小学館(公式サイトより)

 2月27日、小学館の漫画配信アプリ『マンガワン』が、同アプリで連載していた漫画『常人仮面』の配信および単行本の出荷を停止を発表。停止理由が明らかになり、『マンガワン』や小学館に批判が殺到している。

会社規模の批判に発展

『常人仮面』の原作者である一路一氏が、アプリで配信されていた漫画『堕天作戦』の山本章一氏と同一人物であることが判明しました。この『堕天作戦』は2015年から連載がスタートしましたが、2020年2月ごろから休載が続き、2022年には連載が終了しています。

 マンガワンが2月27日に公表した声明によると、休載が続いた2020年に山本さんは逮捕・略式起訴され、罰金刑を受けていたといいます。編集部は《本来であれば原作者として起用するべきではありませんでした》と綴っています」(マンガ誌編集者、以下同)

 山本氏はなんの事件で逮捕されたのだろうか。

山本さんは漫画家の顔を持ちながら、北海道の高校でデッサン講師を務めていたのです。この高校の教え子に対し、性的虐待を行っていたといいます。『文春オンライン』によると、被害を受けた生徒は、15歳から3年間にわたり性的虐待を受け、重度の心的外傷後ストレス障害(PTSD)と解離性同一性障害を発症するなど、凄惨な事件になっています。

 未成年かつ、講師と教え子という優位な立場を利用した性的搾取という残虐な行為に批判が寄せられています」

 そんな中、3月2日にマンガワンの公式Xで《【『星霜の心理士』原作者起用に関するご説明】》と題した文面が公開された。

 この文面では、かつて集英社の『週刊少年ジャンプ』で『アクタージュ act-age』を連載していたマツキタツヤ氏が、八ツ波樹の名義でマンガワンで『星霜の心理士』の原作を担当している件について説明。

「八ツ波樹さんは、2020年に強制わいせつ容疑で逮捕・起訴され、有罪判決を受けていたといいます。編集部はその事実を把握した上で、『星霜の心理士』の原作者として起用。

 八ツ波さんの事件に対する反省の姿勢や再発防止への取り組み等を踏まえ、起用に至ったとし、ペンネーム変更については、被害に遭われた方々のためだったとしています。なお、現在は作品の更新を一時停止し、起用判断の妥当性について第三者機関の判断を仰いでいるそうです」(前出・(マンガ誌編集者、以下同)

 一連の対応を受け、マンガワンで連載していた漫画家が相次いで、掲載中止を表明。漫画家からは

《被害を受けられた方に対しまして、最善の対応と適切な救済がなされますことを強く願っております》
《一連の件に関しまして、強い衝撃と失望を覚え、大変戸惑っております。何よりも被害に遭われた方の心の平穏を切に願います》

 など、被害者を慮る意見が多く見られた。この事案に対し、ネット上では、

《自浄能力は皆無に等しい事だけは伝わりますね。マンガワンというか小学館そのものが詰んでる》
《小学館ごとなくなってほしいくらいだよ…》

 などの意見が寄せられている。

 今回の問題はマンガワン単体ではなく、小学館の組織体制そのものに対する不信へと広がりつつある。実際、同社のファッション誌『Oggi』は3月3日に予定していたライブ配信を中止に。影響は漫画部門にとどまらず、会社全体に波及しているようだ。