『ばけばけ』ヒロインの松野トキ役を演じる高石あかり

 いよいよ最終盤に突入したNHK連続テレビ小説『ばけばけ』。物語のクライマックスに向けて盛り上がりを見せる時期だが、SNS上では視聴者から違和感の声が相次いでいる。

誰がどう見ても“おめでた”なのに…

 本作は、明治時代の作家・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の妻・セツをモデルにした松野トキ(高石あかり)が、夫のヘブン(トミー・バストウ)とともに「怪談」を通じて心を通わせていく物語だ。

「2025年10月にスタートした本作も、現在は熊本編。物語は佳境に入っていますが、以前から指摘されていた『テンポの遅さ』が、最終月に入っても相変わらず露呈している印象です」(テレビ誌ライター、以下同)

 波紋を広げたのは、3月3日に放送された第107回だ。体調不良を訴えていたヒロインのトキが、ついに倒れ込んでしまう。

「それまでもトキには、激しい眠気や味覚の変化、立ちくらみといった、誰が見ても『ご懐妊』を予感させる予兆が描かれてきました。視聴者の多くは『ついにおめでたか』と確信して見守っていましたが、劇中のキャラクターたちは驚くほど鈍感なのです」

 3日の放送では、夫のヘブンや家族が慌てて医者の往診を仰ぐシーンが描かれた。しかし、往診に来たのはその名も「藪井(やぶい)」という名の医師。藪井はトキの症状を単なる貧血と診断し、周囲もそれを鵜呑みにしてしまう。

「池脇千鶴さん演じる母・フミは育ての母であり、松野家には過去に子供ができた経験を持つ者が一人もいないという設定があります。そのため、誰も妊娠を疑わないというロジックなのですが、視聴者からは厳しいツッコミが飛んでいます」

 SNS上では、《お米が食べられない、眠くて仕方ない、貧血。どう考えたって懐妊でしょ》《周りに経験者がいないにせよ、母親や医者が微塵も疑わないのは不自然すぎる》といったリアリティの欠如を指摘する声や、《展開がまどろっこしい》という辛辣な意見も目立つ。

 こうした足踏み状態へのイライラは、昨日今日に始まったことではない。

「12月ごろにも、トキがヘブンの女中として過ごす期間が1か月以上も続き、『なかなか本筋の怪談話に入らない』と批判されていました。いま放送中の熊本編でも、フィリピンへの移住を巡る押し問答が長々と続き、視聴者は置いてけぼりを食らっています。さっさと夫婦で怪談を編纂する本筋が見たいのに、という不満が限界に達しているのでしょう」

 SNSでは、批判的な感想を共有するハッシュタグ「#ばけばけ反省会」が連日活況を呈している。

「朝ドラ史上でも稀なほど、ヒロインの行動に共感しづらいという声が目立ちます。放送はいよいよ残り1か月。不自然な引き延ばしを感じさせない、納得のラストスパートを期待したいところです」