「これだけ連日、シールが品薄などの話題が報道されると、もはや社会現象化しているといっても過言ではないでしょう」
と話すのは若者の消費や行動を研究している、芝浦工業大学の原田曜平教授。今、女児から大人までシール交換が一大ブームになっている。
「シール交換」が令和にリバイバルしている背景
キャラクターや動物、食べ物などのアイテムが印刷され、丸みのあるドロップのような「プチドロップステッカー」(440円)、立体カプセルの中に水とスパンコールが入っている「ウォーターインシール」(418円)などの立体シールは、交換のときにかなり「高レート(価値が高い)」とされる。
数あるシールの中でも、特に人気があるのが、ぷっくりとした立体感と透明感のあるデザインが特徴の「ボンボンドロップシール」(550円)。しまむらは1月27日にECサイトで予約販売を予定していたものの、同商品の人気が殺到したため、販売を急きょ中止。2月4日にはロフトが「ボンボンドロップシール」を含む立体シール3種について当面の間、ネットストアとロフト全店で販売を差し控えると発表するほどで、入手困難さは極めて高い。
「普通のシールなら印刷すれば簡単に作れそうですが、『ボンボンドロップシール』のような立体感のあるシールは技術のある人ならともかく、一般人が作ることは難しいので、より価値が生まれるのでは」(原田教授、以下同)
シール交換といえば、平成に女児たちの間で流行ったものだが、令和にリバイバルしている背景について、
「デジタルなコミュニケーションが全盛期のなかで、『シール、交換しない?』と、人と人が会う口実になったり、交換したシールを見て、人の温もりを感じられるというアナログなコミュニケーションが令和の今にウケたのだと思います」
幅広い年齢層でシール交換が人気の理由は?
「まず、子どもたちが買える金額であることが大きいです。学校で友達とシール交換ができるというライフスタイルとも合っている。大人にも流行ったのは、子どもから派生して親子で楽しめることもあると思います。平成の時代に小学生だった20代~30代の若い女性が自分の子ども時代の文化を楽しむ『平成女児ブーム』の一環ともいえますが、子どものころ好きなように買えなかったシールを大人買いすることで満足していることも理由として挙げられます」
このブームは今後も続くのだろうか。
「露店などで『ボンボンドロップシール』に似たものや偽物なども含めて、立体シールは入手しやすくなっているので、近々落ち着くと思っています。ただ、アナログなコミュニケーションを取れるシール交換は定着するのではないかと予想しています」
