10月20日、上皇后さまのお誕生日のあいさつに向かわれる愛子さま

 昨年10月、自民党の高市早苗氏が初の女性総理に就任。その約4か月後、衆議院の解散が発表され、2月8日には衆院選の投開票が行われる。

世論調査では女性・女系天皇が多くの支持を得ている

各政党が掲げる政策の中で“皇室典範の改正”も注目を集めています。皇位は男系男子のみが継承するとされていましたが、皇族の人数減少も鑑み、男系女子である女性天皇、そして女系天皇の容認の是非も問われているのです」(皇室担当記者)

 国民の間でも皇室制度について意識が変化している。宮内庁OBで皇室解説者の山下晋司さんはこう分析する。

世論調査では女性・女系天皇が多くの支持を得ているのに対し、国会では容認の声は少ないのが現状です。国民の代表である国会が民意と乖離している状況は問題であり、国民感情の受け皿が必要です。今回、結党した中道改革連合が女性・女系天皇を容認すると明確に公約に掲げていれば、支持する人は相当数いたでしょう」

 読売新聞が昨年10月に行った調査では、女性天皇への賛成は69%、女系天皇への賛成は64%といずれも高水準。今回の衆院選を受け、本誌は各政党に皇位継承について緊急アンケートを実施した。

与党である自民党と日本維新の会は男系男子の継承を重視しており、女系には非常に慎重な態度を示しています。立憲民主党と公明党が結党した中道改革連合は、皇位継承問題について、今回の選挙の争点としない姿勢を明らかにしました。現在、女系天皇を容認しているのは日本共産党と社会民主党のみです」(前出・皇室担当記者)

 与党や参政党が男系男子の皇位継承を支持する根拠として、連綿と続く歴史がある。しかし、山下さんは“社会”という観点の欠如を指摘する。

男系維持派の人は、天皇は男系で続いてきた事実を主張しますが、それは側室制度や身分社会が前提です。それらがなくなった社会なら、皇室の制度も変えるのは当然です

 一方で、多くの政党が“女性皇族が婚姻後に身分を保持すること”には前向きだ。しかし、山下さんはより踏み込んだ議論が必要だと主張する。

女性皇族が結婚後も皇籍にとどまる場合、配偶者や子は皇族にしないという案があります。これは家族内で戸籍が異なるという歪な形です。女系を認めないための案ですが、皇室制度の根本である皇位継承権の議論を避けていては女性宮家など派生する事案は解決しません。皇室の存続のために、まずは女性・女系天皇を容認すべきだと考えます

 今回の選挙で、国民と国会の“温度差”を埋めることはできるのだろうか。

山下晋司 皇室解説者。23年間の宮内庁勤務の後、出版社役員を経て独立。書籍やテレビ番組の監修、執筆、講演などを行っている