ハワイの開放感が生んだ本音か、それともリーダーの資質を問う声か……。BS番組でエースや主軸の不在を敗因に挙げた巨人・阿部慎之助監督の“言い訳”が、ファンの間で「選手への配慮が足りないのではないか」と波紋を広げている。
ハワイで見せた無神経発言
事の発端は、1月25日に放送されたBS日テレの特別番組『日本プロ野球名球会SP inハワイ2026』での一幕だった。番組内の座談会で、元ヤクルト監督の古田敦也氏から昨シーズン優勝した阪神の強さについて水を向けられた阿部監督は、宿敵の戦力層の厚さを「とてもうらやましく思いました」と吐露。
そのうえで、自軍の敗因について「うちがやっぱりエース戸郷(翔征)が菅野(智之)の穴を埋められなかったっていうのが一番ですかね。岡本(和真)も(怪我で)いなくなっちゃいましたし」と、特定の個人名を挙げて不調や離脱を敗戦の直接的な理由に位置づけたのだ。
「阿部監督は“厳しい指導”を監督としてのアイデンティティーにしています。しかし、昨季の開幕前に阿部監督は『菅野の穴は1人で埋められない』と語り、投手陣全体での底上げを強調していた。それがシーズンが終わるや、不調に苦しんだ戸郷1人の責任であるかのように総括したことには首をかしげるファンも少なくありません。
そもそも戸郷は一昨年に180イニングを投げており、蓄積疲労が考慮されるべき中で菅野の勝ち星を埋めてもらおうというのは、現場のマネジメントとしては甘すぎます。個人名を挙げて批判するスタイルも、選手のモチベーション管理という点では不必要な緊張感を生むリスクをはらんでいるようにも思えます」(スポーツ紙記者)
阿部監督が公の場で個人に言及するのは、今回が初めてではない。
過去には、守備や走塁でミスをしたオコエ瑠偉に対し「何年プロ野球をやってるんだ」と厳しい言葉を向け、打撃不振に陥った坂本勇人に対しても「打てない奴はただ外すだけ」と実名を挙げて批判。また、正捕手候補の大城卓三にはリード面をダメ出し、若手の井上温大らにもマウンドでの姿勢を厳しく注文してきた。
こうした“実名での叱咤”は、かつての伝統的な指導法としては一つの形かもしれないが、現代において一般企業であれば“パワハラ”と受け取れかねない言動だ。
「戦力編成の失敗まで個人の調子に集約させている点も、一部のファンの間で議論を呼んでいます。メジャー移籍で菅野が抜けることは事前にわかっていたのに、巨人は抑え投手や捕手の補強を優先し、先発陣のテコ入れが後手に回ってしまった。今季に向けて先発投手を補強していますが、昨季優勝を逃したのは投手陣というよりも打撃陣の責任のほうが重い。岡本がメジャーに移籍しましたが、大きすぎる穴を埋める補強も十分にはできていません」(スポーツ紙デスク)
SNS上でも、今回の発言に対して、「戸郷が可哀想すぎる。1人でどれだけ投げさせてきたと思っているのか」「監督こそ自分の采配を反省すべき、責任転嫁じゃん」「他球団の戦力を“うらやましい”と公言するマインドでは今年も優勝は難しそう」といった厳しい声が多く聞かれる。
過去にも選手への“配慮不足”が指摘されてきた阿部監督。昨年のファン感謝祭で前代未聞のやじが飛んだことが報じられたが、ファンの“支持率”が下がらないか心配だ。
