鈴木亮平

 第1話のTVerでの再生数が500万回を突破するなど、話題を集める鈴木亮平主演の日曜劇場『リブート』(TBS系)。

 松山ケンイチ演じるパティシエが、行方不明となっていた会計コンサルタントの妻殺害の濡れ衣を着せられそうになり逃亡。命を落とした刑事(鈴木亮平)に“リブート”し、真犯人を追うーーというストーリーだ。

ロケで使用された洋菓子店は「猫の手も借りたい」繁盛ぶり

 ドラマの人気とともに、松山演じる主人公が営む『ハヤセ洋菓子店』のロケ地となった洋菓子店にも注目が集まっている。

 ロケ地に使用されたのは、東京・武蔵村山市にある老舗店『シャトー洋菓子店』。武蔵村山観光まちづくり協会の公式TikTokが同店を紹介したところ、フォロワー1325人(1月30日段階)ながら、28万回を超える再生回数を記録した。

 武蔵村山といえば都内で唯一、鉄道が走っていない市として知られる。全国区の有名な観光スポットもないことで、都内在住者でも足を運んだことがないという人も少なくないだろ。しかしコロナ禍以降は、“ロケの街”として存在感を強めている。

 そこでロケーションサービスも行う武蔵村山観光まちづくり協会や店の従業員に、ドラマ『リブート』の反響などを聞いた。

(『リブート』ロケ地動画は)過去いちばんの再生数を記録しました。最近はTikTokをやっている観光協会も増えてきましたが、協会も昨年の4月にはじめたばかりです。どのような動画がバズるかわかりませんが、何気ない動画でも可能性があり面白いですね」(武蔵村山観光まちづくり協会担当者)

 ロケ地となったシャトー洋菓子店は、初回放送の翌日から反響が大きかったという。店の従業員は、

もともとお店を知ってくださった方は、うちのケーキを事前に購入して食べながらドラマを視聴したと言ってくださった方もいて嬉しかったですね。週末にはわざわざ遠方から足を運んでくれる新規の方も。うちは家族経営なので、時間帯によっては猫の手も借りたいぐらい忙しくなりました(笑)。ドラマの影響力の大きさを実感しています

 と、喜びを語る。また数軒先にはコンビニのシーンでお馴染みの『Fマート いしはら』も。ロケーションサービスに力を入れたコロナ禍以降、多くのドラマやミュージックビデオ(以下、MV)で使用されている。

ここの(村山すずらん通り)商店街周辺はシャトーさんをはじめ、レトロな雰囲気が漂うお店が並んでいてとても味があり、今となっては稀有な商店街だと思います。いしはらさんでは毎月のように何かしらロケが行われているほか、最近はドラマや映画、CMなどのロケがこの辺りでよく行われています」(武蔵村山観光まちづくり協会担当者)

 商店街の路地に入ったところには、昭和の雰囲気が漂うスナックや銭湯も。

この商店街の雰囲気が制作スタッフのみなさんの印象に残っていて、レトロな雰囲気を探しているときに候補にあがるのかなと思います。商店街の中にはシャトーさんやいしはらさん以外も雰囲気のあるお店や通りがあるので、どこで撮影しても味のある場面が撮れそうです」(同・担当者)

聖地巡礼で全国からファンが訪問

 記者が取材で訪れた日も『Fマート いしはら』では、撮影スタッフがロケハンを行っていた。

多くのドラマやMVのコンビニのロケ地で使用されている「Fマートいしはら」 撮影/編集部

某人気アーティストのMVで使っていただいたことで、北海道から九州まで全国からファンの方が足を運んでくれるようになりました。特に珍しいものを売っている訳ではないので売り上げにはあまり影響はないですが(笑)、ロケ地として使ってもらうことで商店街が盛り上がってくれたらいいですね」(同店の従業員)

  ドラマ『リブート』の放送が始まったこともあり、商店街では街並みを撮影したり、観光で訪れたらしき人を見かけるようになったという。

 一般社団法人武蔵村山観光まちづくり協会は、2020年に設立。ロケーションサービスを始めてまだ5〜6年ほどだが、2021年7月期に放送されたドラマ『ハコヅメ』(日本テレビ系)のロケ地に使用されたこともあり、ロケの街として注目を集めるように。

『ハコヅメ』の警察署の外観が武蔵村山市役所だったので、気づいた方も多かったと思います。あと市内には、かつて貯水池の建設資材を運んでいた軽便鉄道が走っていたので、その名残である横田トンネル群があります。ここはよくMVなどの撮影に使われるので聖地巡礼で訪れる方もいらっしゃいます」(同・担当者)

 “都内唯一の鉄道が走っていない市”から、ロケ地の街として変貌を遂げている武蔵村山市の魅力を、武蔵村山観光まちづくり協会担当者はこう語る。

生活するのにはとてもちょうど良い場所

TikTokのプロフィール欄にも書いていますが“東京にありながら東京っぽくない?”のが魅力のひとつかなと思います。自然も多く残されていて、だからといってそんなに不便な場所でもない。大型ショッピングモールもあればレトロな人情商店街もある。生活するのにはとてもちょうど良い場所だと思います。

 ロケもいわゆる“ザ・観光地”ばかりで行われているわけではないので、武蔵村山は穏やかでやりやすい場所だと思います。何はともあれドラマや映画をきっかけに興味を持って武蔵村山に立ち寄ってもらえたらうれしいですね」

写真左上から時計回りにみかん狩り、村山かてうどん、野山北公園自転車道の桜、歌舞伎揚げでおなじみの「天乃屋」の直売店 写真提供/武蔵村山観光まちづくり協会

 こんな観光名所や名産も。

特産品としては村山大島紬の産地であったり、村山かてうどんの名店がいくつもあったり、狭山茶、みかんなどの栽培も盛んです。東京ではめずらしく秋にはみかん狩りもできます。多摩都市モノレールの延伸も正式に決まり、閉館中だった村山温泉かたくりの湯もまもなくリブート…いやリニューアルオープンする予定です! 観光面では追い風の中、ロケのまちとしても浸透してきて武蔵村山はいま注目のエリアではないでしょうか

 東京ながらレトロな雰囲気や自然が残る武蔵村山の街並みを、ドラマや映画で見る機会が増えそうだ。