2026年2月2日午後1時、東京都が運営する公式アプリ『東京アプリ』を通じた1万1000円相当のポイント付与がついに始まった。「東京アプリ生活応援事業」と名付けられたこの施策は、物価高騰に苦しむ都民の生活を支援するとともに、行政のデジタル化推進を目的としたもので、総額450億円もの予算が投入される大規模事業だ─。
対象となるのは、マイナンバーカードで本人確認を完了した15歳以上の都民全員だ。東京アプリをダウンロードし、デジタル庁が提供する「デジタル認証アプリ」と連携させた上で、マイナンバーカードによる本人確認を行うことで、申込み後数日から1週間程度で「東京ポイント」が付与される仕組みとなっている。付与されたポイントは、au PAY残高、dポイント、楽天ペイ、Vポイント、メルカリポイントなどに交換でき、1ポイント1円として日常の買い物に利用できる。
『東京アプリ』11000円のポイント付与
開始当日の午後1時、テレビ朝日の報道によると東京アプリにアクセスすると画面には「現在アクセスが集中しており、次の画面に進むことができません」というメッセージが表示された。ポイント付与開始から申込み完了までに約30分を要したケースもあったという。
東京都デジタル企画調整課の大石直行課長は、開始前から「アクセス集中は予想されると思っています」とコメントしていた。実際、都が公開した「混雑カレンダー」によれば、開始から2週間程度は深夜帯を除いてほぼ「大変混雑」が予想されており、2月中旬までは申請のタイミングに注意が必要な状況が続く見込みである。実施期間は2027年4月1日までと十分な余裕があるため、都は「焦らず、混雑を避けて申請を」と呼びかけている。
開始に伴ってSNSでは「これめっちゃ画期的だよなぁ。国がやればいいのに」「いいなぁ東京羨ましいなぁ」といった声の一方で、SNS上では懐疑的な声も少なくない。「焦らず申請とあるが…それだけ生活に困っている人がいるということ」「完了したのか?ちゃんと出来たんか?イマイチ不明なアプリでした」「なんだか踊らされてるような気もするけど」といった疑念を抱く人も多いようだ。
東京アプリの課題
「最大1万1000円相当という、自治体のポイント施策としては異例の規模です。単なる物価高対策としてだけでなく、東京都が進める行政のDXの基盤づくりという側面もあるでしょう。東京アプリは将来的に住民票の取得や各種申請、災害情報の確認など行政サービスを一元化する構想を持っています。
ただし、スマホやマイナンバーカードを持たない層、あるいはデジタル機器の操作に不慣れな方が置き去りにされるリスクは否定できません。物価高で最も苦しんでいるのはその層であることも多く、全都民への支援という観点からは課題が残ります」(全国紙社会部記者)
産経新聞傘下のメディア『emogram』が実施した感情分析調査でも、都民の意見は「肯定的」と「懐疑的・批判的」に二分されている結果が示された(emogram、2025年11月19日)。
「たかが1万、されど1万。都ファ・自公、そして小池都知事、こういうところが侮れない」という評価がある一方で、「最も重要なのは持続可能な『賃上げ』です」「都は周辺県民から金吸い取りまくり、金余って仕方ないんだな」といった批判的意見も寄せられており、一時的な「ばらまき」よりも根本的な経済対策を求める声は根強い。
なお、14歳以下の子どもは今回のポイント付与の対象外となっているが、対象外の子どもにも東京都は子育て世帯を支援するため、同額を支給する方針を発表している。
物価高対策として、そして行政DXの推進策として始まった「東京アプリ生活応援事業」。都民に1万1000円相当の恩恵をもたらす一方で、デジタル格差や政策の本質的な効果については議論が続きそうだ─。
