「ア~」
2月14日未明、ミラノ・コルティナ五輪の会場、ミラノ・アイススケート・アリーナではフィギュアスケートファンの悲鳴がこぼれた。
ファンの間では“魔物”の声も
世界選手権2連覇中の“4回転の神様”イリア・マリニン選手がフリー演技でまさかのミスを連発。フリーは15位に、ダントツの首位だったショート・プログラムから一転して、まさかの総合8位で初めての五輪を終えることとなった。
これに声を上げたのがフィギュアスケートファンたち。
《フィギュアの団体戦ってオリンピック最後でよくない? 団体戦に出場していた選手にはハンデになってない?》
《フィギュア、 エキシビションなくして最後に団体戦にすればいいのに。先に団体戦やって、順位が順等じゃなくなるの観るの悲しいのよ》
《アメリカは団体戦の金メダルが、マリニン個人の金メダルの可能性より重要だったわけ? SPだけじゃなくFSまで無理に出して、少なからず影響したよね》
6日前に終えたばかりの団体戦でショート、フリーともに出場してアメリカに金メダルをもたらしたマリニンの疲労が、個人戦ではまさかの敗北の原因となったのではと疑問視したのだ。
マリニンだけではなく、団体アメリカチームでは世界選手権3連覇中のマディソン・チョック、エヴァン・ベイツ組も個人戦で金メダルを逃して“不正採点”騒動も起きている。
「ファンの間では“団体戦の呪い”“魔物”なんて言われたりもします。冬季五輪の団体戦で金メダルを取った選手は、個人戦で金メダルを取れない。ショート、フリーを両方滑った選手はなおさらと」
そう話すのはフィギュアスケート観戦歴30年を超える筋金入りの女性ファン。怒りを通り越してあきらめ口調で続ける。
「団体戦が採用された2014年のソチ五輪で金メダルはロシアでした。団体戦メンバーで個人でも金メダルに輝いたのはペアの選手だけ。男子シングルで“皇帝”と呼ばれたプルシェンコ選手は個人戦を途中棄権。羽生結弦選手が日本男子フィギュアに初の金メダルをもたらしたときです。
2018年の平昌で団体金のカナダではアイスダンスのテッサ・ヴァーチュ、スコット・モイア組のみ。2022年北京の団体はアメリカが制しましたが、個人で金を取ったのは男子シングルのネイサン・チェンだけ。個人金メダリストのなかでもショート、フリーとも団体に出場しながら個人でも金を取ったのはヴァーチュ、モイア組だけなんです」(前出の女性ファン)
今大会のフィギュアでは団体戦の表彰台の材質のせいで、台に上がった選手たちのブレードが傷ついてしまうハプニングもあり、当人たちにしてみればまさに“呪い”だったろう。
とりわけ団体戦の翌日からはじまったアイスダンスの日程には、
《団体戦(仕事)おわった!明日は個人戦(仕事)!! なんなんこの順番、五輪のフィギュアなん?》
個人戦ショートで不調だった三浦璃来・木原龍一ペアの演技には、
《「りくりゅう大丈夫だろうか…」と心配しながら見ていたところにヒヤッとするシーン。とにかく怪我が無くて良かった。フリー、頑張って!というか楽しんで欲しいなぁ》
《フィギュア、みんな団体戦にピーク持っていきすぎた感があるな》
《マリニン選手のフリーが辛すぎて..これはトラウマになる》
団体戦をなくしてほしくないとの声も
自国代表はもちろん、それ以外の選手の体調も心配する日本のフィギュアファンたちは、
《五輪フィギュア団体戦は大会終盤にお祭りとして行うべき。団体戦が金メダル候補選手潰しのためにあるのならやらないで欲しい》
《個人戦後にやるのが難しいなら開幕式前にやって、せめて個人戦と1週間は空くようにできないかな?》
と現在のあり方に反対の意見が大部分で、
《団体戦を個人戦の後に…わかるんだけど、例えば最初に個人戦が終わる選手で団体戦に出る選手は一週間くらい選手村に滞在する必要がある》
《運営上の都合で選手がアンフェアな条件で競わなくてはならないならそんな大会に価値は無い》
と、運営上の事情を論じる意見も。
一方では、
《今のところ一番印象的なのはフィギュア団体戦。完璧な滑りをした佐藤選手が悔しくて泣いたり、個人戦で嬉しくて泣いたりでホッコリ》
《ペアもアイスダンスも弱くて放送すらされなかった時代を知ってるので、団体戦で1位取ったりメダル期待されてたり、「アイスダンス強化しないと!」って言われてたりすると、時代が変わったとびっくりする》
といった意見もあり、団体戦をなくしてほしくないという思いも強い。冬季五輪すべての競技のなかでも最もファンの愛情が深いといわれるフィギュアスケート。はたして競技を思う切なる願いは聞き届けられるのか?
