前田健太の直筆サインが『メルカリ』転売された

 12球団が一斉スタートしたプロ野球・春季キャンプ。九州・沖縄地方に足を運ぶファンにとって、選手との距離が近いのもシーズン中には味わえない醍醐味だが、これを逆手に取っての“悪質”とも言えるマナー違反も起きてーー。

【前田健太 東北楽天ゴールデンイーグルス 直筆サインボール 春季キャンプ 球団ロゴ】
【阪神タイガース 木浪聖也 直筆サインボール 沖縄限定 ロゴ 2026】
【横浜DeNAベイスターズ 蝦名達夫 直筆サインボール】

 キャンプ初日の2月1日以降、フリマアプリ『メルカリ』に続々と出品されているのが、プロ野球選手のサイン色紙やサインボール、サイン入りユニフォーム。いずれも「直筆」と記されており、商品説明でもご丁寧に【本人より直接サインいただきました。】と強調されている。

 近年、各球団内でも問題視され、対策に追われている「サイン転売」。練習合間に疲れた表情を見せることなく、善意でファンサービスに応じてくれる選手たちだが、社会問題にもなっている転売騒動を懸念して、キャンプ中のサイン禁止を講じる球団も出始めている。それでも絶えない転売ヤーによる大量出品。

実際にサインを書く選手の写真

 一つ1000円にも満たないサイン用ボールであるが、人気選手の直筆サインは入るとたちまち高値がつけられ、上記の前田健太投手(37)の直筆サインボールは「1万999円」。サイン入りユニフォームに至っては2万〜3万で出品されるだけに、キャンプ地は彼らにとって宝の山に映っているわけだ。

 そして中でも“悪質”と言えるのが、一部出品者の間で横行している販売手口。例えば、先の前田投手の直筆サインボールだが、商品画像とともに並んで掲載されているのが、実際にペンとボールを手にしてサインを書いている選手たちの写真

『メルカリ』に出品された楽天・前田健太の直筆サインボール。サインする様子も撮影して商品ページに掲載

 他にも阪神タイガースや横浜DeNAベイスターズといった、沖縄キャンプに臨んでいる各選手による直筆アイテムとともに、“サインを書く写真”を掲載する出品が多く見受けられる。いずれも“隠し撮り”したような画角で、なるほど「直筆」であることを証明する“証拠写真”なのだろう。呆れることに追加料金で、当該写真を同封する出品者も。

 しかも同様の手口は一人だけでなく、多数の出品者が証拠写真付きの「直筆サイン」を出品しており、“マニュアル”なのか、いずれも選手の背景がぼかされている。おそらくは“隠し撮り”をした日時と場所を特定されないための予防線で、確信的にサイン転売を繰り返しているようだ。

違反やペナルティーを問われる可能性

 フリマアプリの転売問題に詳しいITライターは、“本人写真付き”のサイン転売に警鐘を鳴らす。

「サインボールやサイン色紙だけであれば、偽造品でない限りはマナーの良し悪しはともかく、大きな問題になることはないでしょう。ただ許諾なく撮影した選手の写真を営利目的で使用しているのならば当然、肖像権の侵害が問われる可能性が生じます。

 またメルカリ規約においても、他者の画像を無断転載した場合は当然違反となりますが、たとえ自分で撮影した写真でも、いくら背景を誤魔化したところで選手を利用しているのは明らかで、通報によって何らかのペナルティー、措置が働くと思われます」

 サイン転売のためにはるばるキャンプ地まで訪れる転売ヤーたち。ファンにとって憧れの存在である選手たちも、どうやら「渋沢栄一」に見えているのだろう。