「猿は木から落ちても猿だが、代議士は選挙に落ちたらただの人」
かつて自民党副総裁だった大野伴睦の名言があるが、“ただの人”を大量に生むことになった2月8日の衆院選。中道改革連合は167議席から49議席へと激減。中道結成を主導した旧立憲民主党の安住淳共同幹事長、党創設者の枝野幸男氏、小沢一郎氏、岡田克也氏など重鎮が小選挙区で落選。大物政治家たちが続々と“ただの人”に。永田町関係者は、
「まさかここまで大敗するとは思っていなかったようで、秘書たちを含めみな呆然としていました。10日に行われた、当選者たち10数人の会合も一様に険しい表情で、まるでお通夜のよう。落選した議員は議員会館と宿舎を引き払わなければならず、12日までに退去するというハードスケジュールで段ボールに荷物を詰める姿は哀愁が漂っていました」
落選して不安定になるのは議員だけではなく…
何もなければ次の衆院選は4年後。4年もの間、彼らはどうやって生活するのだろうか。ジャーナリストの渋井哲也さんは、
「実は落選しても党から『支部長』などの名目で、活動資金を給付されることがあります。
各党とも金額は公にしていませんし、議員によっても額が変わるのですが、例えばかつて存在した『希望の党』('17年~'18年)は落選者で支部長に任命された人に対して活動資金として月額50万円、年間600万円支給することを公表しました。衆議院議員の給与は月129万4000円ですからそれに比べれば安いのでしょうが、一般的に見れば十分な額をもらっているといえるでしょう」
小選挙区で当選回数が多い議員は、地元に多くの支援者や太い資金のパイプを持つ。
「次の衆院選までに支援を受け、個人献金も集まるでしょう。枝野さんや中道元代表の山井和則さんは、早くも次の衆院選まで頑張ると宣言しています」(渋井さん、以下同)
もともと、手に職を持つ議員も多く、
「枝野さんは弁護士、岡田さんはイオングループ創業者の次男。職に困るということはないと思います」
大物政治家たちの処遇は心配ないようだ。とはいえ、落選して不安定になるのは議員本人だけではないという。
「議員宿舎に家族で住んでいて、子どもを近くの学校に通わせている小選挙区が地方出身の議員は途方に暮れています。4日以内に荷物をまとめて退去しなきゃいけませんから、学校の手続きなどのために、急いでマンスリーマンションを手配していました。
ほかは議員秘書たちですね。1人の議員につき公設秘書に私設秘書、地元を守る秘書と最低でも3人のスタッフがついていますが落選後、彼らには収入の保証がない。それでも公設秘書は落選した瞬間に自身の就職活動を始める人も多く、秘書のプロとして永田町を渡り歩く。問題なのは私設秘書。資格を持たない人は就職活動がなかなか難しく、引っ越しの際にいちばん暗い顔をしているのも私設秘書たちですね」
多くの失業者を出した衆院選を経て、高市内閣はどこへ向かっているのだろうか。
