2026年2月8日、対照的だった中道共同代表の野田佳彦氏(左)と斉藤鉄夫氏

 自民党単独で316議席を獲得と、2024年の選挙からプラス125席と歴史的大勝を収めた衆院選で、翻って歴史的大敗を喫した中道改革連合。しかし、失敗にも見えた中道結成だが、実は“勝利”を収めていたのが「公明党」だ。

 かつて民主党代表、立憲民主党でも幹事長を務めた岡田克也氏(72)が三重3区で、そして立憲創設者でもある枝野幸男氏(61)が埼玉5区で落選。前者は比例区との重複立候補をしておらず、後者は重複にもかかわらず、復活叶わずに落選。長らく“民主党”要職を務めた2人が“ただの人”になった。

 中道共同代表の野田佳彦氏(68)こそ、千葉14区で自民党候補を退けて意地の当選を果たしたものの、投開票後に出演した『選挙ステーション』(テレビ朝日系)で、「立憲と公明の合流は失敗だったのでは?」と問われると、「準備期間が足りなかった」ことを敗因に挙げつつ、

「チャレンジ自体はですね、今大きな塊がありますけども。もう一つの違う考え方を提示する、もう一つの選択肢が必要なときがあるので、この種火っていうのは、もっともっと育てていかなければいけないという思いは強く持っています」

 質問に対する明言を避けつつも中道継続の考えを示唆した。一方、野田氏とともに生出演した斉藤鉄夫共同代表(74)も、

失敗ではないと思います

「ある意味で政界再編の一つのうねりをこれから作っていくそのきっかけを作ることができたのではないかと思います」

 こちらは中道に手応えを実感したようで「失敗ではないと思います」と言い切った。

 しかし、終始うつむき加減だった野田氏と、どこか前を向いた明るい表情にも見えた斉藤氏と、2人の共同代表には明らかな温度差があった。それもそのはず、中道としては大敗と言える49議席だが、議席を減らしたのは立憲だけだからだ。

野田佳彦氏と斉藤鉄夫氏による中道改革連合の政見放送。公認サポーターアカウントが「推し活動画」へのアレンジを推奨(Xより)

 2024年の衆院選では、148議席を獲得して自民党に迫る勢いだった立憲だが、今回は中道として獲得できたのは21議席のみでマイナス127。一方の公明党は、24議席からプラス4で28議席を獲得している。

 しかも公明系立候補者28人全員が当選し、うちの24人が比例区での当選と、中道に集まった比例票の多くが公明に流れたことになる。

各選挙区で立憲出身の候補者を擁立する代わりに、公明出身の候補者を比例区上位にすることで合意していたのでしょう。前回同様の集票を踏んでいた立憲ですが、完全に策が裏目に出てしまいました。片や、公明は“戦わずして勝った”もの。

 しかも公明単独での28議席は国民民主党に並んでの最多獲得で、立憲とは立場が逆転して最大野党になりました。これが斉藤共同代表の思惑通りなのかは分かりませんが、中道として大敗しても公明は大勝でしょう」(全国紙・社会部記者)

《これぞ公明の罠》

 野田氏ら立憲としては、当初は小戦区における公明票を利用する算段だったのだろうか。逆に公明にうまく利用された構図に、X上では、

《中道作って一番得したのは間違いなく公明だね。参議院の立憲はまだ存続してるけどもう統合はやめた方がいい。結局公明の養分だから》
《見事に公明党にしてやられた立憲。比例1位に公明候補を並べたことが大きな失敗。執行部の判断ミスの責任は大きい》
《これは公明の罠》

 合流を見誤ったとする立憲の判断ミスと見る国民も多く、また『三国志』で活躍した諸葛亮孔明に準えて《公明の罠》とする、何やら上手いいい例えも広まっている。

「真ん中の道と書いて中道です」と連呼した野田氏だったが、どうやらその道には思わぬ落とし穴があったようで。