松嶋菜々子

 松嶋菜々子10年ぶりの主演ドラマ『おコメの女-国税局資料調査課・雑国室-』(テレビ朝日系)が、好調な滑り出しを見せた。1月8日の初回放送では、世帯平均視聴率10・0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という数字を記録。22日放送の第3話でも、9・7%と高い視聴率を保っている。

 '96年にNHK朝ドラ『ひまわり』のヒロインに抜擢され、“視聴率女王”と呼ばれるまでになった松嶋。そのキャリアでは、さまざまな役をこなしてきている。そこで今回、彼女が演じてきた役で、いちばん好きなキャラクターをアンケート調査。全国の30代~60代の男女、300人が選んだ作品と役は─。

大河、医療ドラマがランクイン

 17票を獲得して5位にランキングされたのは、NHKの大河ドラマ『利家とまつ~加賀百万石物語~』で演じたまつ

放送当時、唐沢寿明と松嶋菜々子という人気俳優のダブル主演でも話題になった『利家とまつ~加賀百万石物語~』

「利発で美しく、理想の女性を演じている松嶋さんが一番」(北海道・男性・69歳)

「キリリとしていて、その反面優しく思いやりのある役柄。凛々しい彼女にピッタリでした」(千葉県・男性・68歳)

 松嶋のほかにも、唐沢寿明や伊藤英明、竹野内豊など当時のトレンディードラマで主役を張るような若手俳優が起用され、最高視聴率21・2%を記録した。スポーツ紙の芸能担当記者は、当時をこう振り返る。

“戦国最強のホームドラマ”というテーマで、利家とまつ、秀吉と寧々、佐々成政とはるの3組の夫婦を軸に物語が作られました。制作統括を大河ドラマ初の女性が務めたことも話題に。松嶋さんはこの作品が大河初出演で、しかも主演というプレッシャーをはねのけての快演でした。

 作中で彼女の決めゼリフ“わたくしにお任せくださいませ”も流行りましたね。あと、結婚直後の夫・反町隆史さんが織田信長を演じ、2人の共演にも注目が集まりました」

 そして4位は、19票を集めた『救命病棟24時』シリーズの小島楓役。

「使命感のある救急医の姿を、凛々しく演じていた」(三重県・男性・68歳)

「研修医から一人前の医師になるまでの成長を、うまく演じていた」(秋田県・男性・67歳)

昨年には新シリーズの放送もあるかも、と話題になった『救命病棟24時』シリーズ(FODのHPより)

 救命救急センターや災害医療など、シリーズによって物語の舞台になる医療現場が変わり、現時点で最新作は'13年に放送された第5シリーズになっている。

「シリーズによって出演者も変わり、松嶋さん演じる小島楓は第1シリーズで研修医、第3シリーズで一流の救命医、そして第5シリーズでは国立大学病院の医局長として成長していく姿を見せています。

 ドラマ自体が、突出したテクニックを持つスーパードクターの活躍を描くのではなく、救命医の日常に向き合った作品として人気がありました」(同・記者)

実力派俳優が集まった最新作『おコメの女』

 トップ3に目を向ける前に、最新作の『おコメの女』の順位を見てみると……、7票で11位にランキング。

「曲がったことが大嫌いで、ユーモアを交えながら正義の女を演じているところに惹かれます」(大阪府・女性・50歳)

『おコメの女』で演じる米田正子は、松嶋菜々子の“新境地”となるのか?(公式HPより)

 今年、本格デビュー30周年という節目の松嶋。『おコメの女』について《(放送の)人気枠でプレッシャーを感じます》と、インタビューで答え、30周年でも《まだまだ序の口》としながら《これからも自分の想像できないような役にチャレンジしたい》と、語っている。

「『おコメの女』は脇を大地真央さんや高橋克実さん、寺尾聰さんといった実力派俳優が固めています。このメンバーで松嶋さんの、どんな演技が引き出されるのかが楽しみですね」(同・記者)

 ランキングに戻って、3位には28票を集めた『GTO』。この作品で松嶋が演じたのは、反町隆史が演じる主人公・鬼塚英吉の相手役でヒロイン、冬月あずさ役。

『GTO』では反町隆史と惹かれ合う役を演じたが、それが実生活で現実になるとは……

「英吉とあずさのかけ合いと恋模様が面白く、この共演で2人が結婚したのも興味深い」(三重県・女性・48歳)

「教師役がとても似合っていて、こんな先生がいたら毎日学校に行くのが楽しみだっただろうなと思った」(熊本県・男性・61歳)

 元暴走族のリーダーが高校の教師として、さまざまな問題を抱える学校で活躍する漫画が原作のドラマ。放送当時、社会現象を巻き起こし、最高視聴率35・7%を記録した作品。

「反町さんが歌ったドラマの主題歌『POISON~言いたい事も言えないこんな世の中は~』も大ヒット。アンケートの声にもあるように、松嶋さんと反町さんはこの共演がきっかけで交際を始め、'01年に結婚しました。

 また、'24年に放送された『GTOリバイバル』では、客室乗務員に転職し鬼塚と夫婦になったあずさを演じ、実生活とダブらせるような演出も。松嶋さんの客室乗務員姿を見て『やまとなでしこ』の松嶋さんと重ねた人も多いのでは?」(同・記者)

最終回で視聴率40%を記録

 2位には49票と、『GTO』に20票以上の差をつけて『家政婦のミタ』の三田灯役がランクイン。

「感情がない感じの演技から、人間らしい部分を時折出してくる演技力が素晴らしかった」(長崎県・女性・48歳)

「機械のように働くだけと思われていた家政婦が、派遣先の家族に対して心情を吐露するシーンが圧巻だった」(千葉県・女性・56歳)

「地味でクールな印象の役は、この作品の前にあまり見たことがないと思うのですが、きれいなだけの役以外にも、こんなにハマるんだと思った作品です」(東京都・女性・56歳)

松嶋菜々子がそれまで演じたことのない、無表情でロボットのような三田灯役を演じた『家政婦のミタ』(公式HPより)

 最終回で視聴率40%を記録。21世紀で放送された日本のドラマで、初の40%超えになったドラマ。ロケ地に使われた千葉市動物公園の入園者数も増加するなど、“聖地巡礼”でも話題になった。

主人公・三田灯の“承知しました”“それは業務命令でしょうか?”“それはあなたが決めることです”などの決めゼリフが流行りました。どんな指示も完璧にこなすけれど、感情を出すことなく、“笑え”という指示には家政婦を辞めると宣言するなど、それまでの松嶋さんが演じた役とはまったく違うキャラクターでした。そんなギャップも視聴者にウケた部分なのでしょう」(同・記者)

 そして、ダントツの74票で1位に輝いたのは神野桜子役を演じた『やまとなでしこ』

韓国でリメイクドラマになるほど人気があった『やまとなでしこ』。脚本家の中園ミホの代表作でもある(DVD-BOX)

「お金か愛かを選ぶ姿がとても良かった。部分部分で描かれる、コミカルな演技も素敵」(千葉県・女性・56歳)

「貧乏ゆえに金持ちに憧れ、高飛車で見ていてイラッとした部分もあったけど、人情味のあるところをうまく演じていた」(京都府・女性・47歳)

「彼女の美しさがあったからこそ、このドラマの魅力がさらに上がったのだと思います」(東京都・女性・56歳)

 放送当時、月9枠で3年ぶりになる視聴率30%超えの34・2%を記録。'00年以降のフジテレビの恋愛ドラマで歴代1位の世帯視聴率を記録した大ヒットドラマ。

「『GTO』や『救命病棟24時』で人気を加速させた松嶋さんを“視聴率女王”へと押し上げた出世作。この作品で女優としての立ち位置を確立したといえます。お金が一番という桜子の言動や行動に同意しながらも、“やっぱり最後は愛”といった結末に、同世代の女性がハマっていました」(同・記者)

 デビューしてから結婚、出産、子育てを経験してきた松嶋。その過程で《子育てがあったからこそ、改めてこの仕事を好きだと気づけた》と語っている。この先、どんな新たな松嶋菜々子を見せてくれるのか、楽しみだ。

全国の30代~60代男女300人にアンケート「松嶋菜々子が演じた役でいちばん好きなキャラクター」ランキング

取材・文/蒔田 稔