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 同窓会は過去を懐かしむだけでなく、友人たちの今を知り、交流を楽しめる貴重な機会。しかし、昔の憧れの人が変わりすぎてがっかりした、そんな経験ありませんか? 年齢を重ねても魅力的な人とそうでない人の差を医師と心理学のプロが解説。

眉間の力を抜いて笑顔を意識

 ゴールデンウイーク、お盆といった帰省シーズンに開かれることが多い同窓会。年を重ねると「今年こそ顔を出そうか」と思いながらも、案内状を前にしてためらう……そんな経験はないだろうか。

 行きたい気持ちはある。懐かしい顔にも会いたい。しかし同時に、どこか「今の自分を見られるのが怖い」という感情も……。同窓会は楽しい集まりであると同時に、現実を突きつけられる場にもなるからだ。

 同窓会で「あの人、変わらないね」「むしろ今のほうが素敵」と輝いている印象を与える人がいる一方で精彩を欠いた「くすんでいる」というイメージを与える人も。その差はどこにあるのか?

シワやシミ、白髪、体形のゆるみ─そうした加齢による外見的な変化は仕方ないものですが、人の印象は、それだけでは決まりません。表情、姿勢、身だしなみ、言動を含めてのもの、というのがまず大前提

 そう話すのは美容外科医で心療内科医の古賀愛子先生。

そのうえで、何が“ハツラツとした若々しい雰囲気”を与えるかといえば、肌のハリや髪のツヤ。肌が乾燥してくすんでいる、髪がパサパサしていると、それだけで、無頓着で疲れた印象や生活感が強く出てしまいます

 肌老化は遺伝の影響も大きいが、紫外線対策や保湿を怠っていたり、長年にわたる喫煙や睡眠不足といった生活習慣の蓄積が、アラフォーを過ぎると一気に表面化し、見た目印象を決定づけるという。

同窓会前に使ったことのない高級コスメでケアしたり、慌ててイメージアップを図るより、まずはスキンケアの基本に戻ることが大切です。化粧水とクリームでしっかり保湿する。髪はトリートメントでツヤを出す。これで印象は確実に変わります」(古賀先生、以下同)

 2週間ほど集中的にケアするだけで、肌の明るさや柔らかさは変わってくるという。

表情にも注意。眉間の力を抜いて笑顔を意識すると、ポジティブな印象に。それだけでも魅力的な人に映りますよ

 姿勢も大きなポイント。猫背で肩が内側に入り、目線が下がっていると、自信のなさがにじみ出る。反対に、背すじを伸ばすだけで、表情が明るく見える。よい姿勢は、もっとも手軽で効果の高い“若返り法”といえそうだ。

距離感の取り方を間違えると、浮いてしまう

 服装についても、無理して「若く見せる」必要はない。ただ、顔に似合わない色や、体形に合わない服を選んだりすると、かえって違和感が生まれてしまう。

古賀愛子先生

シックなモノトーンは洗練されて見えますが、肌がくすみがちなミドル世代の場合、全体に暗い印象を与えてしまいます。トップスにはクリアな色を選び、ネックレスやイヤリングで顔まわりに華やかさをプラスすると、肌のくすみがカバーされます

 見た目同様に印象を左右するのが、その人の振る舞い。作家で心理カウンセラーの五百田達成さんは、同窓会を「非常に微妙な人間関係の場」と表現する。

同窓会は、初対面でもなければ、今も親しい関係でもない。距離感の取り方を間違えると、浮いてしまいます

 結局のところ、“今の自分を肯定できている人”がいちばん魅力的に映るのでは、と五百田さんは言う。相手の目を見てうなずき、よく笑う。会話の中で自分の武勇伝を長々と語るのではなく、「あなたはどう?」と自然に問いかける余裕がある。

人は、自分に関心を向けてくれる相手に好感を持ちます。自慢話よりも“聞き上手”のほうが、ずっと印象はいい」(五百田さん、以下同)

 一方で、どこか痛々しく映ってしまうのは、過去の栄光に固執したり、他人と比べてばかりいる人だという。

 例えば、「今は大手企業で部長になった」、「息子が有名大学に合格した」などのステータス自慢は、場の空気を冷やす。

 また、年収や職業、家庭環境をさりげなく探るような発言も、大多数が不快に感じてしまう。無意識の“マウンティング”は、本人が思う以上に周囲に伝わるものだ。

自慢話をする人ほど、実は不安が強いケースが多い。過去と現在を比べられる場だからこそ、自分を大きく見せたくなるのです。そして周囲に“なんだか居心地が悪い人”という印象を与え、コミュニケーションで大きく損をしてしまいます

 では、どんな会話を心がければいいのか。五百田さんがすすめるのは、「共通の思い出+今の小さな幸せ」という組み合わせ。

同窓会は自分の人生を見直すチャンス

 当時の先生や学校行事などの学生時代のエピソードで場を温めたあと、「最近はこんなことにハマっていて」「健康のために散歩を始めた」など、等身大の近況を添える。仕事などの成果より“自分なりに前向きに暮らしている”様子が伝わることが大切だ。

五百田達成さん

 さらに、「否定しない」ことも重要。相手の思い出話が記憶違いだったとしても、「でも」と反論したり、「それは違うよ」と正しさを示そうとしたりする前に、まずは「そうなんだ」「面白いね」と受け止める。同窓会は再会を喜び合う場であり、心地よさを優先する姿勢が大切だ。

「久しぶりの再会だからと、学生時代のノリのまま話すのもNG。『太った?』『変わらないね』といった外見に関する言葉は軽いコミュニケーションのつもりでも、相手を傷つけることがあります。

 ほめ言葉のつもりでも同様で、例えば『若いね』『痩せた?』という言葉も、相手によっては素直に受け取れないこともあります。同い年なのだから、変化しているのはお互いさま。優劣の会話につながりかねない見た目の話題は、避けたほうが無難です

 大切なのは詮索ではなく共感。「懐かしいね」「元気そうでうれしい」といったひと言が場の空気をやわらげる。今の母校の話題をリサーチしていったり、当時の写真を持参したりするのも盛り上がるきっかけになるだろう。

同窓会は、単に昔を懐かしむ場ではなく、自分の人生を見直すチャンス。久しぶりに旧友と再会すると、過去の自分と現在の自分が自然につながり、これまでの歩みを客観的に振り返りやすくなります。旧友との再交流が、その後の充実感や人間関係の広がりにつながる可能性もある。せっかくの機会だからこそ、好印象を残す側になって、この好機を生かしたいものです

同窓会で好印象を与えるポイント

●明るいカラーの服を選んで顔映りよく
●久しぶりに会う人には丁寧語がベスト
●ポジティブな話題を心がける
●一方的に自分の話をしない
●“見た目”の話は避ける
●尽力した幹事にはお礼を伝える

同窓会が不倫に発展しやすいワケ

 久しぶりの再会は、懐かしさだけでなく、恋愛感情を再燃させる危険な一面が。同窓会がきっかけの「同窓会不倫」も少なくない。

同窓会は若いころのキラキラしていた自分に戻れる瞬間です。地元に帰省したり、既婚者は家族と離れ、家庭や仕事のストレスから一時的に逃れ、高揚してしまう人もいます」(五百田さん、以下同)

 さらに相手の素性を知っているので信頼関係が築きやすく、懐かしさからくる幸福感と、お酒の勢いで一気に親密になりやすいそう。

そうした『魔法』の上にある感情は、盛り上がるのも早い。同窓会を楽しむのはいいですが、昔を美化しすぎる『過去厨』にだけはならないで。その時だけ楽しむと割り切ればいいですが、結果として人生を棒に振ることになりかねません

五百田達成著『会話IQ 本当に頭がいい人の話し方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

古賀愛子先生 美容外科医。心療内科医。「Hana beauty clinic」(東京・新宿)院長。熊本大学医学部卒業。心と身体、両方にアプローチする医療を提供する。

五百田達成さん 作家、心理カウンセラー。親子や夫婦、職場など多様な人間関係を円滑にする方法を発信。近著に『会話IQ 本当に頭がいい人の話し方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。