宝泉薫さんによる『週刊女性』の名物連載「人生アゲサゲ分かれ道」。今、ニュースな森香澄さんを取り上げます!
田中みな実が語った独立後の心境
フリーアナの森香澄が「収入」をめぐる発言で話題になった。局アナ時代に比べ、
「10倍は超えましたよ」とのことだ。
といっても、誰それ? という人がいるかもしれない。彼女の古巣はテレビ東京。日本テレビやTBSと同じくキー局ではあるものの、後発なので系列局がない地域がかなりある。日本全体の約7割の人しか視聴できないわけで、全国レベルで目立ち始めたのは退社後だ。
例えば、千鳥の旅番組で「いま芸能界でいちばんあざとい女」と紹介されたり、『an・an』の「バスト」特集でセクシーな写真を披露したり。深夜とはいえ『森香澄の全部嘘テレビ』(テレビ朝日系)という冠番組も持っていて、前出の発言はそこでのものだ。
ただ、フリーになると収入が増えるのは珍しいことではない。昨年いろいろ注目された元フジテレビの渡邊渚も、ネット番組で「局アナ時代より稼げてる」と明かしていた。
森香澄的女子アナの元祖というべき田中みな実も、退社後はかなり稼いでいることだろう。しかし、田中は昨年12月、『日曜日の初耳学』(TBS系)で独立当初の心境についてこう振り返っていた。
「後悔することばかりでした。(略)あー、辞めなければよかったなって思ったり」
バラエティーを降板し、女優メインでやっていく方針に決まったときについても、
「固定収入がなくなる恐怖。ドラマが来るかどうか、わからないわけで」
そう、フリーになることは、局アナとして担保されていた安定を捨てることなのだ。
それでも、その安定を捨てる人が一定数いるのは、ある意味、先が見えてしまうからだろう。
昔から「局アナ30歳定年説」という見方があるように、この職業は若さが生命線。また、入社時点で美貌や高学歴は当たり前だが、30代以降も活躍し続けるには、高いスキルや好感度が必要だ。それができるのは、水卜麻美や江藤愛、弘中綾香など、せいぜい局に1人である。
それ以外の野心家は、フリーになるか玉の輿に乗るかで上を目指すしかない。勝ち組同士のバトルの中で、自分に合った戦い方を全力でやっているわけだ。
そんな中、きわめて効率よく成功しているように見えるのが、大リーガー・菊池雄星の妻、瑠美さん。岡山放送を2年で辞めてフリーになり、スポーツ番組などのキャスターを経て、年俸30億円以上の男と結婚した。
森香澄もあざとさが売りなら、それくらいの大魚を釣れそうなものだが、気になるのは先輩・田中みな実の現状だ。つまり、あざとさが目立つ人ほど意外とあざとくはなく、むしろ恋愛などには不器用だったりするのではないか。
ちなみに、現在の「収入」増について森は、「マジで今だけかもしれないと思って生きている」と、告白。
けっこう刹那的な捉え方だが、思えば女子アナが花形職業になり、最もちやほやされたのはバブル景気のころだった。
そのバブルがはじけ、経済が停滞し続ける中、若者ですら安定志向が目立つのが今の世の中だ。それでも、フリーになるような女子アナには、まだバブリーな香りが残っている。NHKを退局後、人気芸人と結婚して、タレントとしても成功、選挙特番まで出るようになった神田愛花などはその典型だろう。
こんな時代だからこそ、欲張りな生き方が元気をもたらしたりもする。森も10倍といわず、100倍くらい稼げるようあざとく頑張ってほしいものだ。
ほうせん・かおる アイドル、二次元、流行歌、ダイエットなど、さまざまなジャンルをテーマに執筆。著書に『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)。
