巨人・阿部慎之助監督

 巨人・阿部慎之助監督がYouTube番組で早くも「開幕スタメン」を明かし、球界に波紋が広がっている。主砲・岡本和真のメジャー移籍を受け、新4番に据えたのはソフトバンクから移籍のリチャード。若返りを加速させる大胆な布陣にファンの反応は――。

阿部監督が示した“開き直り”とは

 プロ野球の春季キャンプを目前に控えた1月31日、巨人の阿部慎之助監督が日本テレビ公式YouTubeチャンネルの企画「月刊巨人軍監督日記」に出演し、解説者の高橋由伸氏を前に1月時点での「開幕オーダー構想」を公表した。

 正月早々に岡本が4年総額94億円という破格の条件でブルージェイズへ入団することが決定し、打線の解体と再構築を余儀なくされた巨人。阿部監督が提示した布陣は、これまでの伝統や実績を度外視した、まさに「聖域なき若返り」を象徴するものだった。

 1番に日本ハムからの移籍組である松本剛を据え、2番には門脇誠か新戦力の浦田俊輔、3番に新助っ人のキャベッジを配置。そして最大の衝撃は、岡本の抜けた穴である「4番」に、ソフトバンクから昨シーズン途中に加入したリチャードを指名したことである。

 さらに5番には中山礼都かダルベック、6番に泉口友汰か小浜祐斗の併記、捕手には甲斐拓也、岸田行倫、山瀬慎之助の3名を争わせ、8番にはドラフト1位ルーキーの石塚裕惺を抜擢。そこには坂本勇人、丸佳浩、大城卓三といった長年の主力の名は一切なかった。

「阿部監督が今回発表したオーダーは、まさに“聖域なき若返り”を世間に宣言した形と言えます。特に4番にリチャードを置いた意図について、『細かいことができないので、4番で好きに打てと言った方が伸びる』と、一種の開き直りとも取れる期待を寄せていました。岡本という絶対的な軸を失った今、我慢と辛抱で新時代の主軸を育てようという覚悟が滲み出ています。

 一方で、守備の要である遊撃や三塁に石塚や門脇、泉口といった若い世代を並べ、ベテラン勢をスタメンから外したことについては、『よければスタメンで使いたくなっちゃう』と言いつつも、重視しているようには感じませんでした。ドラスティックな“血の入れ替え”が、今の巨人には必要だと判断したのでしょう」(スポーツ紙記者、以下同)

キャンプでの競争を煽る刺激策

 この“1月限定の理想案”に対し、ネット上では賛否の声が続出。

「4番リチャード、ハマったら夢がある!」「石塚という名前があっただけで満足です」と若手の台頭を待ち望む声が上がる一方で、「坂本、丸、大城が入ってこないのは予想できたけど、実際に入ってないのを見ると悲しくなる」「実績組を完全に外すのは理解不能」「リチャードが7番か8番ぐらいで好きに打てる打線になると強そうなんだけどなあ」「去年も一昨年も当初の構想からズレたし、これ通りにはならんでしょ」といったコメントが飛び交っている。

観客に手を振る坂本勇人(読売巨人軍 日本シリーズ優勝パレード2012年)

このオーダーは現状の戦力を真っさらにして、キャンプでの競争を煽るための刺激策でしょう。阿部監督は楽天から獲得した則本昂大については『経験豊富な実績ある投手。43歳までやってほしい』と高く評価していますが、野手陣に関してはあえて『実績』という盾を取り払ってみせました。松本を1番に置くことで機動力と出塁率を確保し、3番キャベッジ、4番リチャードの長打力に賭ける布陣は、つながりよりも一発の怖さを優先したようにも見えます。

 また、8番に石塚を置いたのは『第2の坂本』としての自覚を促すメッセージでしょう。今はまだ構想段階とはいえ、これほどまでにハッキリと『若返り』を視覚化したことは、ベンチを温めることになったベテラン勢への強烈な発破にもなっていることと思います」

 阿部監督が描く“夢”の詰まったオーダー案。果たして3月の開幕戦、グラウンドに立っているのは、この構想通りの若手たちなのか、それとも意地を見せたベテランたちなのか――。