鉄道ファン、いわゆる“鉄オタ”の中には、関連アイテムを欲しがる愛好家が存在する。「蒐集鉄」や「コレ鉄」とも呼ばれるが、彼らですら入手に尻込みするアイテムが、いま話題となっている。
需要を読み違えた店長
2月11日、JR東海リテイリング・プラスが運営する鉄道グッズ専門店『ブルーバレット』の公式Xが「お知らせ」と題して、次のように投稿した。
《車掌スイッチですが、抽選券配布枚数が0枚だったため本日店頭での販売を中止させていただきます。後日改めて販売いたします》
……なんとも悲哀を感じさせる投稿だが、何があったのか。
「『JR東海リテイリング・プラス』は、東海道沿線のお土産や駅弁、飲食店舗、新幹線車内サービスなどを展開する会社です。同社が昨年4月にオープンさせたのが『ブルーバレット』。JR東海協力のもと、0系新幹線の最終運行日に使われた連結器カバーや行先表示板など貴重な品も展示し、ちょっとした“聖地”になっています」(鉄道雑誌編集者、以下同)
同店は今月4日、実際に使用されていた“車掌スイッチ”を抽選販売すると発表。
《2月11日(水・祝)、BLUE BULLETで車掌スイッチを発売!新幹線の車掌気分が味わえるチャンスです!》《緊急ブレーキスイッチも発売中です。2つ揃えてお家を乗務員室にしてみませんか?》と、“オタ心”をくすぐるアピールしていた。
「車掌スイッチは、停車駅でドアの開閉を一括操作する重要装置。新幹線の車掌室に設置されています。その実物が売りに出されるとあって注目されましたが、価格は1個税込みで6万9320円。11日に抽選券を配布する予定でしたが、その値段にさすがのオタも萎えたのでしょう、購入希望者は現れず、結果、冒頭の“中止報告”に至りました」
ただ中止直前までXでは、《ただいま、新幹線北口改札コインロッカー前にて配布中です。ご購入希望のお客様、お待ちしております》と呼びかけ、来店を心待ちにしていたフシが見られるのが切ない。
Xには今回、同店が一人で盛り上がって一人で撤収した赤っ恥“事件”について、《1000円なら買ってやるよw》《価格設定が間違ってますね》《部品鉄の心がわかってないですね》などと呆れ、冷ややかな声が寄せられている。
先の鉄道雑誌編集者はこう語る。
「同店は以前、オリジナル商品発売時に《鉄道好き店長ならではの視点で開発》と紹介していましたが、今回、そんな店長も需要を読み違えたようです。さすがにスイッチ1個に7万円はハードルが高いのでしょう」
12日、店の公式Xは《この度は大変多くのご意見を頂戴し、誠に申し訳ございません》《本商品の価格設定については、希少性及び過去実績を踏まえて決定致しました》《今回の件を受け、価格を再検討し改めて販売時期をご案内致します》とアナウンスしている。
果たしてオタの心と財布を開かせる値段になるのだろうか?
