巨人・坂本勇人選手

 プロ野球の春季キャンプが始まり、球音が各地で響く中、日本テレビ系野球中継の番組公式YouTubeチャンネル『DRAMATIC BASEBALL 2026』のロングインタビューに応じた坂本勇人の発言が、ファンの注目を浴びている。

阿部監督の開幕オーダーに名前がなかった

 プロ20年目という大きな節目を迎えた坂本だが、昨シーズン終盤は代打での起用が目立っていた。しかし、本人の中に「代打要員」という選択肢は微塵もない。

 インタビューの冒頭から「やっぱりスタメンで試合に出たいというのは、野球選手をしている以上、思って望まないといけない」と語り、現役である以上はレギュラーの座を譲るつもりがないことを何度も強調して見せた。

阿部慎之助監督が巨人OBの高橋由伸氏との対談で披露した1月時点での開幕オーダー案では、2024年のドラフト1位・石塚裕惺など若手の名前が大勢登場し、坂本選手を含むベテランの名前はありませんでした。主砲の岡本和真がメジャーに移籍したことで、今シーズンの巨人にはレギュラーが確約されている選手は1人もいないというのが指揮官のスタンスです。

 阿部監督は『実績という盾を取り払う』ことでチームの活性化を狙っていますが、これは坂本のような功労者に対しても例外ではありません。このキャンプでは若手とベテランが横一線でチャンスを奪い合う、シビアなチーム内バトルが繰り広げられています」(スポーツ紙記者)

 そんな厳しい状況を誰よりも理解しているのが坂本本人だ。インタビューでは、自身の置かれた立場と向き合い、具体的な課題についても冷静に口にしている。

坂本本人も語っているとおり、プロ生活20年において、実はオープン戦で打ちまくったという年はほぼ見当たりません。これまで不動のショートとして出番が確約されていた時代はシーズンで結果を残せばいいだけでしたが、レギュラー奪還のためには3月のオープン戦から結果を出して阿部監督にアピールする必要があります。

 今シーズンも代打要員となれば、通算二塁打の日本記録更新や2500安打、300本塁打といった大記録達成も難しくなりますから、若手以上に早い仕上がりが求められます」(スポーツ専門誌ライター)

リーグを代表するような成績を残している選手がいない

 また、今回のインタビューで大きな反響を呼んだのが、ポジションを争うことになった石塚に関する発言だ。

 坂本は自主トレに石塚を誘うなど、後輩への面倒見の良さも見せているが、勝負の世界においては非情だ。その将来性を高く評価しつつも、「ライバルでもあるんで、ユニフォームを着たらそんな風に思うことはない」と言い切った場面では、穏やかな表情の中に剥き出しの闘争心も垣間見えた。

読売ジャイアンツの阿部慎之助監督


「将来的には石塚に球界を代表する選手になってほしいという願いは本物でしょう。しかし、それ以上に『まだ負けるわけにはいかない』というベテランの意地を感じました。

 首脳陣の中には石塚が二塁、坂本が三塁といった共存プランも頭の片隅にはあるでしょうが、坂本本人はあくまで三塁のレギュラーを奪い取るつもりです。もしここで10代の若手に圧倒されるようなことがあれば、いよいよプロとしての引き際が現実味を帯びてきます」(前出・スポーツ紙記者)

 巨人の現役選手の中で、唯一「日本一」の称号をその手に掴んだ経験を持つのは、もはや坂本一人となった。V奪還のために何が必要かを問われた際、彼が迷わずに答えたのが「個の力」というワードだ。

坂本の『リーグを代表するような成績を残している選手がいない』という言葉が示すとおり、現状の戦力は昨季優勝の阪神と比べると、まだまだ小粒感が否めません。自身がその座に返り咲くのか、それとも石塚ら若手からニューヒーローが誕生するのか。今季の巨人はキャンプから目が離せません」(前出・スポーツ専門誌ライター)

 インタビューでの決意表明を聞いたファンからは「坂本が試合に出ないと華がないし、見る気が起きない。意地を見せてほしい」「3000本安打達成のためには代打じゃなくてスタメンで4打席立ってくれ」「坂本がいない巨人はありえない」「若手に“まだまだだな~”と言ってやってほしい」など多くのエールが寄せられている。

 坂本が崖っぷちからの「大復活」を遂げた先に自身の輝かしい記録達成と巨人の日本一が見えてくるはずだ。