フリー演技中のイリア・マリニン選手(撮影/JMPA)

 2月13日(日本時間14日)、ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート男子フリーで優勝候補と言われていたイリア・マリニン選手がミスを連発。ショートプログラムでは首位だったが、フリー終了後は8位となり、メダル獲得を逃した。

 “氷上の神”とまで呼ばれているマリニン選手がミスをしたことも大きな話題となったが、フリー終了後の得点発表された際に、マリニン選手の父でコーチのロマン・スコルニアコフ氏の取った行動に非難の声が殺到した。

 点数発表を待つキス・アンド・クライで、呆然とした表情で待つマリニン選手。その隣に座っていたロマン・スコルニアコフ氏は、点数が発表されると頭を抱えた。頭を抱える同氏の隣では、困惑した表情のマリニン選手の姿も。その様子がSNS上で拡散され、ファンからは同氏を非難する声が相次いだ。

ロマン・スコルニアコフ氏について言及されたXの投稿

《転倒に直面したときは、父親らしいハグだけで十分かもしれないのに...》
《マリニンが本当に気の毒だ》
《フラストレーションや劣等感を選手に抱かせるべきではない》
《父親失格》

 失意のマリニン選手の横で、本人以上に落ち込んだ姿を見せていたロマン氏。この行動を見たファンは、コーチとしてでなく、父としてフォローをするべきではないのかと批判した。

「ロマン・スコルニアコフ氏はかつてロシア代表やウズベキスタン代表として、オリンピックに出場した経験を持ちます。母のタチアナ・マリニナ氏も1998年の長野五輪に出場するなど、両親ともにオリンピックで活躍したスケーターです。両親ともにマリニン選手の指導に関わっていますし、元オリンピック選手の息子で、活躍を期待されているとなると、マリニン選手のプレッシャーは計り知れないものがありますね」(スポーツ紙ライター)

卑劣なネット上の憎悪が精神をむしばみ

イリア・マリニン選手が心境を吐露した投稿(マリニン選手Instagramより)

 マリニン選手は16日に自身のInstagramを更新し、心境を吐露した。Instagramには20秒程度の短い動画を投稿しており、自身がこれまで出場した大会で喜ぶ姿がいくつも映し出されたあと、頭を抱えて落ち込むマリニン選手の姿が

 動画と共に投稿された文章では、「世界最大の舞台で、最も強く見える者たちでさえ、内面では見えない戦いを続けている」と書き出していた。

 続けて「最も幸せな記憶さえ、雑音に汚されてしまうこともある。卑劣なネット上の憎悪が精神をむしばみ、恐怖が闇へと誘う。果てしなく押し寄せる、乗り越えられない重圧の中で、いかに正気を保とうとも」とつづられていた。

 最後には、「こうした瞬間が目の前を駆け巡るうちに、全てが積み上がり、避けられない崩壊をもたらす。これが、その物語の一面である」とつづり、「Coming February 21,2026.」と添えた。

 21日は、オリンピックのフィギュアスケート競技を締めくくるエキシビションが行われる日だ。マリニン選手の出演も予定されており、競技場に隣接するアイスリンクで練習も行っていた様子だ。

 プレッシャーと戦いながらオリンピックに挑んだマリニン選手。エキシビションではどんな演技を見せてくれるのだろうか。