松重豊

 あのグルメドラマがついに帰ってくる――。2月26日、俳優・松重豊が主演を務める『孤独のグルメ』の新シリーズ『孤独のグルメ Season11』の放送決定が発表された。

主演が最大のアンチ

「2022年10月の『Season10』以来、約3年半ぶりの新作です。テレビ東京系ほかで4月3日深夜にスタートします」(テレビ誌ライター、以下同)

 原作は久住昌之、作画は谷口ジロー。輸入雑貨商・井之頭五郎(松重)が、仕事の合間にふらりと店へ立ち寄り、一人で食事を楽しむ姿を描く人気シリーズだ。

「2012年の第1作から、料理の丁寧なカットや五郎の豪快な食べっぷり、思わず漏れる“心の声”が話題になりました。“飯テロドラマ”という呼び名もすっかり定着しています」

 劇中で実際に紹介された名店を訪れるマニアもいるほど、日本の食文化に影響をもたらした作品だが、今回の朗報に、五郎を演じる松重は至って“後ろ向き”だ。

「松重さんは新シーズンについて、『退場するタイミングとしては最適な局面ではありますが、諸事情により続投します』とコメントしています」

 この発言にSNSでは、《主演が最大のアンチなの、ほんと好き》《続投を悲しそうに言うの草》《松重さん最高すぎる…》と称賛の声が相次いでいる。

「松重さんのアンチコメントは今に始まったものではありません」というのは、さる芸能プロ関係者。

「過去には、『もうそろそろ飽きたころだと思います』(Season3/2013)、『このシリーズは、視聴者の方が飽きたら終わりですので、よろしくお願いします』(Season5/2015)と自虐連発。2017年のSeason6開始前には、『“オワコン”という言葉を知りまして、この番組にピッタリ』『おっさんがただ飯食ってるだけ』など、いかにもネットの掲示板に書かれていそうな“真実”を、自らぶちまけていました」

 ほかにも、「こんな仕事で寿命縮めたくねぇなと、最近強く思うようになりました」「自分の俳優人生に傷がつくと思った」「演者が飽き飽きしているのに、まだこの番組を見たがる視聴者がいることが不思議」など、とことん“黒歴史”にしてきた松重。それでもシリーズはロングヒットし、今やテレ東を代表する看板ドラマへと成長した。

「普通は“当たり役”を掘り当てたらほくそ笑むものですが、松重さんは、どこまでも突き放している。この距離感が視聴者の心をつかんできた要因でもあるのでしょう」

 松重のこの“態度”の裏には、何があるのだろうか。

「彼はあるとき、同作について『これは僕が主役でもなんでもなくて、出てくる料理が主役で、それがおいしくなければ成立しないドラマだと思っています』と語り、『スタッフが血まなこになって探してくれているので、極限状態までおなかをすかして撮影には臨んでいます』と感謝しています」

 痛快なコメントの裏側には、料理とスタッフへの深い敬意があるのだ――。