「なんで両国にいるの……?」
大相撲春場所の番付発表が行われた2月24日。本来であれば、決戦の地・大阪の宿舎で力士たちを見守っているはずの伊勢ヶ濱親方(元横綱・照ノ富士=34)の姿が、なぜか東京・両国国技館で目撃された。X(旧Twitter)では、一部のファンが撮影した「国技館に入る親方と同部屋の伯乃富士(はくのふじ=22)と錦富士(29)」の写真が拡散され、「一体何があったのか」と騒然となっていた。
その違和感の正体が、一部報道によってついに明らかになった。なんと伊勢ヶ濱親方が、伯乃富士に暴力をふるい、事情を知ると思われる錦富士とともに、日本相撲協会から事情聴取を受けていたというのだ。
熱海富士の会見も「師匠不在」の異常事態
この日、伊勢ヶ濱部屋では静岡県出身力士として実に96年ぶりとなる新小結に昇進した熱海富士の記者会見が行われていた。当初、メディア関係者の間では「親方も同席する」と伝えられていたが、いざ会見が始まるとそこに親方の姿はなかった。
「新三役という力士にとって一生に一度の晴れ舞台に、師匠が顔を出さないのは異例でした。現場の記者たちの間でも『どうやら親方は大阪にいないらしい』と噂になっていて、会見前日、協会広報から“師匠同席予定でしたが、本人のみとなりました”と連絡が入りました。今思えば、親方は東京で厳しい追及を受けていたということ。熱海富士の祝いに水を刺す形となってしまったようです」(相撲ライター)
被害を受けた伯乃富士は、旧宮城野部屋の力士だ。元横綱・白鵬氏の愛弟子であり、入門時に白鵬氏が「伯桜鵬(はくおうほう)」という四股名をつけた。師匠の四股名の「白」と出身地である鳥取県の「伯耆」、同郷の先代佐渡ケ嶽親方の四股名である琴櫻の「桜」、そして白鵬の「鵬」をつけた「伯桜鵬」は、故郷と師匠の名を取った絶妙な四股名として幕内力士にまで登り詰めた。
伯乃富士は改名に反対していた?
「宮城野部屋で起きた不祥事で所属力士は全員、伊勢ヶ濱部屋に移籍しました。照ノ富士が部屋の師匠になるタイミングで白鵬が相撲協会を去り、さらに今年の初場所、師匠となった照ノ富士の意向で旧宮城野部屋力士の“改名”が一斉に行われました。幕内・伯桜鵬も伯乃富士に改名し、“白鵬色”が払拭されたと話題になったばかりです」(同前)
それだけではない。改名騒動から約1か月後、元関脇の貴闘力氏がコラムで関係者から「聞こえてきた話」として、驚きの発言をしている。
貴闘力によれば、元照ノ富士の伊勢ヶ濱親方が白鵬の弟子全員に「〜富士」への改名を言い渡した際、(元)伯桜鵬は「それはできません」とハッキリ拒否したという。すると「1年休場」、さらに渋ると「じゃあ、クビだ」と告げられ、泣く泣く「伯乃富士」に改名したというのだ。
「以前から白鵬と照ノ富士の間で不仲説がたびたび流れていました。貴闘力の話が本当ならば、今回の暴行騒動は無関係ではないのでは、と噂になっています。ただ現時点で伊勢ヶ濱親方は自ら協会に暴行の報告をし、部屋の力士を集めて“責任は自分にある”と反省をしているようです」(前出)
とはいえ、暴行行為が多い印象の近年の相撲界。元横綱・日馬富士に貴ノ岩に貴ノ富士、宮城野部屋消滅の原因となった北青鵬らは引退を余儀なくされている。
部屋には師匠を含め5人の親方が在籍し、勢いのある熱海富士を筆頭に5人もの関取を抱える伊勢ヶ濱部屋。一大勢力の大黒柱である師匠の不祥事、春場所を直前にさらなる不安が広がっている。
