マクドナルド(写真はイメージです) 撮影/編集部

 2月25日、SNS上に投稿された1枚の写真が瞬く間に拡散され、大きな波紋を広げている。福岡市内にあるマクドナルドの店舗入り口に掲示された、「中学生による店内での迷惑行為」を理由とした出入り禁止の貼り紙である。

3年前は学校名を貼り紙から即削除

 貼り紙の内容は極めて異例だ。特定の市立中学校2校の実名を赤字で記載した上で、《生徒のみでの出入りを禁止させて頂きます》《駐車場に集まるのも危険ですのでおやめ下さい》と強く求めている。

「この店舗から徒歩圏内にある中学校が名指しされています。同店は2024年8月に改装オープンしましたが、貼り紙によると、それ以来、長期にわたって注意を重ねても改善されない状況が続いていたようです。この投稿は、わずか1日で900万回近く表示されており、ネット上では非常に大きな反響を呼んでいます」(全国紙社会部記者、以下同)

 SNS上では、店側の毅然とした対応を支持する声が圧倒的に多い。

《実名を出すまでには相当な迷惑行為が積み重なったんだろうな。店を守るための当然の処置》
《言葉でわからない相手には、こうしたペナルティが必要》

 といった、マクドナルド側の決断を評価する一方で、ある懸念も囁かれている。

《学校の実名を貼り紙に出してしまって大丈夫なのかな?》

 実はマクドナルドにおいて、こうした「学校名の名指し」が問題になったのは、今回が初めてではない。3年前にも同様のケースが発生し、その際は“反省”を促される形になっているのだ。

 2023年7月、神奈川県相模原市内のマクドナルド店舗で、特定の中学校を名指しした「出入り禁止」の貼り紙が掲出され、大きな話題となった。当時の貼り紙には「他のお客様へのご迷惑」「店舗スタッフの身に危険を感じることがございます」といった、さらに切迫した文言が含まれていた。

 しかし、このときはSNSでこの貼り紙が拡散されてからわずか2日後、マクドナルド側は貼り紙の書き換えを余儀なくされた。文面から中学校名が削除されたのである。

止むを得ず」という5文字に…

 当時、日本マクドナルドの広報部はニュースメディアの取材に対し、「本社としては事前に内容を把握していなかったため、言い回しなど店舗と再検討し、改めて掲載しております」と回答。店舗独自の判断による「実名掲出」は、本社サイドによって不適切と判断された形だった。

 では、今回の福岡のケースでも、再び実名削除となるのだろうか。

「前回の相模原の事例では全生徒を一律に出禁としていましたが、今回の貼り紙をよく読むと、『生徒のみでの出入り』を禁じています。つまり、保護者が同伴していれば入店は可能であり、週末の家族連れや、部活動の保護者との利用などは制限していません。前回の反省を踏まえ、トラブルの温床になりやすい生徒同士のみの利用に絞った対応となっています」

 日本マクドナルド広報部に、今回の名指しを含む対応が適切であるか確認したところ、次のような回答が寄せられた。

「当該店舗においては、かねてより学校様とも協議を重ね、止むを得ずこのような対応を取らせていただいております」

 前出の社会部記者はこう解説する。

「前回の『本社は把握していなかった』という釈明とは異なり、今回はこの対応を“止むを得ず”取ったと言っていますので、事前に本社とも相談の上で、名指しが不可避と判断したことが伺えます。学校側と話し合いを経た上での苦渋の決断だったということでしょう」

SNSで拡散されている、福岡市内のマクドナルドの貼り紙(※編集部で画像を一部加工しています)

 学校側の認識はどうなっているのか。本誌が名指しされた中学校にコメントを求めたところ、福岡市教育委員会から現状を把握しているとした上で、以下の回答があった。

「一方の学校は、マクドナルド側から『生徒が店内で騒ぐ行為をしている』との報告があったと聞いている。もう一方の学校は、マクドナルド側から具体的な報告はあっておらず、学校が確認したが、現時点では回答をいただいていない」

 名指しされた2校の間でも、店側とのやり取りの状況には差があるようだ。クレームがあった学校は全校生徒への注意喚起を行ってきたというが、店側が実名をさらすという強硬手段に出た以上、これまでの指導では不十分だったと言わざるを得ないだろう。

 迷惑行為を行っているのは2校のごく一部の生徒だと思われる。態度を改めて、早く“出禁”が解かれるといいのだが――。