WBC日本代表“侍ジャパン”の井端弘和監督

 3月5日の開幕を目前に控えたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)。連覇を狙う侍ジャパンにとって最大のライバルとされる米国代表が、3日(日本時間4日)にアリゾナ州スコッツデールで行われたジャイアンツとの強化試合で15-1と大勝を収めた。19安打を放つ猛攻で圧倒的な打力を見せつけ、ファンの間では米国代表の仕上がりと侍ジャパンへの懸念が広がっている─。

アーロン・ジャッジを筆頭に打線が爆発

試合中のプレーを見てアメリカンなリアクションをとる大谷翔平とラーズ・ヌートバー選手(Primevideoより)

 初回から米国打線は爆発した。ボビー・ウィット内野手(ロイヤルズ)、ブライス・ハーパー内野手(フィリーズ)の連打で無死二、三塁とすると、主将を務めるアーロン・ジャッジ外野手(ヤンキース)が痛烈な中前打で2点を先制した。ジャッジはこの日2打数2安打2打点と上々の滑り出しを見せた。

 4回にはアレックス・ブレグマン内野手(カブス)が左中間にソロ本塁打を放ち、6回にはローマン・アンソニー外野手(レッドソックス)が2ランを放ち、7回には打者11人の猛攻で6点を追加するなど、終わってみれば19安打15得点という圧巻の内容となった。

「この日のアメリカ代表は投手陣も盤石でしたね。先発した昨季サイ・ヤング賞投手のポール・スキーンズ(パイレーツ)は3回を1安打1失点と初回に1点を失いましたが2回以降は打者6人を完璧に抑え、2番手以降の投手も無失点で切り抜ける安定感でした」(スポーツ誌ライター)

 米国代表の仕上がりに日本のファンからは《日本代表の相手として、不足なしどころか仕上がりもアメリカ、ドミニカの方が良さそう》《日本が太刀打ちできるレベルではなさそう》《アメリカだが今回のWBC本気モードを感じる》など侍ジャパンに危機感を覚える声も多い。

ジャッジが熱弁「俺たちは劣勢に立たされている」

 米国代表は2日(日本時間3日)にアリゾナ州フェニックスで初練習を行い、キャプテン・アメリカと称されるジャッジがチームを鼓舞するスピーチを行った。「俺たちは今、劣勢に立たされている。こんな時こそ、互いに支え合うんだ。持てる全てをここに懸ける。それができれば、金メダルを持ち帰られる」と熱く語りかけた。

 前回2023年大会では決勝で日本に敗れただけに、リベンジへの決意は強い。ジャッジは「残してきた家族のために、国の名誉のために犠牲を払う。仲間たちのために自分をささげるんだ」とチームの結束を求めた。指揮を執るマーク・デローサ監督は侍ジャパンについて「大きな敬意を持っている。(前回決勝の)あの夜は野球界全体の勝利だった」と振り返っている。

 大リーグアナリストの福島良一氏(69)は、野球解説者デーブ大久保氏のYouTube動画に出演し、今大会の優勝チームについて「率直に言えばアメリカ。メンバーがすごすぎる」と即答。一方で日本の可能性にも言及し、「WBCは1発勝負。アメリカと日本が10試合戦えば、確実にアメリカが勝ち越す。でも1試合だけなので、何が起こるか分からない。1発勝負に強いのは日本。だからこそ、過去5大会で3回優勝している」と分析した。

 さらに、侍ジャパンの不安材料は「センターのポジション」と指摘した福島氏。

「1番うまいのは、ソフトバンクの周東(佑京)選手だと思うが、おそらく代走要員として起用される。鈴木誠也選手はカブスで通常ライトを守っているが、打力を優先するとすればセンターに。東京ドームなら良いが、準々決勝以降のマイアミだと外野が広い。抜かれたら完全に長打になってしまう」と懸念を示した。

 米国代表の仕上がり、アナリストの予想を意に介さないファンからは《前回も「アメリカ最強」と言われてたけど、勝ったじゃん。今回も信じてる》《WBCは1発勝負。日本は短期決戦に強い。他国がどれだけ強くても、本番は別の話》と期待の声も多い。

 連覇を目指す侍ジャパンには投打両面で課題が残る。しかし、過去5大会で3度の優勝を誇る「短期決戦の強さ」は本物だ。開幕まであと1日。

 世界の頂点をめぐる熱い戦いが、いよいよ幕を開けるーー。