昨年12月に公開された映画『星と月は天の穴』。公開当時はそれほど注目されていなかったのだが、公開後1か月ほどしてから、じわじわと話題に。都内ではもう上映している映画館がないため、配信やDVD化を待てない映画ファンは、関東近県の上映館を探して観に行っているほどだという。
同作品の原作は1966年、文芸誌『群像』に発表され芸術選奨文部大臣賞を受賞した、吉行淳之介による同名の短編小説。監督は『ヴァイブレータ』『共喰い』などの脚本で知られる、脚本家の荒井晴彦氏だ。
綾野剛との“濡れ場”が話題の若手女優
この作品は、《いつの時代も、男は愛をこじらせるー》というキャッチコピーにあるように、結婚生活に失敗し妻に捨てられ、そのトラウマから女性を愛することを恐れ、しかし愛されることを望む、愛をこじらせたアラフォー小説家の日常を綴っている。
主人公を演じる綾野剛の評判がすこぶるいいのだが、さらに注目を浴びているのがヒロインの女子大生・紀子を演じている咲耶(さくや)だ。
現在25歳の咲耶が芸能界デビューしたのは、17歳のとき。これまでに何本か映画やドラマに出演しており、話題になった映画『桐島です』にも出演している。『星と月は天の穴』が話題になっている理由の1つが、彼女なのだ。同作はR-18指定になっていることからもわかるように、昭和エロス溢れる過激なシーンが満載で、彼女の体当たりの演技が観客の目を奪った。
実は彼女の父親は、名バイプレーヤーの誉が高い俳優・吹越満。母親は俳優で監督でもある広田レオナ。芸能一家で育った。
広田といえば、19歳のとき、映画デビュー作『だいじょうぶマイ・フレンド』(1983年公開)の冒頭で大胆な全裸シーンを披露し話題になったかと思えば、1995年に公開された『エンドレス・ワルツ』では過激なベッドシーンが注目された。
そんな母親のDNAを受け継いだのか、咲耶も『星と月は天の穴』では母親に負けず劣らずの熱のこもったベッドシーンを演じている。
「ぜひ彼女で撮りたい」ラブコールが殺到
咲耶がキャスティングされた経緯について、キャスティング会社の社員はこう語る。
「作品が作品だけに、まず昭和のテイストをもった女優さんを探していたそうなのですが、しっくりくる人が見つからず難航したと聞きました。なかなか決まらないでいるときに、咲耶さんが現れて、即決だったそうです」
一方、咲耶は、この作品のオーディションを受けた経緯について『現代ビジネス』のインタビューで《“荒井組の脱ぎ、絡みのある作品のオーディションがあるがどうだろう”と、事務所から言われ、企画書と準備稿と原作を読み「オーディションを受けたい」と話しました》と語っている。また、《純文学が好きで、その登場人物になることが夢だった》《濡れ場も5回以上あったんですが、脚本を読んで純粋に“私はこういうお仕事がしたいんだな”と思って》というから、まさに彼女のための作品だったのだろう。
前出のキャスティング会社社員によると、
「演技力はもちろんですが、あの独特の雰囲気はほかの女優さんにはないもの。また、今回の作品を見て肝が据わっている様子と芯の強さを感じましたから、今後の活躍に期待が膨らみます。監督やプロデューサーたちから“ぜひ彼女で撮りたい”という声が多数上げっていますので、いま業界が最も注目している女優と言えるでしょう」
今年は、『金子文子 何が私をこうさせたか』と『粛々のモリ』の2本の映画の公開が予定されている咲耶。2026年は彼女にとって大きな飛躍の年となるかもしれない――。
