「ドラマといえば、医療モノ、刑事モノが多いですが、出版モノがそれに次ぐドラマのジャンルになりつつあります。一度は編集者役を演じたことがある、という俳優も多いのではないでしょうか」
と話すのはドラマウォッチャーのカトリーヌあやこさん。
出版ドラマが多いワケ
『パンダより恋が苦手な私たち』(日本テレビ系)、『令和に官能小説作ってます』(テレビ大阪)、『人は見た目じゃないと思ってた。』(テレビ東京系)と今期だけで3本も編集者が主人公のドラマが放送されている。
「編集者はいろいろな人に会うのが仕事の部分であるから、お仕事ドラマとしてバリエーションが多い。女性誌ならファッション、グルメ、おしゃれスポットなど華やかな物語が作りやすい、週刊誌なら事件、スキャンダルの真実を暴くというミステリー的な展開もできます。
漫画誌ならどうやって漫画が作られるのかがわかり、幅広いドラマが作れるので編集者は主人公に選ばれやすいのだと思います」(カトリーヌさん、以下同)
斜陽産業といわれて久しい出版社が、ドラマの舞台として選ばれるのにも理由があるという。
「『パンダより~』は一葉(上白石萌歌)の所属する生活情報誌が廃刊の危機、『人は見た目じゃ~』では大和(菅生新樹)の志望していたスポーツ誌が廃刊となり、ファッション誌に配属されたという設定。最近の出版モノはたいてい廃刊という言葉が出てきます。『パンダより~』のように、廃刊するかもしれない逆境をどう覆していくのかというドラマのストーリーを作りやすい。
ほかにも、芸能人や作家に編集者が振り回されるという構図に面白さが生まれます。クセ者の彼らと共同作業をし、イレギュラーな出来事にも対応して雑誌や作品が完成するという展開は、見ているほうも達成感を得られますよね。ちなみに『令和に官能小説~』は官能小説を出版するフランス書院の編集者の実話から生まれているそうです」
また、ドラマを作るのに出版モノはコスパ的な面でも適しているらしい。
「医療モノは病院、刑事モノは捜査、学園モノは学校が必須でロケをしなくてはいけません。昨年放送された日曜劇場『キャスター』(TBS系)のようにテレビ局が舞台だと、架空の番組を作るのに、スタジオを作らなければいけないので、大変なのかなと思いました。
出版モノは編集部と作家の仕事場と打ち合わせの喫茶店ぐらいで済み、編集部は人数も少なく、ドラマに出てくる登場人物も少なくていいため、予算的にも作りやすそう」
編集者といっても、ファッション誌、漫画、文芸とジャンルは多岐にわたる。制作費のコスパもいいとなれば、これからもさまざまな出版ドラマが誕生しそうだ。
