日ハム・新庄剛志監督

 これまでも歯に衣着せぬ物言いでたびたび世間を騒がせてきた、北海道日本ハムファイターズ・新庄剛志監督(54)の発言がまたも物議を醸している。2月19日の中日ドラゴンズとの練習試合前に、同い年の井上一樹監督(54)と意見を交わしたがーー。

「優勝なんか一切、目指しません」

 2021年11月、日ハム新監督に就任した新庄監督の第一声は、リーグ優勝を目指すチームにとって衝撃なものだった。しかし発言の裏には、

「優勝という高い目標を持ちすぎると、選手はうまくいかない。一日一日地味な練習を積み重ねて9月ぐらいになって優勝争いをしていたら、さあ、優勝を目指そう、と。そういうチームにしたい」

 若い選手たちのプレッシャーを和らげる意味もあったのだろう、パフォーマンスだけではない、裏付けられた理論に基づいているのが“新庄節“だ。

 そんな自身の体験も踏まえてなのだろう、今季で2年目となる井上監督にも「優勝狙うの?」と問いかけた新庄監督。これも「層を厚くするための土台づくりの1年にすれば」との、中日の戦力を分析した上でのアドバイスを含めての発言だった。

 しかし問題視されたのが、今シーズンのセ・リーグにおける中日の立ち位置を報道陣から問われた時、

セは他チームのレベルが下がった

「(セ・リーグは)周りが強くないの。ドラゴンズがガーンと伸びたとかじゃなくて、他のチームのレベルが下がったから、セ・リーグは。それでおもしろい戦いをするんじゃないですか?」

 中日が強くなったのではなく他5球団が弱くなった。セ・リーグは「レベルが下がった」とする、野球評論家さえも言えないド直球発言を現役監督が放ったのだ。これがネットニュースとして伝えられると、Xでは、

《新庄監督、いつもながら直球コメント セ・リーグの戦いぶりをズバッと言い切ったね。》
《確かにパ・リーグより セ・リーグ弱いよ 交流戦だって 上位とかパ・リーグやし 去年の日本シリーズで 正直がっかりきたもんな、、 新庄の言うのもわかる》
《新庄どうした? 元から失礼な発言あるにはあったが最近失礼発言多くないか?》
《なんで新庄って余計な事しか言わないんやろ?この発言セリーグファン全体を敵に回すし、この前のソフトバンク弱い発言も酷い。せっかくいいチームなのに監督が悪目立ちしているせいで印象悪くなってる。》

阪神タイガース時代の新庄剛志(1999年オールスターゲーム)

 同調する声も一定数上がる一方で、セ・リーグ球団やファンに「失礼」との指摘もなされている。新庄監督は2月17日に『デイリースポーツ』で配信された、阪神タイガース前監督・岡田彰布オーナー付顧問(68)との対談記事でも“ぶっちゃけ”ている。

 パ・リーグ覇者・福岡ソフトバンクホークスとのライバル対決の話題となり、岡田氏から「しかし、ソフトバンクはそんな強ないで」と振られると、「そうなんですよ!」と即答する新庄監督。その上で、日ハムが優勝できなかった理由を「僕が悪い。僕が頭悪いだけなんですけど…」と反省してみせた。

 岡田氏の“フリ”に同調したものの「敗因は自分にある」とした新庄監督。しかし「ソフトバンクは強くない」の部分が切り取られてネットに拡散されると、ソフトバンクファンの怒りを買い、さらに今回の「セ・リーグは強くない」が拍車をかけて“上から発言”と炎上したわけだ。ところが、

有原加入で言い訳ができない戦力

「実はいま一番、“優勝”のプレッシャーを感じているのは新庄さんかもしれません」とは、パ・リーグを中心に取材をする野球ライターの見解。

「1年目の“優勝目指さない”は真意でしょうが、4年目を迎えた昨シーズンはことあるごとに“優勝”を公言していました。実際、若手の成長に手応えを感じていたのでしょうが、結果的にホークスに競り負けての2位。真面目な性格だけに“選手を勝たせてやれなかった”と相当落ち込んだはずです。

 さらに今季、ホークスから2年連続最多勝の右腕・有原航平投手(33)も加わり、これで戦力面でも言い訳ができなくなった。エスコンフィールドでの初優勝を待ち望む球団、ファンの手前、優勝への意気込みが空回りしなければいいですが」

 年俸は12球団の監督の中でもトップクラスともされる新庄監督。結果が出なければクビを言い渡される世界で勝負するプロ野球監督は、我々が思う以上に大きなプレッシャーを背負っているようだ。

 ちなみに19日の練習試合は8対4、17日の中日戦でも5対3で新庄・日ハムが連勝している。