かつてお茶の間を温かな語りで包み込んだ国民的アニメ『まんが日本昔ばなし』が令和に入り、本格的に“再始動”した。
若い層にも受けている『日本昔ばなし』
「『まんが日本昔ばなし』は1975年1月に放送を開始し、1994年9月まで放送された長寿番組です。2019年に亡くなった女優の市原悦子さんと、18年に亡くなった俳優の常田富士男さんがナレーションのほか、一人で何役も使い分ける声優を担当したことでも知られています」(テレビ誌ライター、以下同)
日本各地に伝わる昔話を映像化してきた同作が、公式サイトの開設とともに新たな一歩を踏み出して話題になっている。
「株式会社アニマックスブロードキャスト・ジャパンが運営するこども・アニメ専門チャンネルの『キッズステーション』で3月20日から放送が行われます。倉庫に眠るフィルム原盤をデジタルリマスターしたものが放送される予定とのこと。さらにYouTubeチャンネルも始動し、山梨県富士吉田市の『無用の位』は公開からわずか3日で13万回再生を突破しました。現在、約30万人のチャンネル登録者を抱え、往年のファンだけでなく、リアルタイム世代ではない若い層にも着実に広がりを見せています」
YouTubeチャンネルのコメント欄には視聴者からの反響が並ぶ。
《今の時代にこそ必要な作品》
《現代の日本人がなくした美徳を感じる》
《ナレーションのお二人の声が懐かしいですね》
『まんが日本昔ばなし』はAI技術による“語りの再現”でも注目を集めていると語るのはアニメライターだ。
「『日本昔ばなし』は市原さんと常田さんの声色が作品の世界観を形作っています。そのため、世界展開を狙って多言語版を制作するにあたっても、最新のAI技術を駆使して、お二人の語りを再現する試みも行われています。マンガやアニメといった日本のサブカルチャーは海外にも発信されていて愛好者も多い。
『まんが日本昔ばなし』は日本の伝統文化との親和性も高いため、日本を理解するコンテンツとして最適でしょう。なにより、短編アニメ作品としての演出力や構成力の高さは折り紙つき。その点もあらためて注目を集めそうです」
テレビの黄金期を支えた名作は、令和の時代にどこまで広がっていくのか。30万人の登録者が見守るなか、その挑戦は始まったばかりだ。
