「お花があるとすごく楽しい、明るい気持ちになれますよね」
秋篠宮ご夫妻の次女、佳子さまは両親と一緒に1月30日、東京・東池袋のサンシャインシティ文化会館ビルで開かれた「第74回関東東海花の展覧会」を鑑賞した。この催しは、花に対する理解を深めてもらうとともに、花の消費拡大を図ることなどを目的に開かれた。
天皇陛下は大阪万博を訪れた思い出を語った
報道によると、関東や東海地域の1都11県などが主催する、国内最大規模の花の展覧会で、会場には1500点以上の切り花や鉢物などが並んでいた。白いジャケット姿の佳子さまと秋篠宮ご夫妻は熱心に見て回り、佳子さまは冒頭のような感想を笑顔で話したという。
花、花、花……。会場は一足早い、春の装いだった。この、花の展覧会の会期中、私は会場に足を運んでみたが、大勢の入場者で混雑していた。
「花の品評会」のエリアは、「洋ラン」「バラ」「カーネーション」「観葉植物」などのコーナーに分かれて切り花や鉢物などが展示されていた。赤やピンク、黄色などの美しいバラの前ではスマホで写真や動画を撮影する若い女性の姿が見られた。
「特別賞」のコーナーでは、農林水産大臣賞、金賞に輝いた見事な洋ランやバラ、カーネーションなどに足を止めてじっくりと見入る人たちが絶えなかった。きれいな花を堪能して私も、「楽しい、明るい気持ち」で、会場を後にした。
1月27日、秋篠宮さまは、東京都江戸川区で開催された日本動物園水族館協会の水族館技術者研究会に出席した。研究会では、海洋生物の繁殖や輸送方法などに関する発表が行われ、日本動物園水族館協会総裁の秋篠宮さまは熱心に耳を傾けていた。
これに先立ち秋篠宮さまは、同区臨海町の葛西臨海水族園を訪問した。報道によると、同園が人工繁殖の研究に取り組んでいるミナミイワトビペンギンなどを見学した後、一般入場者に交じって園内を見て歩いたという。そして、絶滅危惧種であるゼニタナゴの保全活動などについて話を聞き、関心を示していた。
「『大阪・関西万博』を契機として、世界の人々が、自分自身だけでなく、周りの人々の『いのち』や、自然界の中で生かされているさまざまな『いのち』も尊重して、持続する未来を共に創り上げていくことを希望します」
大阪・関西万博が2025年4月から10月まで、大阪市の人工島、夢洲で開かれた。開幕前日の開会式で、佳子さまの伯父である天皇陛下は、前述のように挨拶した。
また、陛下は10歳のとき、大阪万博を訪れた思い出に触れながら、「博覧会の会場を何度か訪れ、さまざまな国のパビリオンを巡って、世界の人々との触れ合いを実感するとともに、月の石を見たり、ワイヤレステレホンでの通話を楽しんだりして、当時の最新の技術に驚いたことなどを今でもよく覚えています」と述べた。
開会式には、皇后さまや万博名誉総裁を務める秋篠宮さまと、紀子さまも同席した。陛下の挨拶に続き、秋篠宮さまがパネルに手をかざすのを合図に開会セレモニーが行われた。
昨年11月、宮内庁は来年3月から横浜市で開催される「2027年国際園芸博覧会」の名誉総裁に、11月4日付で秋篠宮さまが就任すると発表した。任期は、博覧会が終了する2027年9月26日までとなっている。
秋篠宮さまが語る眞子さまとの一番の思い出
前述したように、秋篠宮さまは大阪・関西万博の名誉総裁も務めたばかりだが、「2027年国際園芸博覧会」も名誉総裁として尽力することになった。
国際園芸博覧会協会のホームページによると、会期は2027年3月19日から9月26日まで、横浜市の旧上瀬谷通信施設が会場となる。
米軍から返還された約242ヘクタールのうち、約100ヘクタールが博覧会区域となる。長年、土地の利用が制限されてきたことから、農地や豊かな自然環境が広がっているという。
ホームページでは、開催の意義を次のように訴えている。
《花や緑との関わりを通じ、自然と共生した持続可能で幸福感が深まる社会の創造を提案、横浜から明日に向けた友好と平和のメッセージを発信します》
博覧会の開催が待ち遠しい。
《眞子さまとの一番の思い出はなんですか?
彼は少し考えた後、「マダガスカルですかね」と、短く答えた。
2007年、彼女が15歳のとき、同国南西部ムルンベへの研究旅行に娘を同行させたときのことが強く印象に残っているという。
四輪駆動車で移動した。ドライバーの隣に植物学者の湯浅浩史が乗り込み、周囲の自然や珍しいバオバブの木などを親子に熱心に説明した。マダガスカルには世界に約十種類あるバオバブの木のうち八種があるという。
バオバブは、幹が徳利のような特異な形であることで知られている。高さ30メートル、直径10メートルにもなる。果肉は食用や調味料として利用される。
車は凹凸の激しい悪路を十二時間半もひたすら突き進んだという。秋篠宮と眞子内親王は後部座席に乗り説明を受けながら、走行中の苦しさに耐えた。「船の激しいピッチングとローリングをまともに受けたような感じでした」と懐かしそうに話した。
狭い車内で車の天井に何度も頭をぶつけながらの移動だったようだ。厳重に警備された日本では味わえない、予期せぬ発見に満ちた旅だったのだろう。彼の表情はとても生き生きとしていた》
以上は拙著『秋篠宮』(小学館)の一節である。現在は結婚してアメリカで暮らす長女、小室眞子さんとの一番の思い出を私は、秋篠宮さまに尋ねたことがある。
そのとき秋篠宮さまは、貴重な植物が数多く見られるアフリカのマダガスカルを、眞子さんと一緒に旅行したことであると即答してくれた。日本植物園協会の総裁であり、草花や樹木などに関心が高い秋篠宮さまらしい答えだと思った。
佳子さまの身の回りの品につける「お印」は、「ゆうな」だ。「ゆうな」はハイビスカスの一種「オオハマボウ」の沖縄地方の呼称である。暖かい地方の海岸近くに生える小高木で、夏に淡く美しい黄色の花を咲かせる。
佳子さまは、今年もまた、国内や海外でたくさんの仕事に励むだろう。佳子さまが多くの人の心に、夢や希望の美しい花を咲かせることを望んでやまない。
〈文/江森敬司〉
えもり・けいじ 1956年生まれ。1980年、毎日新聞社に入社。社会部宮内庁担当記者、編集委員などを経て退社後、現在はジャーナリスト。著書に2025年4月刊行の『悠仁さま』(講談社)や『秋篠宮』(小学館)など
