左から野村克也さん、長嶋茂雄さん、王貞治

 2026年3月に開催予定のWBC。大谷翔平ら出場選手たちに注目が集まっているが、勝利を掴み取るには「名監督」の采配も重要だ。日本球界ではこれまで数多くの監督が様々なチームを牽引してきたが、「名監督」とされるのはどんな人物なのか気になるところ……。そこで全国の25歳以上60歳以下の男女500人を対象に、「プロ野球の『名監督』」についてアンケートを取った。

球界に新風を巻き起こした監督も

 第10位は、2018年から2022年まで千葉ロッテマリーンズの監督を務めた井口資仁だ。

 現役時代にダイエーホークス(現ソフトバンク)の黄金期を支え、MLBではワールドシリーズ優勝を2回経験。自身の経験を伝えることで選手の背中を押すコミュニケーションスキルに定評がある。また、場の空気を締める精悍な顔立ちについての評価も見受けられた。

《会話がうまいから》(茨城県・34歳男性)

《最高な顔つきなのかも知れんと思う》(福岡県・47歳男性)

 第8位は、岡田彰布新庄剛志だ。

 岡田は2023年に阪神タイガースを38年ぶり2度目の日本一に導いた名将。退任後は解説者として活躍しており、そこで飛び出る的確な発言からも優れた指導者であったことが窺える。

 日本ハムファイターズの監督を務める新庄は、12球団のなかで最も注目を集める監督だろう。突飛な言動から度々賛否両論を巻き起こしているが、就任当時に弱小と言われていた日本ハムを2年連続のAクラスにまで導いた手腕は見事の一言だ。

岡田《解説時の的確な発言、監督時も同じで的確な判断で運営していると思う》(兵庫県・57歳男性)

新庄《賛否両論、好みも分かれるが、確実に野球界に新風を巻き起こしていると思う》(北海道・57歳女性)

 第7位は「イチロー」の名付け親である仰木彬さんだ。

 近鉄・オリックスで監督を務めた仰木さんの特徴は、固定概念にとらわれず選手の「個」を尊重する点。そのやり方が野茂英雄やイチローなど数々の選手の才能を開花させ、多数のメジャーリーガーを輩出するに至った。試合ごとにオーダーが違う「猫の目打線」で敵チームを翻弄したことでも知られている。

《野茂さんやイチローさんなど大リーグで活躍した選手など数多くの名選手を育成したから》(埼玉県・53歳男性)

《派手さはないが、イチローに代表されるように、個性をひきだせる人だと思う》(愛知県名・52歳女性)

名選手が名監督に

 第5位は、栗山英樹落合博満

 栗山は、高校時代から渡米を公言していた大谷を説得して日本ハムに入団させ、当時は反対する声も多かった“二刀流”を支持。大谷が世界一の野球選手になる土台を作った。2023年には、大谷を筆頭とするスター選手を率いてWBC制覇を成し遂げている。

「名選手、名監督にあらず」という格言があるが、その真逆の例で知られるのが落合だ。戦後最年少の三冠王に輝いた落合は、2004年から中日の監督に就任するとすぐにリーグ優勝を果たし、任期8年間全ての年でAクラス入り。中日を「常勝チーム」にした。

栗山《大谷翔平さんを二刀流で育てたり、WBC優勝などの活躍》(三重県・55歳女性)

落合《守りの野球をしてドラゴンズを常勝球団にしたので》(大阪府・56歳男性)

 第4位はダイエー・ソフトバンクで監督を務めた王貞治

 王が監督に就任した当時のダイエーは、弱小チームの代名詞のような存在。あまりに弱すぎて、王はファンから生卵を投げつけられたことも。それでも辛抱強くチームを育て続けた王は、1999年にダイエーを初のリーグ優勝と日本一に導き、「常勝軍団」ソフトバンクホークスの礎を築いた。2006年の第1回WBCでは、優れた統率力と慕われる人柄でイチローたち選手をまとめ上げ、初代チャンピオンに輝いている。

《弱小軍団だったダイエーホークス(現ソフトバンク)を常勝軍団に転換した功績は甚大》(福岡県・59歳女性)

《本人の技術力も優れていて、統率力があり、人柄も素晴らしい》(千葉県・48歳女性)

2023年3月の『WBC』で解説を務めた王貞治氏

 続く第3位は、「闘将」星野仙一

 1988年と1999年に、中日の監督として2回のリーグ優勝を果たし、2003年には阪神の監督として18年ぶりのリーグ優勝に貢献。2011年からは楽天の監督を務め、2013年に球団創設9年目のチームを初の日本一へと導いた。

 厳しい熱血指導で知られており、その熱さが選手の心に火を点けていたと考える人は多い。ただ厳しいだけでは選手もついていかず、各球団で優勝という最高の結果を残すことは不可能だろう。そのため、星野の「情」のこもった指導・采配を高く評価する声が寄せられた。

《各球団で優勝に導いたから》(神奈川県・44歳女性)

《紳士的だが闘志を注入できる》(東京都・42歳男性)

《選手をやる気にさせるのがうまい》(千葉県・58歳男性)

1位は「再生工場」の名将

 第2位は、「ミスター・プロ野球」長嶋茂雄さん。

 1974年に現役を引退したあと、1975年から2期にわたって巨人の監督を務めた。監督としての成績は、リーグ優勝5回、日本一2回。2001年に勇退して巨人の終身名誉監督になった、巨人の象徴たる人物だ。

 監督としての長嶋の特徴といえば、「カンピューター」といわれた直感的な采配。それは外れることもあったが、観客や周囲を驚かせるエンタメ性があった。明るい人柄とユニークな立ち居振る舞いで、野球ファンのみならず多くの人を虜にした長嶋。その功績は計り知れない。

《温かさと親しみ、技術、愛情のある厳しさを兼ね備えていたから》(東京都・48歳女性)

《自分だけでなく、球界全体を常に意識していたから》(神奈川県・60歳男性)

《ミスタープロ野球だから。この人しかいない》(埼玉県・47歳女性)

 そして映えある第1位に輝いたのは、「ノムさん」の愛称で親しまれた野村克也さんだ。

 1970年に南海の選手兼任監督に就任して以降、数々の球団で指揮を執ってきた野村さん。他球団の戦力外・トレード要員となった選手を再活躍させる育成手腕は「野村再生工場」と呼ばれ、高く評価された。

 また捕手として長年活躍した野村は、経験や勘ではなく科学的にチーム作りやプレイをおこなう「ID野球」を提唱。令和でも通用する先進的な野球理論で、万年Bクラスだったヤクルトに黄金時代をもたらした。現在も数多くの教え子たちが、それぞれの形で球界を支えている。

《選手の特性を見抜き育てるところがすごかった。理論の人》(大阪府・37歳女性)

《データ野球を取り入れた先駆者であり、成績の上がらない選手を適材適所に配置し再生していた。その後も指導者になった教え子を多数輩出している》(千葉県・56歳女性)

《成績だけでなく人も育てたし、今のプロ野球に大きな影響を与えた人だと思う》(千葉県・56歳男性)

 選手のポテンシャルを最大限に引き出し、チームを勝利に導く「名監督」。これからの日本球界には、どんな「名監督」が現れるのだろうか。グラウンドでプレイする選手たちだけでなく、チームを動かす監督の言動・采配にも注目してほしい。

「プロ野球『名監督』」ランキング

1位:野村克也 130票
2位:長嶋茂雄 65票
3位:星野仙一 51票
4位:王貞治 45票
5位:栗山英樹 30票
5位:落合博満 30票
7位:仰木彬 18票
8位:岡田彰布 16票
8位:新庄剛志 16票
10位:井口資仁 13票

プロ野球「名監督」ランキング ※インターネットアンケートサイト「Freeasy」にて1月下旬、全国の25歳以上60歳以下の男女500人を対象に実施

※インターネットアンケートサイト「Freeasy」にて1月下旬、全国の25歳以上60歳以下の男女500人を対象に実施