初土俵から14場所となった11月の九州場所で内閣総理大臣杯を受ける安青錦/共同通信

 1月25日、東京・両国国技館にて大相撲初場所の千秋楽がおこなわれ、大関の安青錦(21=安治川部屋)が2場所連続優勝を果たした。今場所、新大関として挑んだ安青錦は、日本の相撲に憧れウクライナから角界入りした21歳だ。

 優勝決定戦は、12勝3敗で並び初優勝を狙った西前頭四枚目・熱海富士(23=伊勢ヶ濱部屋)との取り組み。立ち合いから圧力を掛けられ土俵際まで追い込まれた安青錦が逆転の首投げで195キロの巨体の熱海富士を土俵に転がした。

優勝インタビューで観客に感謝

「優勝インタビューの冒頭で館内から割れんばかりの拍手を受けた安青錦は、四方に深々と頭を下げました。その理由について問われると、“お客さんが足を運んで見てくれている。応援してくれているのは皆さんなので、感謝しています”と語りました。

 優勝の感想を聞かれた際には“すごくうれしいです。やっぱり今場所は立場が違ったので、皆さんのおかげで優勝できて良かったです”とほっとした表情を浮かべる場面も。やりたいことについては“早く師匠に報告したいです”と、安治川親方(元関脇・安美錦)への思いもひとしおのようでした」(スポーツ紙記者)

 新大関の優勝は2006年夏場所の元横綱・白鵬以来。さらに新関脇、新大関の2場所連続優勝は大横綱・双葉山の昭和12年春場所以来89年ぶりの快挙でもある。

 表彰式では豪華副賞にも盛り上がったようだ。

 中でも観客を沸かしたのは、宮崎県知事賞として贈呈された高級食材の宮崎牛1頭分と野菜、果実1トン分。他にも米1トン分、ワンカップ大関1年分、コンビーフ1年分など、量の多さに場内は騒然となった。

優勝パレードでは小結・若元春(32=荒汐部屋)が旗手を務めました。昨年の九州場所では、同じ伊勢ケ浜一門の義ノ富士(24=伊勢ヶ濱部屋)が旗手を務めましたが、今回は同じ一門の熱海富士と優勝を争ったこともあり、伊勢ケ浜部屋の力士には頼めなかったようです。

 そこでかねてより安青錦をかわいがっていた若隆景(31=荒汐部屋)への打診を希望。しかし、足の負傷のため若隆景の兄、若元春が選ばれました」(前出・スポーツ紙記者)

安治川親方が明かした安青錦の様子

 優勝決定戦後に取材に応じた師匠の安治川親方は「本人も緊張?当然でしょう。優勝が懸かっていたら。そこから逃げないで、力に変えて相撲を取ってくれた」と喜んだ。

 また、「初日は逃げ出したいと思ったと言っていた。無理して我慢して食べていた。昨日の夜は食べられないと言っていた」と取り組み前の安青錦の様子を語り、「ずっと寝れてなかったみたいだから」とかなりのプレッシャーの中、優勝決定戦に挑んだことを明かしている。それでも「いい勉強になったんじゃないか。来場所が楽しみ」とも語り、すでに今後に目を向けているようだ。

 ネット上でも祝福の声とともに、

《飛ぶ鳥を落とす勢いの新大関でも、想像できないような重圧があるんだな》《次は綱取りだけど気負いしすぎずに、まずはしっかり休んでほしい》といった声のほか、《礼儀正しく素晴らしい大関。来場所も楽しみ》など安青錦の人間性にも反響が集まっている。

 来場所は綱取りに挑むことになる安青錦。取り組みだけでなくその人柄からも目が離せなくなりそうだ。