《皆さん、一人一人にとって穏やかな春となるよう願っております》
2月23日、天皇陛下は66歳の誕生日を迎えられ、皇居内で行われた一般参賀で、お言葉を述べられた。
愛子さまは雅子さまから譲り受けたドレスで登場
「当日は快晴で、東京は気温も20度を超えるなど、2月とは思えない陽気に恵まれました。陛下の誕生日を直接祝おうと多くの人が詰めかけ、参賀者は約2万7000人と過去最多の人数を記録しました」(皇室担当記者)
初めて参加した50代の女性は、大阪から夜行バスで駆けつけたという。
「以前から一般参賀に来てみたいと思っていました。昨日、予報で天気がよいと知り、急きょ夜行バスのチケットを取ったのです」
早朝、東京に着き、そのまま午前7時から甥と一緒に参賀の列に並んだという。
「実際に皇族方のお姿を拝見できて感動しました。愛子さまも大変おきれいで、参加できて本当によかったです」
当日の愛子さまはイエローのドレスを着用され、にこやかに手を振られていた。
「昨年の『歌会始の儀』でもお召しになった、雅子さまから譲り受けられたドレスです。ヘッドドレスも同色のものをつけられていました。雅子さまご自身もよく似た色みのドレスをお召しになっており、母娘でそろえられた明るい雰囲気が印象的でした」(前出・皇室担当記者、以下同)
陛下が「リンクコーデですよね」とおっしゃった
令和以降、同系色のカラーや柄を取り入れた“リンクコーデ”でお出ましになることが多い天皇ご一家。今年に入ってからも、その仲睦まじい様子が随所に見られた。
「2月17日の『国風盆栽展』では、陛下と雅子さまがえんじ色でそろえられ、愛子さまは同系色のピンクで若々しさを演出されていました。また、陛下のお誕生日に際して宮内庁から公開された写真でも、ご一家で水色を取り入れた装いが披露されています。こうしたこまやかな演出は毎回SNSなどでも話題になり、人々の注目を集めているのです」
そんな“リンクコーデ”について、陛下自らが言及されたことがあるという。
「昨年の冬、陛下に『お洋服が似ていますね』と話しかけた方がいました。本来、“リンクコーデ”という言葉はメディアが好んで使う表現ということもあり、その方はそれを避けた聞き方をされたようでした」(宮内庁関係者、以下同)
すると、陛下の口から予想外の回答があった。
「自ら『リンクコーデですよね』とおっしゃったのです。その場にいた人は、陛下がファッション用語を使われたことに驚きました。陛下は気にとめる様子もなく、『雅子と愛子と相談しています』と笑顔で続けられたのです」
仲のよいご一家にとっては、ごく自然なコミュニケーションなのだろう。スタイリストの霜鳥まき子さんはこう解説する。
「リンクコーデは団結、同調、親密さ、そして互いへの尊敬など、“気持ちを寄せている”という共感を表現する際に用いられます」
これまでの天皇誕生日の一般参賀では、ご一家は装いにシルバーを取り入れられることが多かった。
「'23年に行われた天皇誕生日の一般参賀は、コロナ禍明けというタイミングでした。当時はまだマスクを着用されていたため、表情からお気持ちを酌み取ることが難しい状況でした。そこで“同じ気持ちである”ことを伝えるために、お三方でシルバーを身に着け、視覚的にリンクされたのでは」(霜鳥さん)
シルバーというカラーの選択にも、ご一家らしい配慮が込められているという。
「慶事ではシルバーのネクタイをされる陛下に合わせ、雅子さまと愛子さまがお召し物にシルバーを取り入れられたのでしょう。この演出は'25年まで毎年行われてきました」(霜鳥さん)
陛下のメッセージに雅子さまと愛子さまが衣装で呼応された
一方で、今年のお召し物は雅子さまと愛子さまのお二人がイエローでリンク。この輪に陛下が新しい形で同調されているそうだ。
「一般参賀のお言葉の中で、陛下は春の訪れについて触れられました。その内容と、お二人の衣装がリンクしているように感じます。これまではシルバーに合う寒色系のドレスをお召しになることが多かったのですが、今年は春を感じさせ、参賀者が前向きな気持ちになるようなイエローという華やかな色を選ばれたのだと思います」(霜鳥さん)
新しい形のリンクに挑戦されたご一家だが、根底にある思いは変わらない。
「“国民と同じ気持ちですよ”というメッセージを、新しい見せ方で表現されたのでしょう。冒頭の“穏やかな春となるよう”という陛下のメッセージに、お二人が衣装で呼応されていることが見て取れます」(前出・皇室担当記者)
いまやご一家の象徴ともいえる“リンクコーデ”。霜鳥さんによると、“くどさ”を感じさせない工夫がされているという。
「リンクコーデは色に限りません。例えば光沢がある素材感という点を、今年もご一家でそろえられています。また、雅子さまと愛子さまは同系色でも、あえてトーンを若干ずらしています。個性を生かしながら、可能な範囲で同じものを取り入れられている。だからこそ、拝見する側も無理やり感を覚えることなく、微笑ましい気持ちになるのでしょう」
ご一家での公務が増える中、2月25日、陛下が東日本大震災の被災地を訪問される際、愛子さまも同行されることが公表された。
「陛下はお誕生日の会見では、愛子さまの“皇族としてあるべき姿”について多く言及されていました。昨年の戦後80年の慰霊の旅と同様、被災地への訪問でも、ご一家が団結して国民に寄り添う姿が見られるはずです」(前出・皇室担当記者)
ご一家が体現される“リンクコーデ”という絆の形が、被災地を力強く照らす光となるに違いない。
霜鳥まき子 スタイリスト・名刺服プロデューサー。JAL国際線CAを経てスタイリストに。個人法人のブランディングや制服デザインなどを手がける。著書に『似合う服だけ着ていたい』(文藝春秋)など
