)
スノーボードの平野歩夢、スキージャンプの小林陵侑、スピードスケートの髙木美帆が初の金メダル。髙木は前大会の姉に続いての金メダルが話題に
※日本は1956年大会から参加し、第7回大会までメダルなし
