3月2日、天皇、皇后両陛下の長女である愛子さまが、東京・日本橋で開催された「第57回現代女流書展」を訪問された。
「女性書家104人による、多様な分野の書道作品が展示されており、これまで、上皇后美智子さまをはじめ、多くの女性皇族が訪問されてきました。愛子さまが鑑賞されるのは、今回が初めてのことです」(皇室担当記者)
ご到着の際から、展覧会を非常に楽しみにされている様子だったという愛子さま。案内役を担当した書家の兼岡白葉さんに、当日のご様子について話を伺った。
「明るいクリーム色のお召し物に身を包まれた愛子さまは、にこやかな表情でお見えになられました。会場に入られると、まず作品の題名と作者名が書かれた“キャプション"をお確かめになってから、作品を鑑賞していらっしゃいました。
展示会のために書かれた作品を次々とご覧になりながら、『新しい発見があります』と、うれしそうに笑みを浮かべられ、心からその瞬間を楽しまれているご様子に、大変感動いたしました」
作品を見て回られるなかで、印象的なエピソードがいくつもあったという。
「愛子さまは、万葉集にある志貴皇子の歌がかかれた作品を前で、『ここに余白がありますね』と一言おっしゃいました。漢字のみが綴られた扇面の書をご覧になってのお言葉でしたが、作者の意図に気づいておられるようでした。
また、愛子さまは大学で日本の古典文学を学ばれておりますから、この歌についてもよくご存知だったようです。『春らしいですね』と、お言葉を添えられていました」
伝統的な書だけではなく、淡墨作品や前衛的な作品などについても、愛子さまは熱心に質問や感想を重ねられた。
「『鶯』という題がついた作品をご覧になった際には、『どうしてここはにじんでいるのですか』とおっしゃっていて、青墨特有の墨の変化に驚かれていました。
また、一見して抽象画のように見える前衛作品は、解釈が難しいものですが、愛子さまは『これは轟音ですね』とお話しになって……想像力の豊かさに、圧倒されるばかりでした」
その造詣の深さについて、兼岡さんは、「幼い頃からご自身で筆をもっていらしたので、日常の中に“書"が溶け込んでいると感じました」と感嘆する。
心ゆくまで鑑賞を楽しまれ、会場をあとにされた愛子さま。内に秘めた書への情熱を、改めて深められるひとときとなったに違いない。
