国際基督教大学1年生のとき、「全国高校生手話パフォーマンス甲子園」に出席した佳子さま。手話を使って初めてお言葉を述べた(2015年9月22日)

「野生の生き物や、それらが暮らす多様な自然環境は、私たち人類にとってもかけがえのないものであり、積極的に守っていく必要があります。世界各国では、生物多様性の保全・再生のため、さまざまな取り組みが行われていると聞いております。

 例えば、ドイツでは、近年の昆虫の激減を危惧し、2019年に連邦政府が『昆虫保護行動計画』を策定しました。また英国では、2021年に成立した法律で、イングランドのほぼすべての開発事業において、開発前よりも生物多様性を増加させることが義務づけられています。

(略)さまざまな国の教育・保育の現場が取り組んでいる学校や園庭のビオトープは、自然との触れ合いにとどまらず、自然との共存について考える大切な機会を提供してくれる場であると思います」

佳子さまの弟・悠仁さまが『園庭ビオトープコンクール2025』発表大会に出席

陸上の世界選手権を2人そろって観戦(2025年9月16日)

 秋篠宮家の次女、佳子さまの弟で筑波大学1年生の悠仁さまは2月8日、秋篠宮さまと一緒に東京・上野の東京国立博物館 平成館で開かれた「全国学校・園庭ビオトープコンクール2025」発表大会に出席した。

 このコンクールは、多様な生き物が共存する生物生息空間である「ビオトープ」づくりに取り組む学校などを表彰するもので、秋篠宮さまは冒頭のように挨拶し、ビオトープの重要性などを訴えた。

 この日は文部科学大臣賞などを受賞した学校などが活動内容を発表し、その後、秋篠宮さまと悠仁さまは受賞校などの児童や生徒、先生たちと懇談した。

 地域の耕作放棄地を活用したビオトープで、水質や生物の調査、外来植物の除去などに2001年から取り組んでいる小学校の代表者に対し、悠仁さまが「続けてこられて、その間に起こった変化はありますか」と尋ねるなど、強い関心を示していたという。

「学術研究は、研究者の知的好奇心と自由な発想が出発点となり、地道に研究を継続することによって新たな知見が獲得され、真理の発見、経済の持続的発展、生活の利便、心の豊かさなど、多様な成果を生み出すものと考えます。現在、人類社会は、気候変動やそれに伴う自然災害、さまざまな疾病や食料、資源、エネルギーなど、多くの困難な課題を抱えております。

 このような現代社会において、多岐にわたる課題を解決していくためには、多様な学術領域からの知的貢献が必要不可欠であることは言を俟ちません」

 秋篠宮ご夫妻は2月3日、東京都台東区の日本学士院会館を訪れ、優れた成果を上げ、これからの活躍が期待される若手研究者を顕彰する「日本学術振興会賞」「日本学士院学術奨励賞」の授賞式に出席した。

 昨年、日本人2人がノーベル賞を受賞したことに触れながら、秋篠宮さまはこのように若手研究者たちを激励した。

 報道によると、日本学術振興会賞は岡山大学の冨樫庸介教授らが受賞した。受賞者を代表して冨樫教授は、「変化が激しい時代だからこそ、広い視野をもって新しい挑戦を続ける重要性を実感している」などと挨拶したという。

悠仁さまの近況や成長ぶり

小さいころから面倒を見てきた弟・悠仁さまと赤坂御用地を散策(2017年8月14日)

 佳子さまが国際基督教大学(ICU)1年生だった'15年11月、秋篠宮さまの誕生日会見で当時、お茶の水女子大学附属小学校の3年生だった悠仁さまの近況や成長ぶりについて尋ねられたご夫妻は次のように答えている。

「長男のことですけれども、昆虫好きは相変わらず続いています。ただ少し昨年までと違うのかなと思うのは、虫そのものもそうなのですが、それが生息している環境に興味を持つようになってきています。

 例えば、どういう環境のところで、自分の関心がある種類が生息しているのかとか、そういう環境を自宅の庭で再現できないかとかですね、これはビオトープ的なことだと思うのですが、そういうことを考えるようになったりしています。長男は自分の水槽を持っていまして、これは虫ではありませんけれども、そこに川とか池で捕った魚を入れているのですが、それが棲んでいる雰囲気、水の中の様子を再現しようといろいろと試みているようです。そういうところは少し去年から変化してきたかなと思います」(秋篠宮さま)

「長男は以前からの興味がさらに広がり、また新たな興味も加わってきました。田んぼの生き物などにも興味を持つようになり、そのほかでは、今まで興味を持っていました昆虫の採集や飼育をするだけではなく、今、宮さまが話されましたように、生き物が暮らす環境にも関心を向けています。

 例えば、トンボやホタルなどが棲みやすい場所、好む環境をつくりたいと、自分の家の庭や御用地内を歩いて植生などを確かめ、また小川のところでは、水の流れを止めないように枯れ葉や小さな枝を取り除いています」(紀子さま)

 前述したように、悠仁さまは2月、ビオトープコンクールの発表会に出席したが、実は小学校3年生のころから、ビオトープづくりに関心を持ってきたことがよくわかる。

 そんな弟が小さいころから一緒に外で遊んだり、本を読んで聞かせたりして佳子さまはずっと面倒を見てきた。また、悠仁さまが中学生や高校生になってからも、熱心に勉学に励む弟を応援し、無事に筑波大学生命環境学群生物学類に入学したことを、佳子さまはとても喜んでいる。

 その佳子さまについて紀子さまは、このときの会見で次のように紹介している。

「次女は昨年の12月の誕生日に成年を迎え、いくつかの公的活動に携わる一方で、今年の4月から大学生としての新たな生活が始まりました。学業に励みつつ、公的な活動では、初めて式典で挨拶し、また1人で地方の行事に出席し、手話で挨拶するなど、慣れないことや緊張することもあったと思いますが、頂いた務めを大事に果たそうとする健気さが伝わってきました」

 たとえ困難な仕事でも、いつも笑顔を絶やさず健気に公的な活動に取り組む佳子さまを、応援したい。

<文/江森敬治>

えもり・けいじ 1956年生まれ。1980年、毎日新聞社に入社。社会部宮内庁担当記者、編集委員などを経て退社後、現在はジャーナリスト。著書に2025年4月刊行の『悠仁さま』(講談社)や『秋篠宮』(小学館)など