3月に開催される「WBC2026」に向けて、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平投手(31)ら日本人メジャーリーガーが続々と帰国する中、今大会の参加を見送り、キャンプ地のアリゾナ州に残って調整している佐々木朗希投手(24)。
ワールドシリーズ連覇を果たした2025年のポストシーズンでは、ドジャースを救うリリーバーとして大器の片鱗を見せたが、2026年シーズンは先発への再転向を図っている。MLBで2年目を迎える佐々木だが、不安はまだ拭いきれずーー。
2月26日(現地時間25日)に初登板を迎えたダイヤモンド・バックスとのオープン戦。この日、先発として3つの三振を奪いながらも3安打3失点、2つの四球を与えるなど不安定な投球に終始。予定していた2回を投げ切ることができなかった。
球速は最速98・6マイル(約158・7キロ)をマークして上々だったが、打者9人に投じた36球のうち、ストライクは17球と制球に不安が残る内容だった。しかし、
「カットというか、スライダーというか。そのボールとツーシームを今日何球か投げて」
試合後インタビューによると、初回から投げ込んでいたのは、キャンプで練習していたジャイロ回転の新球「カットボール」。メジャーでは主にフォーシームとフォークの2種中心の投球スタイルだったが、先発に向けて第三の球種獲得に取り組んでいる最中だけに、まだ制球が定まらなかったということか。
まずは怪我なく終わってよかった
「コンディション的には去年よりもいい状態」慌しかった昨年と比較して、ここまで本人も2年目に手応えを感じている佐々木。ところが、心配にさせられるコメントも見受けられた。
「(今日の登板は)良かったところと悪かったところがしっかり分かれて。良かったところは少なかったですけれども、球数を投げられたことと、まずは怪我なく終わってよかったです」
報道陣を前に開口一番で口にしたのが、「怪我なく終わってよかった」との安堵の言葉。もちろん通常であれば今季初登板との意味合いもあろうが、プロ入り後から常に怪我に悩まされてきた佐々木にとっては“重要な発言”である。
2025年5月に右肩の「インピンジメント症候群」と診断されて戦線離脱し、レギュラーシーズンの大半を治療とリハビリに費やした佐々木。千葉ロッテマリーンズ時代から抱えていた“爆弾”だけに、今後も再発する可能性がないわけではなく、デーブ・ロバーツ監督(53)やチーム関係者、ファン、そして本人も心配するところだ。
MLB事情に詳しいスポーツライターも、佐々木の故障グセを危惧する一人だ。
「NPBでもダルビッシュ有投手(39、サンディエゴ・パドレス)から教わったスライダーを投げていた佐々木投手ですが、慣れない新球種は肘や肩にも少なからず影響が出ます。特に怪我の原因が明確にわからない彼にとって、うまく投げられている時はいいですが、そうでない時に生じた不安が不調になる可能性もあります」
なるほど、佐々木本人もそれを理解しているからこそ、カットボールを試した上で「怪我なく終わってよかった」発言だったわけだ。それでも初登板では、昨季とは明確な変化が見られたとも。
僕みたいな立場は開幕から100%で
「上半身は変わらず細めですが、お尻から太ももにかけた下半身が昨年よりも一回り大きくなった印象です。ピッチングの土台を徹底的に鍛え上げたことで、右肩や肘に負担をかけない下半身主導のフォームづくりに取り組んでいるのだと思います」(前出・スポーツライター)
今シーズンも離脱することになれば、常勝ドジャースにおいて先発どころか居場所を失う可能性もある。佐々木本人も置かれている立場をよく理解している。
「(開幕までの登板が)あと5試合あるのはいい準備ができるかなと思いますし、僕みたいな立場は開幕から100%の状態に合わせなきゃいけない。そこを目標にしながらシーズンをしっかり通せるように、小手先の変更だけじゃなくてフォームだったり配球だったり、しっかり準備してやれるかなと思います」
故障さえなければ自ずと結果は出てくるはず。今年こそ“令和の怪物”としてMLBで旋風を巻き起こしてほしい。
