巨人・阿部慎之助監督

 阿部巨人のキャンプが佳境を迎えている。そんななか、かつての黄金時代を支え、レギュラー争いの厳しさを知り尽くした巨人OBたちが、エースの再生と正捕手争いについて言及。V奪還の鍵を握る2つの重要課題に対し、忖度なしの鋭いメスを入れた。

戸郷はコーチが介入しすぎ

 巨人のキャンプで注目を浴びているのが、エースの復活と正捕手争いだ。2月14日には元巨人ヘッドコーチの岡崎郁氏のYouTubeチャンネルに、前3軍監督の駒田徳広氏が出演し、持論を展開した。

 まずは、3年連続12勝を挙げたエース戸郷翔征が昨季、防御率4点台、8勝9敗と不振を極めたことについて、駒田氏は「彼を復活させようと試行錯誤した人たちには申し訳ないんだけど、いろいろやり過ぎたと僕は思っています」とコーチ陣の過度な介入が不調を招いたと分析。

 さらに、戸郷の独特な投球フォームについて、「この形でこのフォームの中でやらないとダメな選手。特殊な選手ですよ。体幹の上の力だけでバーンと投げていいボールがいく、そういう選手なので下半身を使って開きが……とか、そんなこと思って投げてない」と説明しつつ、「一般的なフォームにすればするほど苦しむんじゃないかと思っている」と指摘した。

 続いて、議論の焦点は「正捕手選び」に移る。巨人の捕手には甲斐拓也、岸田行倫、大城卓三、小林誠司の4人がいるが……。

一軍登録されるのはこのうちの3人でしょう。岡崎氏は自身がスカウト部長だった2017年にドラフト2位で岸田、3位で大城を獲得しているのですが、それでも甲斐の強肩を評価。大分出身の後輩ということもあり猛プッシュしていました。これに対して、駒田氏は『岸田でしょう』と反論。

 岸田は今季からチームのキャプテンを務めていることを挙げ、『キャプテンがいきなり控えって、チームが“陰の空気"になってチームに元気がなくなる』と、昨年まで現場にいた駒田氏ならではの視点から、キャプテンが補欠になることへの弊害という意外なポイントを懸念しています。また、駒田氏はリード面や打撃でも岸田のほうが上だと評価。岡崎氏もキャプテンに選ばれた元気の良さについては岸田を買っている様子でした」(スポーツ紙記者、以下同)

戸郷と相性のいいキャッチャーは…

 ネット上でも、「甲斐の肩がいいってもう過去の話なのに……岸田に勝ってるのは年俸だけ」「経験とキャッチングでは甲斐が岸田を上回っている」「大城は去年の使い方を見てると今年もそんなに使われないだろう。阿部監督と極端に馬が合わないからかわいそう」といった声が飛び交い、ファンの意見も割れているようだ。

「戸郷は長年コンビを組んできた大城と阿吽の呼吸を見せていました。しかし昨季はソフトバンクからFA移籍した甲斐とコンビを組みましたが、記者たちの間では、それによって歯車が狂ったとの見方もされています。甲斐のリードは外角中心の堅実なものですが、戸郷は疲労の影響か球威が落ちており、外角を丁寧につくだけでは容易に見切られてしまう。

 ストレートで追い込んでからフォークを使うのが戸郷のスタイルだったのが、甲斐はセ・リーグの打者の情報が足りなかったのか、追い込むまでに変化球を多用するリードが目立った。結果、戸郷は甲斐とのコンビで大炎上を喫し、二軍落ちも経験。相性の悪さは明白でした。V奪還には戸郷の復活は必須条件ですから、彼の良さを引き出せる選手が正捕手に近づくのではないでしょうか

巨人の戸郷翔征投手

 正捕手争いの背後には、戦力バランスの歪みも見え隠れする。

 岡崎氏は、打撃のいい大城について「ファーストへのコンバートもありきで獲得している」と語っていたが、新外国人のダルベックやリチャードの加入により、内野の椅子取りゲームはさらに激化。誰を使い、誰をベンチに置くのか、阿部監督のマネジメント能力が問われるところ。

 実績か、主将の求心力か。“扇の要”が固定されたとき、初めて巨人の進むべき道が見えてくるはずだ。