高比良くるま(左)とMEGUMI

 2026年2月17日、『週刊文春』がタレントのMEGUMIとお笑い芸人・高比良くるまの熱愛をスクープ。意外な組み合わせのようにも思えるが、ライターの仁科友里さんは「この熱愛はどう転んでもおいしい」と言う。どういうことなのか――。

活動自粛をしていた高比良くるま

 2人の交際のきっかけはMEGUMIさんが企画プロデュースした番組のPR動画にくるまさんが出演したことがきっかけとなったそうです。“自然な出会い”を経ての交際ということでしょう。芸能人のみなさんにもプライベートはありますから外野がどうのこうの言う権利はないのですが、この交際は「芸能人として」の2人にいい影響しかないと言えるのではないでしょうか。

 まず、MEGUMIさんと交際することは、くるまさんにとっては最高のイメージアップと言えると思われます。くるまさんと言えば、2年連続『M-1グランプリ』優勝という前人未踏の記録を打ち立てますが、その一方でオンラインカジノを利用したことで、一時活動を自粛しました。また、一部報道によると、お子さんのいる既婚女性と不倫をし、夫から慰謝料請求の民事裁判を起こされたことも報じられています。

 おそらく、くるまさんは何かに夢中になると周りが見えなくなってしまうタイプなのでしょう。ひと昔前なら、仕事で結果さえ出していれば「天才っていうのは、フツウのことができないもんだ」と好意的に受け取ってもらえたかもしれませんが、現代はコンプライアンス遵守社会。あまり好意的に解釈されることはないでしょう。しかし、女性人気の高いMEGUMIさんと交際することで「MEGUMIさんの交際相手なら、悪い人ではないはずだ」というふうに、イメージアップにつながる可能性があります。

 MEGUMIさんにとっても、この恋愛はプラスと言えるでしょう。今やタレント業だけでなく、美容家、実業家、映像プロデューサーとして多岐にわたり活躍するMEGUMIさん。バルセロナと東京の二拠点生活も話題となりました。なかでも美容系インフルエンサーとしての活躍は突出しています。美容系インフルエンサーは芸能人だからとか、美容に詳しいからといってなれるほど甘いものではありません。人気のあるインフルエンサーほど、自分の専門性とターゲット層を明確にし、そこに自分の個性もしくはオリジナリティをのせて差別化をはかっているという印象を受けます。

 それでは、MEGUMIさんの美容系インフルエンサーとしての強みは何か。それはテレビ、ネットとバランスよく出演していることで知名度があることと(多くの美容系インフルエンサーはネットだけです)、バラエティ番組で培ったトーク力があること、そして、人生経験が豊富ゆえに幅広いターゲットの要望に応えられることだと思います。

 MEGUMIさんの仕事での活躍は上述したとおりですが、私生活では、昭和の名優・古谷一行さんの息子でロックバンドDragon Ashのボーカル・降谷建志さんと結婚し、出産しています。しかし、2023年に「週刊文春」に降谷さんの不倫が報じられ、離婚しています。こうやって見ていくと、MEGUMIさんは仕事(キャリアの構築や、異業種への転身)、育児、結婚や離婚の決断、サレ妻経験など、美容以外にも語れる内容が他のインフルエンサーと比べて格段に多いことに気づかされるのです。

恋愛しなくても死なない」

 もうひとつ、私が面白いなと思っているのは、MEGUMIさんが美容とは一見関係ない自尊心を大事にしているように感じられることなのです。自尊心とは、一般的には「自分をかけがえのない存在と思うこと」ととらえられていますが、ここでは「自分の評価を人にゆだねないこと」「相手の価値を自分の価値と一緒にしないこと」と定義したいと思います。

MEGUMI(2019年11月撮影)

 MEGUMIさんは美容雑誌『MAQUIA』(講談社)の公式YouTubeチャンネルで、「それ、美容で解決できるから!」というコーナーを持っています。読者のお悩みを、MEGUMIさんの人生経験と美容の知識で解決していくという斬新な企画です。

 ある回のテーマは「素敵な人と出会いたい」でした。このお悩みは昔からよく聞くものではあり、たいていの人は飲み会などに積極的に出かけて出会いを増やせとか、男性に対するガードを緩くせよなどと言うものですが、MEGUMIさんは違う。

「美容は女性にパワーを与える」と美容が自分のためのものであるとし、「大前提として、恋愛しなくても死なない」と焦る必要がないことを指摘した後で「自分がキレイになるため、もしくは楽しくなるためにはどうしたらいいかを第一優先にしていれば、自然と出会いの場が広がっていくはず」と言うのです。「素敵な人と出会う」ことを目的にするのではなく、結果として「素敵な人に出会える」よう、自分ファースト主義で行こうという意味だと私は理解しました。

 この動画は今から2年前に配信されたものですが、MEGUMIさんは自分がプロデュースした企画でくるまさんと知り合ったわけですから、まさに「楽しくしていたら、彼氏ができた」わけで、有言実行と言えるでしょう。

“得意科目”がさらに加わったMEGUMI

 自尊心だの自分ファーストなんてどうでもいい、素敵な人に出会えれば何でもいいのだと思う人も多いと思いますが、それでは「自分の評価を人にゆだねない」という意味の自尊心を持たないまま美容にいそしみ、その結果、素敵な人に出会ったらどんなことが起きるのか考えてみましょう。

「そのままの自分で、価値がある」と思えない自尊心の低い人は、常に人からの評価や称賛を必要としています。みなさんの周りにも、他人や自分の年収、持ち物の値段、ブランド物をどれくらい持っているのか、体重、フォロワーの数に強いこだわりがあり、人とくらべて勝った負けたと言っている人がいると思いますが、自尊心が低い人は、“数字”が、自分の価値を保証してくれると思い込んでいるのです。

 そういう人にとっては、素敵な恋人も自分の価値を高めてくれるアイテムです。恋人がいることで生活にハリが出るとか、前向きに頑張れるというのならいいのですが、自尊心が低い人の場合、「素敵な恋人を失ったら自分の価値が下がってしまう」と思い込んでしまうため、モラハラや浮気をされても“いい子”を演じて、不健康な関係を続けてしまうことがあります。そうなると、素敵な人と出会えたはずなのに、ちっとも幸せではない、自尊心がますます下がって、自分には価値がないと思い込んでしまうという悪循環にはまってしまう可能性があります。

 MEGUMIさんもくるまさんも大人ですから、今すぐ結婚という形にこだわる必要はないでしょうし、今後もくるまさんがヤバい出来事を起こす可能性がまったくないとは言えません。もし、そういうことがあったとしても、MEGUMIさんのように健全な自尊心を持つ人は、「相手の価値と自分の価値をイコールにしない」わけですから、何があっても、自分のことも他人のことも過剰に責めません。MEGUMIさんなら、持ち前のトーク力でさらりと笑いに変えることができるのではないでしょうか。

『令和ロマン』高比良くるま、松井ケムリとの3ショットをSNSに投稿した小泉今日子

 一言でいうのなら、うまくいってもいかなくても、この交際はおいしいのです。タイミングのいいことに、今、芸能界全体をみまわしても、独身の恋愛について語る人がいません。MEGUMIさんの得意科目に「オトナの恋の始め方」が加わった、そんな印象を受けた今回の熱愛報道なのでした。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に応えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」