高市早苗首相

 高市内閣が発足して3か月あまり。さまざまな政策が打ち出され、大きな注目を集めるも、そこには賛否の声が─。そんな中、政府は衆議院解散、2月の総選挙を表明。そこで、30代~60代の男女500人に緊急アンケートを実施。高市首相の評価できる政策や言動は?

不安定な世界情勢により支持を得ている?

高市早苗首相 写真/共同通信社

 5位はスパイ防止法の検討。

 アンケートには、「世界的に不安定な情勢になってきているので、スパイの脅威に対する法律が必要だと思う」(北海道・46歳・男性)、「今までが無防備すぎた。早く安心して暮らせる国にしてほしい」(広島県・69歳・女性)、「日本は長年、スパイ天国だと聞いてきたから」(静岡県・44歳・男性)との声が集まり、33票獲得した。

「これが5位に入ったのは意外」と言うのは、ジャーナリストの大谷昭宏さん。

「みなさん実際にスパイ行為を目にして国家の安全が保てないと思っているのか。本当に実態がわかった上で法案に賛成しているのか。外国人が日本にたくさん来るようになり、不安な感覚があって、聞きかじった情報だけで判断されているのでは」

 スパイ防止法は過去にも国家秘密法案として提案されたが、定義が曖昧で言論・報道の自由を脅かすとされ、廃案に追い込まれている。大谷さんが危惧を口にする。

「もし施行されたら、あの人はスパイじゃないかと互いに猜疑心を持つことになるかもしれない。そう考えると、この評価はちょっと残念」

高市早苗首相

 4位は年収の壁178万円への引き上げによる、所得税の減税。

「時間で縛られていたパートが少し楽になる」(東京都・66歳・男性)、「長年崩せなかった年収の壁を打ち破り、パート労働者などが働きやすい環境をつくった」(群馬県・69歳・男性)と、48票。

「国民のみなさんの懐が温まるということで支持された。ただこれはもともと国民民主党の政策で、それを具体化しただけの話。高市政権の評価といえるかどうか」(大谷さん、以下同)

 政府は非課税枠引き上げにより、働き控えの解消と、物価高対策を視野に入れるが、

「積極財政といっても、財源が明らかになっていない。結局また赤字国債に頼るのか、ということになる。単によかったで済む話ではないのでは」

3位は賛否両論となった発言

 3位は「ワークライフバランスという言葉を捨て、働いて働いて働いて働いて働いてまいります」発言。

「国のトップとしての覚悟を感じた」(北海道・54歳・男性)、「政治家は率先して働き、居眠り議員はクビにしてほしい」(奈良県・53歳・女性)、「働きたいのに働けないワークライフバランスに納得できなかったので」(愛知県・69歳・男性)と、49票獲得。

 自民党総裁選で勝利した際に発した高市首相の言葉で、「新語・流行語大賞」を受賞。大谷さんは、

「私は頑張って成果を出すんだ、という決意表明であればいいかもしれないけれど」

 と、これには賛否両論ありそうだと指摘する。

「受け止め方によっては、働き方を強いる、労働者を追いつめている感じがする。そこがちょっと気になるところ」

高市早苗氏

 2位は外国人による土地取得ルールの検討。

「海外に住みながら投資目的での土地取得に疑問を感じる」(神奈川県・48歳・男性)、「中国人の土地買い占めに脅威を覚えていた」(神奈川県・54歳・女性)、「日本人が家を買えなくて困っている」(神奈川県・54歳・女性)との声が集まり、56票獲得。

「投機目的で外国人に土地が買われ、しかもそこに人が住んでいない。マンションのルールも守られない。修繕積立金もまともに払ってもらえない。放置していたら、人気の物件を買い占めて、値上がりを待つようなことにもなりかねない。この政策がある程度評価されるのは当たり前」

 年末に中国資本に買い取られた千葉県銚子市の老舗旅館が音信不通になり、ニュースになった事例は記憶に新しい。現状、外国人の土地購入は原則自由で、今後政府がどう動くのか。

「何かしらルールをつくる必要がある。ただそのルールが外国人排斥につながってはいけない。外国人は日本のルールを守らない、という印象が広まってはいけない。排除的ではない、誰もが納得できるルールをつくり出すべきだと思います」

1位は首相というより、タイミングのおかげ?

 1位はガソリン税の暫定税率の廃止。

「迅速で、値段が下がった感じが実感できた」(三重県・56歳・男性)、「誰もできなかった暫定という名の恒久税にメスを入れることができた」(東京都・60歳・男性)、「国民にとって最も心配な物価高騰と賃金停滞にとりあえず少し明るい材料」(岩手県・69歳・女性)と、113票。

「そもそも暫定税率自体がおかしい。かねての懸案事項を元に戻しただけ。ただ、受益者が多いからトップに選ばれました」

 1974年に臨時措置としてガソリンの暫定税率が設定され、その後延長され続けてきたが、昨年末をもって廃止。ガソリン価格が引き下げに。

「すでに3党合意が出ていたので、高市政権の手柄ではなく、タイミング的な話。政策としては評価できるけど、高市政権の政策として1位となると、少々違う感じがします」

 良きにしろ悪しきにしろ、高市首相の支持率は依然高く、70%超えが続く。

「ただ高く評価されているのは高市さんが本来掲げてきた超保守的なポリシーに沿う政策で、斬新な政策は見えてこない。支持率が高いうちにということで、早期解散の話になった。みなさんが実態に気づいたとき、この政権は長持ちするかどうか……」

 日本初の女性首相は、今後も支持をキープできるのか。

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