1月9日、天皇、皇后両陛下が年頭に学術研究の第一人者から講義を受ける恒例の「講書始の儀」が皇居・宮殿「松の間」で行われた。
秋篠宮ご夫妻と次女、佳子さまのほか、筑波大学1年生の悠仁さまが今回、初めて出席した。
新年の始めから忙しい日々を過ごす佳子さま
今年は、嵯峨美術大学の佐々木正子名誉教授が「江戸時代の日本絵画」、東京大学の御厨貴名誉教授が「オーラル・ヒストリーとは何か」、国立天文台の家正則名誉教授が「観測天文学最前線と日本の活躍」をそれぞれ進講した。
天皇陛下は手元に置いた資料に時々、目を向けながら講義に何度もうなずいていた。また、ブルーのドレスを着た佳子さまも約1時間、熱心に耳を傾けていた。この儀式は、学問奨励のため、明治時代に始まった「御講釈始」が由来とされ、現在は人文科学、社会科学、自然科学の各分野の研究者が進講者となっている。
佳子さまは、新年の始めから忙しい日々を過ごしている。
元日、皇居・宮殿では天皇陛下が皇后さまとともに皇族方や三権の長らから祝いの言葉を受ける「新年祝賀の儀」が行われた。毎年恒例の国事行為の儀式で、これにも成年皇族の悠仁さまが初めて参列した。
午前11時から皇居・宮殿「松の間」で、衆参両院議長らが参列した儀式が開かれ、両陛下と長女の愛子さま、秋篠宮ご夫妻と佳子さまらが出席した。陛下は、燕尾服に勲章を身につけ、皇后さまや佳子さまたち女性皇族は、ローブデコルテ姿で、頭にはティアラが輝き、新しい年を迎えた華やかな装いだった。
1月2日には、皇居で新年恒例の一般参賀が行われ、天皇、皇后両陛下と愛子さま、上皇ご夫妻や秋篠宮ご夫妻と佳子さまらが宮殿のベランダに立った。悠仁さまが初めて出席し、午前と午後の計5回行われた一般参賀のすべてに臨んだ。悠仁さまは佳子さまの隣に並んで立ち、大勢の参賀者たちからの祝意に、笑顔で手を振って応えていた。
《内親王殿下は、これまでと同様に、誰もが安心して暮らせる社会になることを、誰もがより幅広い選択肢を持てる社会になることを、そしてこれらがあたりまえの社会になることを願っておられ、ご活動の際にも、この思いを胸に取り組まれています。
この1年のご活動や日々の生活を通して、より良い社会のために力を注いでおられる方々に、同じ社会に生きる一人として、心からの敬意と感謝の気持ちを持っていらっしゃると伺っています》
佳子さまの様子
話は少しさかのぼるが、昨年12月29日、佳子さまは31歳の誕生日を迎えた。そして、宮内庁皇嗣職は、前述したような文書と一緒に、昨年、一年間の佳子さまの公的な活動などを1月から順番に紹介したが、一年を通じ、佳子さまの仕事が広い範囲にわたっていることがよく理解できる。
昨年7月、佳子さまは両親、弟とともに都内で開催された「被爆80年企画展 ヒロシマ1945」を見学した。宮内庁は、
《被爆直後から年末までの被害の状況などを伝える写真や映像をご覧になり、原爆により犠牲になられた方々をお悼みになるとともに、原爆による被害の悲惨さや平和を守ることの大切さを改めて胸に刻まれました。写真に写っている方々のお名前と、被爆した前後やその後についてお聞きになり、お一人お一人の苦しみが深く胸に迫ったと伺いました》
と佳子さまの様子を伝えている。
9月、先の大戦の激戦地である沖縄に伝わる琉球舞踊を、佳子さまは家族と鑑賞した。
《舞に込められた祈りをお感じになりながら鑑賞されたと伺いました。「かぎやで風」の演目は、お小さいころにお稽古されたことがある舞であり、前奏が始まった時に振りを思い出され、お帰りになってから踊ってみられたそうです》
このように宮内庁は紹介したが、新年を祝う席などで欠かせない演目『かぎやで風』を、小さいころに熱心に稽古していたことを私は初めて知り、とても勉強になった。
以前、この連載で触れたが10月、佳子さまは母、紀子さまと一緒に香川県を訪れた。高松市の大島にある国立ハンセン病療養所「大島青松園」の納骨堂で白い花束を供え、慰霊碑に深々と拝礼し、二人は入所者と懇談した。
《ご訪問前には、東京都東村山市にある「国立ハンセン病資料館」で展示をご覧になったり、関連する書籍をお読みになったりされ、ハンセン病に関わる歴史や現状を学んでいらっしゃいました》
と宮内庁は、訪問前の佳子さまが熱心に準備をした様子を詳しく説明している。
昨年春、筑波大学に入学し、9月に成年式を無事に終えた悠仁さまを佳子さまはとても可愛がっている。そんな弟思いの佳子さまについて、宮内庁は次のように紹介した。
《内親王殿下は、悠仁親王殿下の成年式に出席されました。内親王殿下は、たいへん熱心に勉学に励まれていた親王殿下を心から応援していらっしゃり、4月に大学に入学され、以前から興味を持ち続けていた分野について学ばれていることを、嬉しく思われていると伺っています。内親王殿下は、親王殿下が幸せに過ごされることを心から願っていらっしゃいます》
誕生日に合わせ、佳子さまの映像なども公表された。昨年12月初め、住まいのある赤坂御用地内を歩かれている様子を撮影したものだという。佳子さまは、茶色のシャツとスカート、白色のセーターを着ていた。
青空が広がり、鳥のさえずりが聞こえる暖かな日だったらしく、きれいに咲いたピンクや白色のサザンカを見たり、インスタントカメラで花を撮影している様子などが紹介されている。31歳を前にした佳子さまの魅力が十分、伝わってくる。
佳子さまは、《誰もが安心して暮らせる社会になることを、誰もがより幅広い選択肢を持てる社会になることを、そしてこれらがあたりまえの社会になることを願って》いる。より良い社会の実現のため、今年もまた佳子さまは、精力的に多様な公的活動に取り組むであろう。私は、期待してやまない。
<文/江森敬治>
