2025年8月31日、DeNAベイスターズでの初勝利を飾った藤浪晋太郎(共同通信社)

 プロ野球の春季キャンプが一斉スタートした2月1日、横浜DeNAベイスターズの沖縄・宜野湾キャンプに参加した藤浪晋太郎投手(31)がブルペン入り。昨シーズンは途中入団だったため、国内では4年ぶりのキャンプを迎えた。

 初日から捕手を座らせて79球、早くも最速150キロをマークするなど、オフの自主トレ成果が伺えた藤浪。どうやらコンディションだけでなく、“メンタル”面も整えてきたようでーー。

 とあるYouTube動画が野球ファンをざわつかせている。1月22日に更新された、元阪神タイガース・北條史也選手(31、現・三菱重工West)の『JOH×ジョウチャンネル』で投稿された動画だ。この日の番組ゲストとして、北条とトークを繰り広げたのが元チームメイトの藤浪だった。

 2012年ドラフトで阪神からそれぞれ1位、2位で指名された藤浪と北条。甲子園でもしのぎを削ったライバルで、また高卒新人の同級生ともあって入団後も行動をともにすることが多かった親友同士。そんな北条が聞き手だけに、口も緩みがちだった藤浪。

 そしてトークテーマが「不調に陥った要因」に移ると、ルーキーイヤーから3年連続で二桁勝利を挙げたにも関わらず、以降は制球難に陥って調子を崩した要因ともされる「4年目」シーズンに話は及んだ。

お前は野球を舐めてるからだ

「チーム内、チーム外からどえらい言われようだったんで。“お前は野球を舐めてるからだ”みたいな感じバーっと色々言われて」

 当時22歳だった藤浪は大成するため、“外野”の言葉を真に受けとめてフォーム矯正に乗り出すも、「あれ?俺、どうやって投げてたっけ?」と次第に自身のフォームを見失ってしまうことに。

 もちろん「よかれ」と思ってのアドバイスだったことは藤浪自身も理解している。しかし、身長197cmで長い手足を駆使して投げる藤浪に対して、その感覚がわからない指導者のアドバイスが適切であるはずもなく、より制球を乱してしまったようだ。

高校時代からしのぎを削ってきた大谷翔平と藤浪晋太郎。10年ぶりの顔合わせではメジャー“先輩”の大谷が活躍法を伝授!? 写真/共同通信社

 一部では「メンタルの弱さ」を指摘するプロ野球OBや解説者も見受けられたが、

“メンタル”って言えば、それっぽく聞こえるんで、知識の浅い評論家の方たちはとりあえず“メンタルって言っとこう”と。藤浪のフォームの具体的にどう悪いとか、リズムが合ってないとかを言い切れんから、“メンタル”って藤浪に言っときゃいいやろ、みたいな」

 穏やかな口調ながらも目は笑っていない藤浪。しまいには「昔のオールドスタイルな解説者の方々」と言い放つと、北条も苦笑いするしかなかった。

 そんな“恨み節”は、野球ファンの間でもいまだに物議を醸す「161球」についても述べられる。2016年7月8日の広島東洋カープ戦で、初回に制球を乱すなどして序盤で5失点を喫するも、交代が告げられることなく8回まで続投。8失点で負け投手になったことよりも、藤浪が投じた球数「161球」が問題視された。

最後までこの試合責任持って投げろ

 近代野球において通常では考えられない起用法がは、不甲斐ない投球を見せた“懲罰”として見做され、当時、監督として指揮をとっていた金本知憲氏(57)も試合後にはこれを認めていた。その金本本人から直接言われたわけではないが、

「金本さんが“プチン”となって、“お前、最後までこの試合責任持って投げろ”みたいな」

 投手として打席を迎えても、また100球を超えても降板が許されなかったことで、その“空気”を察したという藤浪。金本氏からは「良くしてもらった」との、複雑な表情を浮かべる北条から「心境はどうやった?」と聞かれると、

「そんならもう200球でも300球でも投げたるわ、と思ってた。ぶっちゃけると。でも、その代わり小雨が降ってる中で、仮にも当時ローテーションを投げてたピッチャーに、“あれ、これ怪我していいと思ってんの?”っていう風には思ってた」

'99年から護摩行に通い、精神を鍛え上げた金本智憲

 これに「金本さんは愛がある感じやから」と北条がフォローを入れるも、

「受け取る方には、到底そうとは思えない。もう見せもんやん、晒しもんやん。愛情だとは思えへん。翌日とか言われたけど、コーチから“金本さんの愛だから”と、言うけど、俺は到底そうは思えんなっていう。

 怪我して、あの試合で肘飛んで肩飛んで、俺、一生投げられなくなったらもうどうしてたんやろうとも思うし。(金本を)恨んでいるわけじゃないですよ。心境としては“何くそ”って感じでしたね、投げたるわって」

胸のつかえがとれた思い

 引退した選手ならまだしも現役選手が、当時の監督に物申すのは極めて異例と言える。連続試合フルイニング出場の世界記録を持つ、“鉄人”とも称された金本氏だが、その指導スタイルは当時も今も、藤浪には理解できないようだ。

 公開された動画のコメント欄では様々な声が上がっている。

《古い解説者達や金本に対してここまではっきり言える現役選手は唯一無二だろうな めちゃくちゃ勇気あると思う》
《阪神ファンですが、藤浪君ご本人から161球の背景を聞けて胸のつかえがとれた思い》
《Bクラス確定でシーズン最後の登板で140球くらい投げるならわかるけど、なんともない時に監督の私情で160球越えははっきり言ってゴミだよな》
《ハッキリ言うのも良いけど結果出し続けてたらかっこいいけどなぁ》
《藤浪が活躍しない理由が分かった動画。基本他責だし、言い訳ばかりだし、今の若手の方が藤浪の言うオールドスタイルやな》