広島東洋カープ・羽月隆太郎容疑者(公式インスタグラムより)

 2月1日にキャンプインを控えていた、広島東洋カープ・羽月隆太郎選手(25)が医薬品医療機器法違反の疑いで逮捕された。何でも2025年12月に任意同行による尿検査で、指定薬物「エトミデート」の陽性反応が出たとのことだがーー。

 近年、若者層を中心に流通し、乱用が問題視されている“ゾンビたばこ”。「タバコ」といえども過剰摂取による手足のしびれ、幻覚作用、歩くこともままならない状態に陥る、乱用者をまさに「ゾンビ化」させるれっきとした危険ドラッグだ。

 電子タバコで吸引できる手軽さからか、タバコの延長で興味を示す若者も多いというだけに、25歳の羽月容疑者も同様に手を出してしまったのだろうか。容疑に対して「使った覚えはありません」と否認の意を示している。

「何でも昨年末、広島市内での110番通報を受けて、警察が向かった先にいたのが羽月と通報した関係者。その後の尿検査が陽性反応を示したことで、県警は羽月の家宅捜査をして容疑を固めて逮捕に踏み切った。

 “通報者”の素性は明かされませんが、おそらく故意か過失かはさておき、羽月がゾンビたばこを使用したのを知ってやめさせようと通報したのかもしれません」(全国紙・社会部記者)

ソフトバンク・周東とも自主トレ

 2018年にドラフト7位でカープから指名され、高卒(神村学園・鹿児島)で入団した羽月容疑者。プロ7年目を迎えた2025年は、自己最多となる74試合出場で打率.295を記録し、代走の切り札としても17盗塁を決めた。1月には、ソフトバンクホークスと5年20億円の大型契約を結んだ周東佑京選手(29)らと自主トレに励むなど、その俊足を活かしてのレギュラー取りも期待されたが、そんな矢先の逮捕劇だった。

 なぜ、そんな有望選手が違法薬物に手を出してしまったのか。長らくプロ野球の裏側を取材するベテランスポーツライターは「タバコ」の存在を憂う。

広島東洋カープのチームメイトと酒盛りする羽月隆太郎容疑者(公式インスタグラムより)

「羽月が常習的な喫煙者だったかは定かではありませんが、プロ野球界はいまだ他競技と比較しても選手の喫煙率が高い現実がある。昔のような紙巻きタバコをプカプカとする選手は減りましたが、一般と同じく電子タバコ愛用者が代わって増えています。

 ただ球団側も時代の流れに沿って、例えば阪神タイガースは甲子園球場のクラブハウスでも喫煙スペースをなくして全面禁煙としています。他球場でも同様の措置をとる球団が増える一方、不満を訴える選手も多く、結局は移動バス内が煙で充満する事態も招いています」

 喫煙が心肺機能をはじめとするアスリートのパフォーマンスや、怪我の回復力に影響を及ぼすのは周知の事実だ。日本よりも禁煙化が進むメジャーリーグでは、10年以上も前からマイナーリーグを含めた公の場での全面禁煙を徹底。その甲斐あってか、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平投手(31)はもちろん、MLBでプレーするスター選手のほとんどが非喫煙者の現状がある。

大人の喫煙を見てきた選手たち

「1年間で数億円、数十億円もの大金を稼げるMLBです。喫煙によるパフォーマンス低下は、手にできたはずの高額年俸をふいにする可能性もある。助っ人として来日したメジャー選手が、NPBで驚くのが日本人選手の喫煙率の高さ。彼らにしてみれば“タバコをやめればもっと稼げるのに”との思いなのでしょう」(前出・スポーツライター、以下同)

 また喫煙文化を助長しているのはプロだけの問題ではないという。

「例えば学童野球や高校野球では監督やコーチら指導者、そして保護者にも喫煙者が多い印象を受けます。現在は喫煙スペース利用が当たり前ですが、以前は選手の目の前で平然とタバコを吸いながら指導にあたる場面も見受けられました。そんな大人による受動喫煙が当たり前の環境下でプレーしてきた選手にしてみればタバコは身近なもであり、甲子園出場校の球児による喫煙トラブルが絶えないのも致し方ないのかもしれない」

 しかしながら羽月容疑者が吸ったのは、通称こそ「タバコ」だが違法を問われる指定薬物だ。家宅捜査ではゾンビたばことともに吸引具も押収されたともあるだけに「覚えがない」「知らなかった」では済まされないだろう。